Mac App Storeはなぜこれほど使いにくいのか?5つの問題点とAppleが改善しない理由

Mac App Storeは正直、完成度が低いと言わざるを得ません。サードパーティ製ソフトの質だけの問題なら笑い話で済むかもしれませんが、現実には多くのmacOSユーザーにとって、Mac App Storeはアプリ入手の重要な拠点となっています。Windowsのストアも決して模範的な存在ではありませんが、それでもMac App Storeの立ち遅れは際立っています。では、なぜMac App Storeはこれほど評価が低いのか、そして何がAppleによる改善を妨げているのでしょうか?
Mac App Storeの5つの問題点

Mac App Storeの評判が上がらない理由は、単一の要因ではありません。複数の問題が積み重なっているのです。
1. 厳格すぎるルールとサンドボックス制限
Mac App Storeでアプリを販売するには、一連の厳格なガイドラインに従う必要があります。ルール自体には一定の合理性があるものの、その結果、アプリにできることが大幅に制限されてしまいます。ストア内のすべてのアプリはサンドボックス化が必須で、許可された方法でしかmacOSとやり取りできません。さらに、バックグラウンドプロセスとしての常駐やログイン時の自動起動も認められていません。このため、画面色温度調整ツール「Flux」のような必須アプリはストアから配信できず、ユーザーの選択肢とストアの利便性が大きく損なわれています。
2. 精度の低い検索機能
iOSユーザーなら、App Storeの検索機能の弱さには慣れているでしょう。残念ながら、Mac App Storeでも状況はほぼ同じです。アプリの正式名称で検索しても、関連性の不明な別のアプリが上位に表示されることが珍しくありません。カテゴリ単位で探そうものなら、本当に欲しいアプリと無関係なアプリがほぼランダムに混在した結果が返ってきます。
3. 体験版や有料アップグレードに対応していない
Mac App Storeには理論上、アプリ内課金の仕組みが存在しますが、実際に活用されている事例はほとんど見られません。根本的な問題は、Macにおけるアプリのアップグレードの考え方がiPhoneとは異なる点にあります。Macアプリの体験版は一般的に「機能はフルで利用可能、ただし期間限定」という形式を取ります。ところがMac App Storeでは、無料版に時間制限を設けることが開発者に許されていないのです。そのため、有料アプリを試したいユーザーは、開発元の公式サイトを直接訪れるしかありません。ストア登場から7年以上経過した今でも、この基本的なニーズには対応していないままです。
4. 存在意義そのものが問われている
こうした不満に加え、Mac App Storeは実は「なくても困らない」存在になりつつあります。有名デベロッパの中には、あえてストアからアプリを引き上げたものの、売上にほとんど変化がなかったというケースもあります。むしろ彼らは、デザインの自由とストア以外の販売チャネルを手に入れたことで、より柔軟なビジネス展開が可能になりました。この事実は、Mac App Storeの厳しいルールを受け入れる価値をさらに低下させています。
5. 開発者からの支持が得られない

ここまで挙げた問題を踏まえれば、開発者がMac App Storeを敬遠するのも無理はありません。Appleは売上の30%を手数料として徴収しながら、開発者には制約の多いプラットフォームでの開発を強います。当然、優秀な開発者ほどこのプラットフォームから離れていき、Appleが取り込みたいはずの人材ほど逃していきます。その結果、ストアで入手できるアプリの種類はさらに減少し、悪循環に陥っているのです。
Mac App Storeは改善できないのか?
Mac App Storeに改善の余地がないわけではありませんし、Apple自身がそのことに気づいていないとも考えにくいです。では、なぜAppleは問題を放置し続けているのでしょうか?外部から断定することはできませんが、社内において製品改善への関心が薄いのではないかと推測されます。
Mac App Storeを抜本的に作り直すには膨大な開発作業が必要で、多大な時間と人員の投資が求められます。それは優秀なエンジニアを、より生産的で収益性の高いプロジェクトから引き剥がすことを意味します。Appleの腕利きの開発者たちが自ら志願してこの案件に飛びつき、若手開発者だけが現状維持を担う——そんな光景は容易には想像できません。
仮にすべての開発作業が完了したとして、Appleは何を得られるのでしょうか?おそらく、大きなリターンは期待できないでしょう。内部データを持たない以上断言はできませんが、刷新されたMac App Storeにユーザーが熱狂する姿は想像しにくく、Mac本体の販売台数を押し上げる効果も疑わしいところです。時間・工数・資金という投資対効果を重視する企業としてのAppleにとって、Mac App Storeの大規模改修は魅力的な投資先には映らないのかもしれません。
こうした放置ぶりは、AppleがmacOSプラットフォーム全体へ関心を失いつつあることの表れと捉えるのが自然でしょう。ようやく新型Macハードウェアが登場し始めたものの、Appleの本気と情熱がiPhoneとiOSにあることは、以前から明らかでした。それ自体は責められるべきではありません。企業は最も利益を生む製品に経営資源を集中させるべきだからです。とはいえ、もしAppleがmacOSをiOS並みに魅力的で人気のあるプラットフォームへ育て上げることができたなら、間違いなくMacの販売にも好影響をもたらしたはずです。
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