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GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

企業内のすべてのPCに同じスライドショースクリーンセーバーを設定したい――そんな要望は意外と多いものです。ある企業では、経営層から「全社のPCで、コーポレートデザインの画像とともに、情報セキュリティの基本ルールや便利なヒント、その他の参考情報をスライドショーとして表示したい」という指示が出ました。当初は独自のスクリーンセーバーファイル(*.scr形式)を開発することが検討されましたが、この方法では追加のソフトウェアが必要になるうえ、柔軟性や運用・管理のしやすさの面でも課題がありました。最終的にたどり着いたのが、Active Directoryドメイン環境でGPO(グループポリシー)を使って画像を配布し、スクリーンセーバーを一元管理するというソリューションです。

なお、この企業ではWindows 7、Windows 8.1、Windows 10といったサポート対象のすべてのWindowsバージョンをクライアントOSとして使用しているため、ソリューションはOSのバージョンに依存せず、どの環境でも動作する汎用的なものである必要があります。

実は、Windows 7以降には指定フォルダー内の画像をスライドショー表示する機能が標準で備わっています。しかし、これらの設定はGPOから直接管理できません。そのため、本記事で紹介するような回避策が必要になります。

スライドショー用画像を格納するネットワーク共有の作成

まず、スライドショーの元画像を保存するためのネットワーク共有を、社内ネットワーク上の任意のサーバーに作成します。このフォルダーに対しては、ドメインユーザー全員(Domain Usersグループ)にファイルの読み取り権限を付与してください。例として、ここではUNCパスを \\srv1\Install\Img とします。作成した共有フォルダーに画像をコピーしておきましょう。

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

グループポリシーによるスケジュールタスクの構成

次に、クライアントをこのネットワーク共有に接続し、スクリーンセーバー用画像を各コンピューターのローカルディスクの C:\Screen フォルダーへコピーするスクリプトファイル copy_screens.bat を作成します。スクリプトのコードは以下の通りです。

net use s: \\fsrv1\Install\Img
mkdir C:\Screen
del /Q C:\Screen\*.*
xcopy S:\*.* C:\Screen

このスクリプトをドメインコントローラーのSYSVOLフォルダー(C:\Windows\SYSVOL\sysvol\contoso.com\scripts)にコピーします。続いてグループポリシー管理エディターを開き、新しいポリシーを作成するか、既存のポリシーを編集します。ここでは説明のため、1回だけ実行されるタスクスケジューラジョブでコピータスクを実行します(スライド画像を更新したい場合は、このタスクを再度実行すればOKです)。GPOを使って、すべてのPC向けにタスクスケジューラの新しいタスクを作成しましょう。

ヒント: スタートアップスクリプトでファイルをコピーすることも可能ですが、その場合はソースフォルダー内のファイルが変更されたかどうかをチェックするよう、スクリプトを修正しておくとよいでしょう。

[ユーザーの構成] > [基本設定] > [コントロールパネルの設定] > [スケジュールされたタスク] に移動し、以下のパラメーターで新しいタスク([新規作成]→[スケジュールされたタスク(Windows 7以上)])を作成します。

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

  • タスク名: CopyScreen
  • 操作: 更新
  • タスクの実行に使うアカウント: %LogonDomain%\%LogonUser%

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

[トリガー] タブで新しいトリガーを追加し、[新規トリガー]→[スケジュール]→[1回のみ] を選択します。

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

[操作] タブでは、次のスクリプトを実行するよう指定します:
\\contoso.com\SYSVOL\contoso.com\scripts\copy_screens.bat

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

タスクの変更を保存し、ポリシーをユーザーが所属するOUに割り当てます。

参照用PCでのスクリーンセーバー設定

次に、参照用(マスターとなる)コンピューターでスクリーンセーバーを構成し、スライドショーの画像を C:\Screen フォルダーから取得するようにします。このコンピューター上の該当するレジストリキーの設定値を、グループポリシーを使って全PCに配布することになります。

注意: 参照用コンピューターには、あらかじめ C:\Screen フォルダーが存在している必要があります。

Windows 10の場合、[スタート]→[設定]→[個人用設定]→[ロック画面] の順に移動し、下へスクロールして [スクリーンセーバーの設定] を探します。スクリーンセーバーとして「フォト(Photos)」を選択し、[設定] をクリックします。GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

画像フォルダーのパスに C:\Screen を指定し、「シャッフル(ランダム表示)」にチェックを入れて変更を保存します。

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続いて、次のレジストリキー HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows Photo Viewer\Slideshow\Screensaver を .reg ファイルとしてエクスポートし、ドメインコントローラー(GPOを編集する別のコンピューターでも可)にインポートします。GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

重要: 画像フォルダーへのパスは、EncryptedPIDL パラメーターとして暗号化(Base64)されて保存されているため、手動で書き換えることはできません。さらに、Windowsはこのパラメーターの値の改行を正しく処理しないため、.reg ファイルをメモ帳などで手動編集し、EncryptedPIDL の値が1行で連続するように整える必要があります。GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

.reg ファイルを保存したら、GPOを編集するコンピューターにインポートします。

スクリーンセーバーを管理するGPOの作成

ポリシーを開き、GPPの次のブランチに移動します:[ユーザーの構成]→[基本設定]→[Windowsの設定]→[レジストリ]。新しい項目を [新規作成]>[レジストリウィザード]>[次へ] の順に進めて作成します。

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

HKEY_CURRENT_USER→Software→Microsoft→Windows Photo Viewer→Slideshow→Screensaver へ移動し、以下のキーにチェックを入れて [完了] をクリックします。

  1. EncryptedPIDL
  2. Shuffle
  3. Speed

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

次に、GPOの次のセクションへ移動します:[ユーザーの構成]→[ポリシー]→[管理用テンプレート]→[コントロールパネル]→[個人用設定]。ここで 「特定のスクリーンセーバーを強制する」 を有効にし、値として PhotoScreensaver.scr を指定します。(デフォルトでは、PhotoScreensaver.scr は C:\Users\Public\Pictures\Sample Pictures フォルダーを画像のソースとして使用します。)

GPOを使ってスライドショースクリーンセーバーを全社PCへ一括展開・管理する方法

ヒント: [個人用設定] セクションでは、以下のポリシーも併せて有効化できます。

  • スクリーンセーバーを有効にする
  • パスワードによるスクリーンセーバーの保護 – ロック画面をパスワードで保護します
  • スクリーンセーバーのタイムアウト – スクリーンセーバーが自動起動するまでの秒数

以上で設定は完了です。グループポリシーの管理コンソールを閉じ、クライアント側でポリシーを更新(gpupdate /force)しましょう。指定したタイムアウト時間が経過すると、C:\Screen 内の画像を使用する統一された企業向けスライドショースクリーンセーバーが、ドメイン内のすべてのコンピューターで自動的に起動するようになります。

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