【Windows】データを失わずにMBRからGPTへ変換する2つの方法
ハードディスクには、ドライブ上のデータを管理するための「パーティションテーブル」が必ず必要です。パーティションテーブルはドライブ内のパーティション(区画)を記述し、システムが必要なファイルを見つけ出す手助けをします。
Windowsでは、使用しているOSやファームウェアに応じて、マスターブートレコード(MBR)またはGUIDパーティションテーブル(GPT)のどちらかが使われます。場合によってはMBRとGPTを切り替える必要がありますが、従来はその作業にデータ損失のリスクが伴っていました。
しかし現在では、データを失うことなくMBRからGPTへ切り替えられる2つのツールが存在します。この記事では、データを1バイトも失わずにMBRディスクをGPTに変換する方法を詳しく解説します。
MBRとGPTの違いとは?
まずは、MBRとGPTの違い、そして一部のシステムでどちらか一方が採用される理由から見ていきましょう。
MBR(マスターブートレコード)
MBRは歴史のある方式で、幅広いシステムとの互換性があります。IBM PC向けに開発され、長きにわたりWindowsマシンの標準的なパーティションテーブルとして使われてきました。「マスターブートレコード」という名前は、ドライブの先頭に配置されていることに由来しており、ここにはOSのブートローダーとパーティション情報が格納されています。
ただしMBRには大きな制限があります。対応できるのは最大2TBまでのドライブのみで、プライマリパーティションも4つまでしか作成できません。かつて2TBドライブが高価だった時代には問題になりませんでしたが、現在ではSeagate Barracudaのような8TBドライブも手頃な価格で購入できるようになっています。
GPT(GUIDパーティションテーブル)
GPTはより新しい方式で、旧来のBIOSに代わるファームウェア「UEFI」と密接に関連しています。GPTは、ドライブ上のすべてのパーティションにグローバル一意識別子(GUID)を割り当てます。これは128ビットの数値で、あなたのハードウェアだけを識別するものです(128ビット整数の最大値は約1.7×10^39という桁違いに大きな数値です)。
GPTドライブは、MBRドライブのような制限をほとんど受けません。適切な設定を行えば理論上256TBのドライブまで動作可能で、Windowsシステムでは拡張パーティションを使わずに最大128個のパーティションを作成できます。他のOSではさらに多くのパーティションがサポートされています。
もうひとつの大きな違いは、ブートデータの保存方法です。MBRドライブと異なり、GPTドライブは複数のパーティションにまたがってブートデータのコピーを複数保持するため、障害発生時の復旧がはるかに簡単になります。
互換性
すべてのWindowsがGPTパーティションのドライブから起動できるわけではなく、多くの場合、UEFIベースのシステムが必要です。
- 64ビット版のWindows 11、10、8/8.1、7、Vistaは、GPTドライブからの起動にUEFIベースのシステムが必要
- 32ビット版のWindows 10および8/8.1も同様にUEFIが必要(Windows 11に32ビット版は存在しない)
- 32ビット版のWindows 7およびVistaは、GPTドライブから起動できない
- 上記のすべてのWindowsバージョンは、GPTドライブの読み書き自体は可能
GPTは他のOSでも採用されています。たとえばAppleは独自のApple Partition Table(APT)に代えてGPTを使用しており、LinuxもGPTドライブを標準でサポートしています。
2021年のWindows 11登場により、多くのユーザーが既存のパーティションをMBRからGPTへ変更する必要性に迫られました。Windows 11はUEFI環境のGPTドライブからしか起動できないため、切り替え作業につまずくユーザーも少なくありませんでした。
MBRをGPTに変換する手順
前述のとおり、GPTはより現代的なパーティションテーブルであり、優れた復旧機能と高い柔軟性を提供します。長らくMBRからGPTへの変換は、ドライブを完全に消去することを意味していました。しかし今では、データ損失なしに安全に変換できる2つのツールがあります。
注意:一度変換すると元に戻せません(ドライブを消去する以外に方法はありません)。MBRからGPTへの変換は一方通行です。また、ごくわずかな確率で変換後にドライブが動作しなくなる可能性もあります。確率は極めて低いものの、この警告を読んだ上で作業を続行された場合、ハードウェアトラブルについては一切の責任を負いかねます。続けて紹介する手順の検証(バリデーション)ステップは特に重要なので、必ず実行してください。
変換前に最後に確認すべき点があります。お使いのハードウェアはUEFIに対応していますか?未対応の場合、変換後にドライブを認識できなくなり、起動ドライブを変換した場合はOSにもアクセスできなくなります。
方法1:Microsoft純正の「MBR2GPT」ツールを使う
MicrosoftのMBR2GPTツールは、Windows 10 Creators Update以降に標準搭載されており、追加インストール不要で利用できます。
この無料ツールは、大量のPCにWindows 10を展開するシステム管理者向けに設計されましたが、個人ユーザーでも手間なくMBRドライブをGPTへ切り替えられます。
- ディスク番号を確認する。スタートメニューで「コンピューターの管理」を検索して開き、「ディスクの管理」を選択します。変換したいディスクを見つけて番号を控えます。さらにディスクを右クリック→「プロパティ」→「ボリューム」タブを開き、現在のパーティションの種類が「マスターブートレコード(MBR)」であることを確認しましょう。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く。「Windows + X」キーを押し、メニューから「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。項目がない場合は、スタートメニューでコマンドプロンプトを検索し、右クリックから「管理者として実行」を選びます。
- ディスクを検証する。次のコマンドを入力します。
mbr2gpt /validate /disk:[ディスク番号] /allowFullOS
検証はすぐに完了します。ディスクが変換要件を満たさない場合はエラーが表示されます(例:要件を満たさないUSBフラッシュドライブに対して実行したケースなど)。 - 変換を実行する。次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
mbr2gpt /convert /disk:[ディスク番号] /allowFullOS
変換処理は高速で、数秒程度で完了します。 - ファームウェアをUEFIモードに変更する。システム再起動後にBIOS/UEFI起動キーを押してセットアップ画面に入り、ブートタイプを「Legacy Mode」などから「UEFIモード」へ変更します。
方法2:「EaseUS Partition Master」を使う
もうひとつの選択肢は、EaseUS Partition Master Professionalを利用する方法です。Windowsのディスクの管理画面に似たUIを採用しているため、こちらのほうが簡単だと感じる人もいるでしょう。さらに、MBRからGPTへの変換ツールをはじめ、さまざまな便利な追加機能が用意されています。
ただし、EaseUS Partition Master Professionalは39.95ドルの有料ソフトである一方、Windows標準のMBR2GPTツールは無料で、OSに最初から組み込まれています。
- EaseUS Partition Masterの公式サイトにアクセスし、ソフトを購入・ダウンロード・インストールします。ヒント:1台のドライブだけを変換するなら、体験版(Trial版)でも十分です。
- EaseUS Partition Masterを開き、ドライブの一覧が読み込まれるのを待ちます。変換したいディスクを選択して右クリックし、「Convert MBR to GPT(MBRをGPTに変換)」を選択します。
- ツールバーの「Apply(適用)」ボタンを押します。適用するとシステムが再起動し、変換処理の進行状況を確認できるEaseUS Partition Masterの専用画面が表示されます。
- 再起動後にBIOS/UEFI起動キーを押してセットアップ画面に入り、ブートタイプを「Legacy Mode」などから「UEFIモード」に変更します。
このように、EaseUS Partition Masterを使えばMBRからGPTへの変換作業はより直感的になりますが、無料のMicrosoft純正ツールよりやや時間がかかる点には注意しましょう。
まとめ:MBRからGPTへの変換完了!
これで古いMBRドライブがGPTドライブへと変換され、ドライブの使い方における自由度が大きく広がりました。パーティションテーブルの切り替えとBIOSからUEFIへの移行によって、システムファームウェアに対するコントロールも向上します。そもそもUEFIが導入された主な目的のひとこそが、ハードウェアに対するより高度な制御と詳細なオプションの提供だったのです。
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