Windows 10がスリープモードにならない原因と解決策|究極のトラブルシューティングガイド
以前、Windows 7が正常にスリープモードへ移行しない問題について記事を書きました。最新OSのWindows 10ではこの問題は解決されていると思われがちですが、残念ながらそうではありません。実際には、特定のバージョンのWindows 10で同様の不具合が発生しているようです。
筆者もWindows 10を最新版へアップグレードしたところ、PCがまったくスリープしなくなってしまいました。少し補足しておくと、電源ボタンを押した場合(電源ボタンでスリープするよう設定済み)や、スタートメニューから「スリープ」を選択した場合には、きちんとスリープします。

問題は、「指定時間後に自動的にスリープする」という設定に関わる部分です。30分後にスリープするよう設定していても、実際には決してスリープしません。

この現象の原因は非常に多岐にわたるため、以下の対処法を一つずつ順番に試していく必要があります。設定を変更する前に、まずは電源レポートを生成してみましょう。運が良ければ、スリープを妨げている原因を特定できるかもしれません。
電源レポートを生成して原因を特定する
Windows 10で生成できる電源レポートは、PCのスリープを妨げている要因を教えてくれることがあります。実際に実行してみたところ、有用な情報が得られました。管理者としてコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを入力してください。
powercfg.exe /energy

実行には1分ほどかかり、完了すると検出されたエラーと警告の数が表示されます。Windows 10でスリープ問題が起きているなら、何らかのエラーが見つかるはずです。

ご覧のとおり、筆者の環境では6件のエラーと14件の警告が検出されました。確認すべきは基本的にエラー欄だけです。レポートを閲覧するには、C:\Windows\System32フォルダー内の「energy-report.html」をブラウザーで開きます。ただし、なぜかその場所から直接開くとブラウザーで読み込めなかったため、デスクトップにコピーしてから開いたところ、問題なく表示されました。

最初のエラーこそが、筆者のPCのスリープ問題の原因と思われるものでした。
システム可用性の要求:システム必須要求
デバイスまたはドライバーが、システムの自動スリープ移行を妨げる要求を行っています。
ドライバー名:\FileSystem\srvnet
このレポートが便利なのは、何がスリープを妨げているのか(あるいは妨げていないのか)を明確に示してくれる点です。残りの5つのエラーについては、「スリープを妨げない」とはっきり記載されていました。
以降では、最も一般的なスリープ阻害要因であるSRVNETエラーの修正方法を解説します。ただし、環境によっては下図のようなレポートが出る場合もあります。

この例では複数の問題が見られます。まず、電源接続時にスリープまたは画面オフになるよう設定されていません。次に、セレクティブサスペンド状態に入らないUSBデバイスが存在し、これがPCのスリープを妨げています。
さらに、PCのハードウェアがS3スリープ状態に対応していないという問題もあります。ハードウェア自体がスリープ状態をサポートしていない場合、対処法はBIOSを更新して設定項目が追加されることを期待するしかありません。
ネットワークアダプターの設定を見直す
PCのスリープを妨げるもう一つの大きな要因が、ネットワークカード(NIC)です。まずはネットワークカードのドライバーを最新版に更新し、それで改善するか確認しましょう。改善しない場合は、コントロールパネルを開き、「ネットワークと共有センター」→「アダプターの設定の変更」へと進みます。

有効なネットワークアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択します。アクティブなアダプターが複数ある場合は、以下の手順をすべてのアダプターに対して実行してください。

イーサネットのプロパティ画面上部にある「構成」ボタンをクリックします。

最後に「電源の管理」タブを開き、「コンピューターにこのデバイスの電源をオフさせ、電力を節約する」にチェックが入っていることを確認します。

これにより、スリープ時にネットワークアダプターの電源を切れるようになります。特殊なハードウェアを搭載している場合も、同じ手順で設定を確認しておきましょう。
SRVNETのアクティブなリモート要求を修正する
では、この問題は具体的にどう解決すればよいのでしょうか? 試せる方法はいくつかあります。簡単なものから順に、より技術的な解決策へと進めていきます。各方法を実施したら、その都度スリープするかどうかを確認してください。
方法1:ホームグループから脱退する
まず試したいのは、ホームグループに参加している場合はそこから脱退することです。ホームグループが破損したり誤設定になったりすると、PCが「リモートからのアクティブな要求がある」と誤認し、結果として永遠にスリープしなくなることがあります。

ホームグループから脱退するには、コントロールパネルを開いて「ホームグループ」をクリックし、下部にある「ホームグループからの脱退」リンクを選択します。ホームグループが必要な場合は、一度脱退してから参加している全PCで新しく作り直せば、設定がリセットされ、問題が解消することがあります。なお、ホームグループ機能はWindows 10 バージョン1803以降で廃止されているため、比較的新しい環境ではこの項目は該当しません。
方法2:メディアストリーミングを無効にする
次に試したいのは、メディアストリーミングの無効化です。メディアストリーミングは、PCをローカルメディアサーバーのように動作させ、ネットワーク経由で画像・動画・音楽へのアクセスを許可する機能です。無効にするには、再びコントロールパネルを開き、「ネットワークと共有センター」(カテゴリ表示の場合は「ネットワークとインターネット」)をクリックし、左側の「共有の詳細設定の変更」を選択します。

下へスクロールして「メディアストリーミング」セクションを見つけ、「メディアストリーミング オプションの選択」リンクをクリックします。

右上の「すべてブロック」ボタンをクリックし、下部の「OK」を押せば、メディアストリーミングが無効になります。

PCを再起動し、設定した時間にスリープするかどうかを確認してください。それでも改善しない場合は、このまま読み進めてください!
方法3:デバイスマネージャーでドライバーを確認する
SRVNETドライバーは通常、ネットワーク関連のものです。対象となるのは、前述の2つの方法で無効化を試みたリモートネットワーク接続か、PC本体のネットワークカードのどちらかです。多くのネットワークカードには電源管理機能やWake-on-LAN機能が備わっています。まずは、カードメーカーの公式サイトから最新ドライバーをダウンロードして更新しましょう。
次に「デバイスマネージャー」を開き、「ネットワーク アダプター」を展開して、ネットワークカードを右クリックし「プロパティ」を選択してプロパティ画面を表示します。

変更・確認すべき設定は、2箇所のいずれかにあります。「詳細」タブのプロパティ一覧か、「電源の管理」タブです。「電源の管理」タブが表示されない場合は、「詳細」タブの一覧の中に「省電力モード(Power Saving Mode)」のような項目があるはずです。
「コンピューターにこのデバイスの電源をオフさせ、電力を節約する」にチェックが入っていることを確認してください。また、「このデバイスは、コンピューターのスタンバイ状態を解除できます」にチェックが入っている場合は、チェックを外して問題が解決するか試してみてください。
方法4:SRVNETを上書きする
最後の手段は、OS側でSRVNETを強制的に上書きすることです。こうすると、リモート接続が存在してもそれが無視され、PCはスリープできるようになります。つまり、リモート接続が開いていてもスリープを許可する設定です。
管理者としてコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを入力します。
powercfg /requestsoverride DRIVER srvnet System

他の方法がすべて失敗した場合でも、このコマンドで確実にスリープするようになるはずです。このコマンド自体がPCに問題を引き起こすことは基本的にありませんが、万が一不具合を感じたら、次のコマンドで元に戻せます。
powercfg /requestsoverride DRIVER srvnet
それでもお使いのWindows 10マシンがスリープしない場合は、コメント欄で試した内容と環境構成をぜひ教えてください。このガイドが多くのユーザーの問題解決に役立つことを願っています。それでは、快適なPCライフを!
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