MacのGarageBandで複数のライブトラックを同時に録音する方法
GarageBandは、Macユーザーのミュージシャンやポッドキャスターにとって理想的な無料のデジタルオーディオワークステーション(DAW)です。この記事では、GarageBandを使って複数の楽器を一度に録音する方法を詳しく解説します。
マルチトラック録音とは?
マルチトラック録音とは、2つ以上のオーディオトラックに複数の音を録音していく手法のことです。これにより、各トラックを個別にミックスや編集でき、他のトラックに影響を与えることなく作業できます。
録音は別々のタイミングでも、同時に行うことも可能です。例えば、ボーカル・ピアノ・ギターの3つのトラックを1つずつ重ねていくこともできますし、ライブでのピアノ演奏を、ピアノ用とボーカル用の2つのトラックに同時に録音することもできます。
さらに、バンド全体のセッションを一気に録音し、後から各メンバーのパートを個別に編集するといった使い方もできます。
マルチトラック録音のメリット
マルチトラック録音には多くのメリットがあります。ここでは、クリエイティブな制作過程でマルチトラック録音を活用すべき主な理由をいくつか紹介します。
複数の楽器を同時に録音できる
複数の楽器を1つのトラックにまとめて録音すると、音が濁ったりバランスが崩れたりしがちです。さらに、編集を行うとすべての楽器に影響が及んでしまいます。
マルチトラック録音なら、各楽器に最適な録音機材を使って、それぞれの音をクリアに記録できます。
もちろん1つずつ個別に録音することもできますが、マルチトラック録音最大の利点は、すべてを同時に録音できること。時間を犠牲にすることなく、各楽器の高品質な録音を実現できます。
より高いクリエイティブなコントロールが得られる
例えば、ポッドキャストを収録しているときに、特定の人だけが他の人より大きな声だったとします。全員が1本のマイク(=1つのトラック)に録音していた場合、これは大きな問題になります。しかしマルチトラック録音(=各自が自分のマイクに話す)なら、音量を個別に調整することが可能です。
同じことは、楽曲のライブ録音でも起こりえます。ある楽器の音が他の楽器をかき消してしまうケースです。トラックを1つずつ重ねていく方式ではなく、一斉にライブ録音することで、非常に自然で独特のサウンドが生まれます。すべてを同時に録音すれば、演奏の自然な雰囲気を保ちながら、ミックスを自由に調整する余地も残せます。
音声制作のスキルが向上する
個々の音に注意を払うほど、自然と耳が鍛えられていきます。各トラックのミックスに時間をかけることで、細部だけでなく全体像を見極め、理想のサウンドに近づける力も磨かれます。また、どの機材がどの楽器に合うのかを見分ける眼も養われるでしょう。
要するに、マルチトラック録音には学習曲線こそありますが、そこから得られるものには無限の可能性があるのです。
GarageBandでマルチトラック録音をする手順
ここからは、GarageBandでマルチトラック録音を行う具体的な手順をステップごとに解説します。このガイドでは、オーディオインターフェース経由で接続した2本のXLRマイクロフォンを使用した基本の流れを紹介し、最後にMIDI楽器の追加方法にも簡単に触れます。
USBマイク2本を使って録音することも可能です。MacでUSBマイク2本を使ってGarageBandに録音したい場合は、「複数のUSBマイクを同時に録音する方法」のガイドも参考にしてください。
ステップ1:機材をセットアップする
まず最初に行うのは、機材のセットアップです。GarageBandで複数のトラックを同時に録音するには、2つ以上のオーディオ/MIDI入力が必要になります。
XLRマイクロフォンは最も一般的なタイプのマイクで、平均的にUSBマイクよりも高品質な音を録音できます。ただし、Macに接続するためにはオーディオインターフェースが必要です。
オーディオインターフェースを選ぶのが初めてという方には、FocusriteのScarlettシリーズがおすすめです。ソロ録音からバンド録音まで対応できる、高品質で持ち運びやすい製品が揃っています。
XLRマイクとオーディオインターフェースが用意できたら、マイクをインターフェースに接続し、ヘッドホンもつないだ上で、インターフェースをMacに接続しましょう。
ステップ2:新規プロジェクトを作成する
次に、GarageBandで新しいプロジェクトを作成します。アプリを開いて空のプロジェクトを選択するだけでOKです。
設定によっては、この画面が表示されずに以前のプロジェクトが開くことがあります。その場合は、画面左上のメニューからファイル→新規を選択してください。
ステップ3:オーディオインターフェースが選択されているか確認する
トラックを追加する前に、GarageBandのオーディオデバイスとして自分のオーディオインターフェースが正しく選択されているかを確認しておきましょう。
確認するには、画面左上のGarageBandメニューから環境設定を開き、オーディオ(またはオーディオ/MIDI)タブを選択します。
入力デバイスと出力デバイスのポップアップメニューで、使用するオーディオインターフェースを選び、環境設定を閉じます。
ステップ4:複数のライブ楽器を同時に録音する
ここからは、実際にトラックを追加して録音の準備を整えていきます。ここで説明する基本の考え方は、3トラック以上を追加する場合にもそのまま応用できます。
押さえておくべきポイントがいくつかあるので、必要に応じてスクリーンショットを参考にしながら進めてください。
トラックタイプを選択の画面では、マイクのアイコンが付いたトラックを選びます。
トラックを追加したら、ショートカットCmd + Option + Nを使って、同じ種類のオーディオトラックをもう1つ追加します(画面上部のメニューバーからトラック→新規トラックを選んでも構いません)。録音したいトラックの数だけこの操作を繰り返します。
次に、トラックを選択した状態で、画面下部のトラックとマスターの表示部分においてトラックが選択されていることを確認します。入力の横にプルダウンメニューが表示されるので、そこからオーディオインターフェースの入力ポートを選択できます。
トラック名は初期状態の汎用的な名前から変更できます。トラックを選択してタイトルをダブルクリックすればリネームでき、右側のサウンドライブラリや手動操作でEQ(イコライザー)をカスタマイズすることも可能です。
各トラックの録音を有効にするには、トラックを選択して右クリックするか、ショートカットOption + Tを使い、録音可能にするにチェックを入れます。新しいアイコンが表示されるので、そのアイコンをクリックするとオン/オフを切り替えられます。録音が有効になっているトラックは、このアイコンが赤く点滅するのでひと目でわかります。同時に録音したいすべてのトラックに対してこの設定を行いましょう。
録音中に各トラックの音をモニターしたい場合は、入力セクション内のモニタリングの隣にあるアイコンをオンにします。
そして、録音を始める前に忘れずに、Cmd + Sでプロジェクトを保存しておきましょう。
ステップ5:MIDI楽器を追加する
MIDIコントローラー(例えば電子ピアノなど)をお持ちなら、それを使ったマルチトラック録音も可能です。
MIDI機器で録音するには、MIDI出力端子を持つ機器であればオーディオインターフェース経由で、USB出力を持つコントローラーであればMacに直接接続します。
あとは前のステップと同じ手順を踏むだけですが、トラックタイプを選択の画面ではソフトウェア楽器を選択してください。それ以外の手順はすべて同じです!
あらゆるDAWで役立つスキル
マルチトラック録音の基本的な考え方がつかめたら、焦らず自分に合ったやり方を探してみてください。
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、実際にやってみると、驚くほどスピーディーに素晴らしいサウンドの音楽を録音・編集できるようになるはずです。GarageBandのドラマー機能をマルチトラックプロジェクトの一部として活用するのもおすすめです。
ライブ楽器のマルチトラック録音を習得することは、GarageBandにとどまらず、あらゆるDAWで活きる万能スキルとなります。
-
Macで画面録画する方法|標準ツールとQuickTime Playerの使い方を徹底解説
画面上の情報を記録したいとき、スクリーンショットで十分なケースもあります。しかし、スクリーンショットでは対応できない場面もあります。クリップを作りたいとき、チュートリアルを撮影したいとき、あるいはMacの画面で起きている出来事をそのまま記録したいときには、画面録画が便利です。 幸い、Macには標準で画面収録機能が搭載されており、画面に表示されている内容の一部または全体を録画して保存できます。さらに、外部音声やマイクに入力される音声を一緒に録音することも可能です。 それでは、Macで画面録画を行う具体的な方法を見ていきましょう。 macOS Mojaveの画面収録ツールでMacの画面を
-
Macで複数のファイル名を一括変更する方法|Finderの標準機能で簡単リネーム
Macは高い信頼性と先進的な技術で知られていますが、それだけではありません。複数のファイルに対する操作をまとめて処理できる「一括タスク」機能により、1つずつ手作業で変更する面倒な労力から解放してくれる点でも人気を集めています。大量のファイル名をまとめて変更したり、一括で編集を加えようとした経験のある方なら、その手間とストレスは痛いほど分かるでしょう。 実は、macOS Yosemite以前のMacには、ファイルを一括で名称変更する標準機能が搭載されていませんでした。そのため、この作業を実現するにはサードパーティ製のアプリをインストールするしかありませんでした。しかし、最新バージョンのmacOS