iPadを仕事に使う方法|接続設定からおすすめアプリ・アクセサリまで徹底解説
2010年の登場以来、iPadに対する見方は大きく変化してきました。Netflixの視聴やメールのチェックはもちろんできますが、それだけではありません。実はiPadには、まだ十分に活用されていない強力なポテンシャルが秘められているのです。
AppleはiPad Proを「ビジネスで使えるノートPCの代替」として長年推してきましたが、Pro以外のiPadシリーズにも多くの魅力があります。価格はノートパソコンの数分の一でありながら、教師、ライター、ビジネスパーソン、学生、さらにはシェフまで、ノートPCでできることのほとんどをこなせるのです。
この記事では、iPadを仕事やビジネスに活用するための実践的なヒントを紹介します。インターネットへの接続方法、クラウドストレージの設定、おすすめの生産性アプリ、作業効率を高めるアクセサリまで、順を追って解説していきます。
どのiPadを使っていますか?
「シンプルさ」を信条としてきたはずのAppleですが、iPadのラインナップは意外と複雑です。Air、mini、Pro……自分がどのモデルを持っているのか、正直よくわからないという人もいるかもしれません。

幸い、どのモデルであっても心配はいりません。初代iPadを使っている方でも(さすがに稀でしょうが)、最新のiPad Airをお使いの方でも、この記事のアドバイスはすべて当てはまります。ただし、物理的なアクセサリを購入する際は、必ず自分のモデルに対応しているものを選びましょう。
参考までに、Appleが販売している主なiPadのラインナップは以下の通りです(過去モデルは整備済み製品ストアで入手できる場合もあります)。
- iPad 9.7インチ(2018)
- iPad mini(2019)
- iPad Air(2019)
- iPad Pro 11インチ(2018)
- iPad Pro 12.9インチ(2018)
自分のiPadのモデルがわからない場合は、「設定」→「一般」→「情報」から型番を確認するのが確実です。新しく購入を検討している方は、iPadの買い物ガイドも参考にしてください。
iPadでインターネットに接続する方法
- Cellular(セルラー)モデルとは
- モバイルホットスポットの設定
- Mi-Fi(モバイルWi-Fiルーター)
- データ通信量を節約するコツ
現代の仕事において、安定したインターネット接続は欠かせません。ウェブ閲覧もメールも、ネットワークあってこそです。勤務場所によって異なりますが、基本的にはWi-Fi環境があることが前提となります。
Cellular(セルラー)モデルとは
cellular対応のiPadをお持ちなら(または購入を検討しているなら)、SIMカードを通信キャリアに登録することで、4G/3G回線経由でインターネットに接続できます。Wi-Fi環境がない場所でも仕事ができるのは大きなメリットです。キャリア契約付きのiPadは、各携帯電話会社や家電量販店などで取り扱われています。
モバイルホットスポットの設定
Wi-Fi専用モデルのiPadでも、職場や自宅では問題なく接続できます。では外出先はどうすればいいのでしょうか? データプラン加入のスマートフォンがあれば、そのスマホをホットスポット(テザリング)として使い、iPadを接続してリモートワークが可能です。
iPhoneでホットスポットを作成する方法は、「設定」→「インターネット共有」をオンにするだけで簡単に利用できます。
Mi-Fi(モバイルWi-Fiルーター)
同様の方法として、Mi-Fi(モバイルWi-Fiルーター)を購入してモバイル回線に接続する選択肢もあります。Mi-Fiとは「Mobile Wi-Fi」の略で、1台の4Gルーターに複数のデバイスを同時接続できる便利な機器です。スマホのバッテリーを消費したくない場合や、複数端末を接続したい場合に役立ちます。
データ通信量を節約するコツ
スマホのテザリングやMi-Fiでネット接続する場合、データ使用量には注意が必要です。「設定」→「モバイル通信」からアプリごとのデータ消費量を確認し、動画の自動再生をオフにする、大容量ファイルのダウンロードはWi-Fi環境下で行うなど、工夫して通信量を抑えましょう。
iOSと生産性アプリ
- iOSの同期
- クラウドストレージ
- メール
- 生産性アプリ
- Microsoft Office for iPad
- Apple純正の生産性ツール
iOSの同期
古めのiPadでも基本的な業務は問題なくこなせますが、最新のOSにアップデートしておくことで、より多くの機能を引き出せます。iOSはモバイルOSでありながら、近年ではデスクトップOSのmacOSに匹敵するほど多機能になっています。
iOSの大きな魅力は、iPhoneやMacとのシームレスな同期です。Apple製オフィススイート「iWork」(Pages、Keynote、Numbers)はMacとWindowsの両方で利用でき、作業中のドキュメントはすべてiCloud経由で自動的に同期されます。
iCloudでは無料で5GBまで保存でき、有料プランに加入すれば最大2TBまで容量を増やせます(月額料金制)。価格やプランの詳細は、iCloudのサブスクリプションガイドをご覧ください。
iCloudがあれば、場所を問わず柔軟に働けます。たとえば、オフィスのMacでPages書類の編集を始めて、帰宅後はiPadで続きから作業する——そんな働き方が自然にできるのです。OSの同期機能により、デスクトップMacのフォルダにiPadやiPhoneからアクセスすることも可能です。
また、iPhoneに登録した連絡先はiPadにも同期されるので、いつでもすぐに参照できます。会議中のメモには「メモ」アプリが便利です。メモをiCloudに保存する設定にしておけば、どのAppleデバイスからでもいつでもアクセスできます。
クラウドストレージ
持ち運びやすくワイヤレスでアクセスできるiPadの特性を考えると、ワークフローの中心にクラウドストレージを置くのがおすすめです。ただし、会社にファイル保存に関するポリシーがある場合は、その規定に従う必要があります。
幸い、Google Driveをはじめとする主要なクラウドサービスは、PCやMacのファイルシステムと高い親和性を持っています。普段どおりファイルを整理しながら、複数のデバイスからアクセスできるのです。
iPadでインターネットに接続していれば、クラウド上のすべての仕事データにアクセスできます。これは特に、16GBなどストレージ容量の少ないiPadユーザーにとって大きな利点です。本体メモリを圧迫することなく、フルサイズのファイルを扱えますし、未完成の作業をパソコンやスマホで途中から再開することもできます。
iPadでの作業には、Google DriveやiCloudなどのクラウドストレージの活用をおすすめします。というのも、iPadには従来のパソコンのようなファイルシステムの全体像がなく、ファイルは作成したアプリごとに管理される仕組みだからです。クラウドストレージアプリを使えば、慣れ親しんだ階層構造でファイルを一覧できるため、iPadへの移行がぐっとスムーズになります。

おすすめのクラウドストレージサービスの比較ガイドもぜひ参考にしてください。
メール
もちろん、iPadでメールを使えるようにしておくことは必須です。Apple標準の「メール」アプリは、すっきりとしたデザインで複数のメールアドレスを整理しやすく、個人用・仕事用のアカウントをさまざまなプロバイダーから追加できます。
生産性アプリ
「生産性」という言葉は幅広く曖昧です。ある人にとって生産的だと感じるアプリが、別の人にとってそうとは限りません。具体的なおすすめについては、iPadの生産性アプリ特集や生活整理系アプリのまとめ記事をご覧ください。
生産性アプリには、Apple、Microsoft、Googleといった企業のオフィススイートもあれば、EvernoteやTodoistのような単体アプリもあります。どちらも仕事の整理、メモ取り、タスク管理に優れたアプリです。完了したタスクにチェックを入れる快感は、モチベーション維持にもつながりますよ。
Microsoft Office 365 for iPad
ファイル保存の仕組みが整ったら、次は生産性ツールの導入を検討しましょう。代表格はMicrosoft Office 365です。年額(または月額)契約で利用するサブスクリプション型サービスで、以前のように高価なソフトウェアをCDで購入する時代はほぼ終わりました。継続課金に抵抗があるかもしれませんが、その価値は十分にあります。

Personalプラン(月額約6〜7ドル程度)に加入すると、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、OneDrive、Outlookが1台のPC/Mac、1台のタブレット、1台のスマホで使えます。OneDriveの1TBクラウドストレージと全アプリの常時アップデートも含まれており、iPadを含むすべてのデバイスでフル機能のOfficeが使えるのは大きな魅力です。さらに、月60分のSkype通話も付いてきます。
ビジネス向けのOffice 365 Businessプランもあります。プレミアム版にはExchange、SharePoint、Skype for Business、Microsoft Teamsが追加され、1ユーザーあたり月額約12.50ドルです。基本プランは月額約8〜9ドルで、クラウドストレージはOneDriveのみとなります。
まずは月額プランから始めるのがおすすめです。使わなくなったらいつでも解約できます。また注意点として、Word for iPadアプリで文書の「作成・編集」を行うにはライセンスが必要です。アプリ自体は無料でダウンロードできますが、未契約の状態では閲覧のみしかできない仕組みになっています。
Apple純正の生産性ツール
Microsoft製品ではなくApple純正のツールを使いたい場合は、Word・Excel・PowerPointに相当する「Pages」「Numbers」「Keynote」がおすすめです。これらはAppleエコシステム全体で優れた連携を実現しており、MacやiPhoneも併用しているなら、Microsoft製品を導入するよりも相性が良いでしょう。もちろん、最終的には自分の好みで選んで構いません。
Pages、Numbers、Keynoteそれぞれの詳細なレビュー記事も公開していますので、機能面の比較に役立ててください。また、iPhoneの「ショートカット」アプリを使えば、定型作業を自動化することもできます。
チームコラボレーションアプリ for iPad
- Googleドキュメント for iPad
- ビデオ会議
- リモートデスクトップアクセス
- 注釈・マークアップアプリ
Googleドキュメント for iPad
Gmailアカウントをお持ちなら、あるいは会社のメールがGmailサーバーを使っているなら、Googleでの共同作業が有力な選択肢になります。Google Driveのクラウドストレージ15GBが自動的に付与されるからです。Docs、Sheets、SlidesはMicrosoftの御三家に対抗するアプリですが、これらはクラウドへの保存が前提となっている点が特徴です。ただし、特定の書類をオフラインで利用できるよう設定することも可能で、インターネット未接続時でも作業内容は自動保存されます。
これらのアプリは互いに高い連携性を誇るため、ストレージにGoogle Driveを採用しているなら非常に相性が良いでしょう。
Googleのツールを使えば、同じドキュメントを複数人で同時に編集できます。さらに、Word形式のファイルを開いて編集・保存することも可能です(弊社編集部でも、Officeで作業しつつGoogle Driveに保存するスタイルを取っています)。
どのクラウドストレージと生産性ツールの組み合わせを選んでも、iPadからの快適な作業環境を構築できるはずです。
ビデオ会議
FaceTimeはグループビデオチャットに対応しており、複数人との同時通話が可能です。それ以外では、まずSkypeが定番の選択肢となるでしょう。無料で使えるビデオ通話アプリは豊富にあり、iPadでの仕事にとても役立ちます。
打ち合わせ、同僚との雑談、面接など、こうしたツールは職場で非常に重宝します。
また、個人向けサービスだけでなく、WebexやGoToMeetingといったビジネス向けビデオ会議サービスのアプリも無料でダウンロードできます。
- Skype
- Cisco Webex Meetings
- GoToMeeting

リモートデスクトップアクセス
もうひとつ便利なのが、iPadからパソコンを遠隔操作できるリモートデスクトップ技術です。自宅のパソコンの電源が入っていれば、たとえ遠く離れた場所にいても、リモートアクセスアプリを使ってパソコンを直接操作し、画面をタブレット上に表示できます。
出社しなくてもオフィスのPCにアクセスできるため、在宅ワークや出張時の強力な味方になります。
注釈・マークアップアプリ
日々のちょっとした業務に役立つアプリを2つ紹介します。
Adobe Acrobat Reader — PDFの表示、注釈付け、署名ができるAdobeの無料アプリです。PDFを頻繁に扱う方には必携といえます。
Tiny Scanner — スキャナーを手軽に使いたい方におすすめのアプリです。iPadのカメラで書類を撮影すると、紙の書類に近い見た目に整形してくれます。まだ紙の書類を扱う機会が多い方に便利です。
その他、iPadで使える無料アプリのおすすめまとめ記事もぜひチェックしてみてください。
iPadのアクセサリ
- キーボード
- スタイラスペン
- ケース
- ケーブル
- アダプタ
- モバイルバッテリー
iPad用キーボード
適切なアクセサリと組み合わせることも、iPadを仕事道具として最適化する重要なポイントです。最もわかりやすく、おそらく最も有用なのが物理キーボードの追加でしょう。
選択肢はいくつかあり、多くはBluetoothでiPadに接続します。おすすめのiPadキーボードの完全ガイドも参考にしてください。
Appleの単体Bluetoothキーボード「Magic Keyboard」は、やや価格が張りますが、iPadとの接続は簡単で、ケースやスタンドと併用すれば長文タイピングにも耐える優秀なキーボードです。テンキー搭載モデルもあり、予算に余裕があれば検討する価値があります。なお、Apple Smart KeyboardはiPad Pro専用なので、通常のiPadをお使いの場合は注意してください。
オンスクリーンキーボード
物理キーボードを使わず、画面に直接入力したい方向けに、サードパーティ製のオンスクリーンキーボードアプリも多数あります。標準のAppleキーボードとは異なる入力スタイルや操作感を好む方に便利な選択肢です。
iPad用スタイラスペン
スタイラスペンは、iPadに手書き入力をするのに最適なツールです。また、マウスでの操作に慣れている方にとって、指だけで操作するiOSのUIに違和感を覚えることもあるでしょう。そんなとき、スタイラスペンを使えば指先よりも精密に操作できます。
注意点として、第1世代のApple PencilはiPad 9.7インチ、iPad mini(2019)、iPad Air(2019)に対応し、第2世代のApple Pencilは2018年以降のiPad Proモデルのみに対応しています。どのiPadがどのApple Pencilに対応するか、事前に確認しておきましょう。
手書きアプリ
Apple Pencil以外のスタイラスペンや、非ProモデルのiPadで使える手書きノートアプリも多数存在します。おすすめの手書きアプリガイドもぜひご覧ください。

iPadケース
良質なケースは、iPadでの作業において意外と重要です。たとえば単体のBluetoothキーボードを使うなら、タブレットを横向きに立てられるケースが必要になります。
オフィス向けのケースとしては、Native Unionの「Gripster」のような多機能タイプもあります。背面パーツはスタンドとしても、会議間の持ち運び用ハンドルとしても、落下防止のグリップとしても使える万能設計です。
iPad 9.7インチ対応のおすすめケースのガイドも併せてチェックしてください。
iPadケーブル
オフィス、会議室、寝室、書斎など、さまざまな場所で充電できるよう、Lightningケーブルを数本 extra に用意しておくと便利です。おすすめのiPad Lightningケーブルのまとめ記事をご覧ください。
なお、初代〜第3世代のiPadをお使いの場合は、30ピンケーブルが必要になる点にご注意ください。
iPadアダプタ
もうひとつ便利なアクセサリが、iPadを大型ディスプレイに接続するためのアダプタです。モニターやテレビが使える環境なら、特にiPad miniのような小さな画面での作業が多い方にとって、適切なアダプタとケーブルが問題を解決してくれます。
おそらく最も需要が高いのは、Appleの「Lightning Digital AVアダプタ」でしょう。タブレットのLightningポートに差し込むとHDMIポートが使えるようになり、HDMIケーブル経由でテレビやディスプレイに接続できます。HDMIケーブルも安価に入手可能です。
このセットアップは作業用途に最適ですが、ひとつ注意点があります。このアダプタは多くの定額動画配信サービスをブロックする仕様のため、Netflixなどを大画面で視聴する目的では使えません。
その他の接続オプションについては、Appleのアダプタ製品ラインナップを確認してください。
iPad用モバイルバッテリー
モバイルバッテリーには、スマホを緊急時に少し充電できる小型のものから、ノートPCをフル充電できる大容量のものまで、さまざまなサイズがあります。出張が多い方や、電源插座の確保が難しい展示会や会議に参加する機会が多い方は、iPad用にそこそこの容量のものを検討する価値があります。
選ぶ際の目安はバッテリー容量(mAh:ミリアンペア時)です。iPadの充電には10,000mAh以上のものを選べば、電源がない状況でも安心して乗り切れるでしょう。
おすすめのモバイルバッテリー&バッテリーパックの特集記事も参考にしてください。
まとめ
ここまで読んでいただければ、iPadを仕事に活用するイメージがかなり明確になったはずです。便利なアプリや物理アクセサリの世界に足を踏み入れれば、Apple最高のマルチメディアデバイスであるiPadは、強力な仕事道具へと生まれ変わります。
iPad Proがタブレットでの作業に最適なのはもちろんですが、手持ちの少し古いiPadでも、仕事を片付ける力は十分にあります。ぜひこの記事を参考に、あなたのiPadを最大限に活用してください!
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