Microsoft MAP Toolkitとは?OS・サーバー・クラウド移行前の包括的な評価を可能にする無料ツール

執筆:Eddie Lockhart(サイト編集者)
公開日:2023年2月14日
Microsoft Assessment and Planning(MAP)Toolkitとは
Microsoft Assessment and Planning(MAP)Toolkitは、IT部門が無償で利用できる評価ツールです。新しいオペレーティングシステム(OS)やサーバーバージョンへの移行、あるいはクラウドベースの環境への移行に先立って、自社のインフラストラクチャが移行の準備として整っているかどうかを把握するために活用できます。
IT担当者は自身のデバイス上でMAP Toolkitを実行するだけで、接続中のネットワークに関連するデバイス、ソフトウェア、ユーザー、インフラストラクチャのインベントリ(資産情報)を自動的に収集できます。
補足: マイクロソフトは現在、新規の評価作業についてはMAP ToolkitではなくAzure Migrateの利用を推奨しています。既存環境での評価にMAP Toolkitを使用しつつ、Azureへの移行計画ではAzure Migrateを組み合わせるのが現実的な選択肢といえるでしょう。
MAP Toolkitを構成する4つのコンポーネント
- MAPSetup.exe: MAP本体に加え、ローカルのSQL Serverデータベースエンジンをセットアップするために必要なファイルが含まれています。
- readme_en.htm: MAP Toolkitの実行要件や既知の問題が記載されたドキュメントです。
- MAP_Sample_Documents.zip: MAP Toolkitが出力するレポートや提案書のサンプルが収録されています。
- MAP_Training_Kit.zip: MAP Toolkitの使い方を解説しており、取得できる情報のサンプルデータベースも同梱されています。
MAP Toolkitの主な用途
MAP Toolkitの大きな特長は、エージェントレスである点です。専用エージェントを各端末にインストールすることなく、WindowsまたはWindows Server環境に存在するデバイス、ソフトウェア、ユーザー、インフラストラクチャを自動的に検出し、インベントリを作成します。その結果として、ハードウェアおよびソフトウェアの情報を含む「準備状況レポート」と、経営層向けの提案書が生成されます。
収集されるデータには、デバイスの総数、Windowsが稼働するデバイスの数、ユーザー数といった指標が含まれます。さらに、ユーザーが日常的に使用しているアプリケーションの一覧と、それらが移行先のデスクトップOSやサーバーOSと互換性があるかどうかの情報もレポートに反映できます。
具体例を挙げると、「Windows 10 Assessment」レポートでは、ネットワーク上のハードウェアがWindows 10の稼働要件を満たしているかどうかを確認できます。「Internet Explorer Migration Assessment」レポートは、環境内で稼働しているInternet Explorerのバージョンや、アドオン、ActiveXコントロールの有無を詳細に示します。
また、MAP Toolkitはサーバーの使用率に関する詳細情報も提供します。これにより、IT部門はサーバーの設置場所や役割を把握し、仮想デスクトップ基盤(VDI)のホストとして適したサーバーを特定できます。加えて、移行計画をどのような順序・手法で進めるべきかという推奨事項も提示されるため、移行プロジェクト全体の計画立案にも役立ちます。
MAP Toolkitの機能まとめ
前述のとおり、MAP Toolkitは4つの主要コンポーネントで構成されています。インストールパッケージ「MAPSetup.exe」には、MAP本体と、SQL Serverデータベースエンジンのセットアップに必要なファイルを格納するローカルデータベース「SQL LocalDB」が含まれています。
「readme_en.htm」には実行要件と既知の問題が、「MAP_Sample_Documents.zip」にはレポート・提案書のサンプルが、「MAP_Training_Kit.zip」には操作ガイドとサンプルデータベースがそれぞれ収録されており、導入から運用までを一貫してサポートする構成になっています。

MAP Toolkitの動作要件
MAP Toolkitを実行するデバイスは、以下のハードウェア要件を満たす必要があります。
- デュアルコア1.5GHz以上のプロセッサ
- 2GB以上のRAM
- 1GB以上のディスク空き容量
- ネットワークアダプターカード
- 1024×768以上の解像度に対応したグラフィックアダプター
ソフトウェア面では、最新のWindowsアップデートと.NET Framework 4.5がインストールされていることが前提となります。対応クライアントOSとエディションは以下の通りです。
- Windows 7(Service Pack 1適用済み): Professional、Enterprise、Ultimateエディション
- Windows 8 / 8.1 / Windows 10: ProfessionalまたはEnterpriseエディション
また、評価対象となるサーバー側のOSは、Windows Server 2008 R2(SP1適用済み)、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2016、Windows Server 2019のいずれかに対応しています。
まとめ
Microsoft MAP Toolkitは、OS刷新やサーバー更新、クラウド移行といった大規模なIT変更プロジェクトにおいて、現状のインフラを正確に可視化できる強力な無料ツールです。ただし、マイクロソフトの推奨はAzure Migrateへと移りつつあるため、今後の移行計画では両者の役割分担を踏まえたツール選定が重要になります。
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