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個人データを守るのに役立つおすすめオープンソースツール5選

「ソフトウェア開発者はみんなユーザーの利益を考えてくれている」——そんな素朴で幸せな世界観は、ここ数年ですっかり崩れてしまいました。無防備に信頼していたデータが、知らないうちに収集・悪用されていたという事例は枚挙にいとまありません。

Windowsによる監視行為、ブラウザによるプライバシー侵害……警戒すべき理由はいくらでもあります。しかし、希望はまだあります。それがオープンソースソフトウェアです。ソースコードが公開されているため、何が行われているのか誰でも検証でき、より安全で透明性のあるインターネットへの道が開けます。

この記事では、個人データを安全に管理・保護するために役立つ、厳選した5つのオープンソースツールを紹介します。

1. Monica — 人間関係を整理するパーソナルCRM

SNSは本来、政府のプロパガンダやプライバシー問題のためのものではなく、友人とのつながりを簡単に保つためのものでした。とはいえ、出会ったすべての人の名前、誕生日、大切な出来事まで覚えておくのは、現実的にはほぼ不可能なタスクです。

企業はこの課題にいち早く気づき、顧客情報を記録してサービス向上につなげるCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフトウェアを生み出しました。では、自分自身の人間関係のために使える「個人向けCRM」があったらどうでしょうか?

Monicaは、まさにそのために設計されたオープンソースのパーソナルCRMです。Webアプリケーションとして提供されており、次のようなことができます。

  • 相手の家族構成などのメモを記録
  • 連絡頻度のトラッキング
  • リマインダーのスケジュール設定
  • 贈り物の履歴管理

ダッシュボードには予定されているイベントやタスクの一覧が表示され、人間関係を常に最新の状態に保てます。さらに、日々の出来事を記録できるジャーナル機能も搭載しており、メンタルヘルスの改善にも役立つとされています。iOS版とAndroid版のアプリも用意されており、外出先からでもデータにアクセス可能です。

自分のデータを外部サーバーに預けることに抵抗があるなら、セルフホストを選ぶこともできます。これこそオープンソースならではの自由度です。

2. OpenSSL — Web暗号化の事実上の標準

2014年以前、SSL(Secure Socket Layer)やTLS(Transport Layer Security)といった言葉は、開発者やセキュリティ業界の外ではほとんど知られていませんでした。ところが、Heartbleedと呼ばれる重大な脆弱性が発見され、一躍注目を浴びることになります。この脆弱性は、OpenSSLを使ってセキュアな接続を提供していたサーバーの約17%に影響を及ぼしました。

Heartbleedはニュースメディアによって大きく取り上げられ、世間に不安を広めましたが、脆弱性は公開されたその日のうちに修正されました。OpenSSLの開発チームはわずか13名(うち10名はボランティア)という小規模ながら、対応速度はあらゆる意味で賞賛に値するものでした。

OpenSSLは1998年、現在は終了したオープンソースプロジェクトSSLeayのフォークとして誕生しました。ささやかな始まりから、今ではWebサーバー暗号化のデファクトスタンダードへと成長しています。ちなみに、Heartbleed発覚後まもなくGoogleはOpenSSLをフォークしてBoringSSLを作りましたが、これは自社利用のためのものであり、一般ユーザーにはOpenSSLの使用を推奨すると明言しています。

3. OnionShare — 匿名性の高いファイル共有

プライバシーを重視する人にとって、大きなファイルをインターネットで送るのは今なお難題です。クラウドストレージのおかげでファイル共有は格段に便利になりましたが、その利便性と引き換えにプライバシーを犠牲にしているケースは少なくありません。追加ソフトなしでファイルを共有できるサービスもありますが、結局はデータを第三者のサーバーにアップロードすることになります。

Takeafileのように第三者サーバーへのアップロード不要でファイル共有できるサービスもありますが、匿名性とセキュリティを最優先するならOnionShareが有力な選択肢です。

OnionShareはオープンソースであり、TORネットワークを利用して安全かつ匿名でファイルを共有できます。Linux、macOS、Windowsに対応しており、起動するとTORネットワーク上に専用のWebサーバーを作成します。

使い方はシンプルです。ウィンドウにファイルをドラッグすると、受信者と共有できる固有の.onion URLが生成されます。ファイルはあなたのコンピューター上でのみホストされるため、データが第三者の手に渡ることはありません。ただし、受信者側はTORブラウザでリンクを開く必要がある点には注意が必要です。その手間を惜しまないのであれば、機密ファイルを秘密裏に送る手段として十分に価値があります。

4. OpenWRT — ルーターを安全にするLinuxファームウェア

2018年5月、CiscoのTalosインテリジェンスグループの研究者たちが、世界中のルーターを標的とするマルウェアの痕跡を発見しました。2018年5月24日時点で、VPNFilterに感染したルーターは50万台を超えると推定されています。このマルウェアは、初期設定のログイン資格情報のまま使われている、多くの人気ルーターのファームウェアを悪用していました。

ルーターがセキュリティリスクになるのは今回が初めてではありませんが、VPNFilterは「ルーターが依然として深刻な脅威となりうる」ことを改めて示しました。その原因の多くはルーターのファームウェアにあります。ISP(インターネットプロバイダ)が開発しているものの、サポートは極めて不十分なことが少なくないのです。

OpenWRTは、ルーターなどの組み込みデバイス向けに開発されたオープンソースのLinuxベースファームウェアです。内蔵のWebインターフェースを備え、多くの市販ルーターファームウェアよりも安定していると評価されています。

ルーターの安定化だけでも十分な魅力ですが、それ以外の機能も見逃せません。

  • ネットワークトラフィックの監視
  • BitTorrentクライアントの実行
  • ネットワーク全体に適用されるVPNの構築

OpenWRTがVPNFilterから明示的に守ってくれるという証拠は現時点ではありませんが、少なくとも初期設定のユーザー名とパスワードを使い続けるリスクからは解放されます。

5. OpenVPN — 定番のオープンソースVPNプロトコル

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、数十年にわたり企業ITシステムの定番技術でした。多くの人が初めてVPNに触れるのは職場だったのではないでしょうか。近年では、検閲への対抗や盗み見からのデータ保護を目的としたプライバシーツールとして広く使われるようになり、無料サービスからプレミアムプロバイダ、Netflix視聴向けVPNまで、新規プロバイダが爆発的に増加しています。

OpenVPNは2002年に最初のリリースが行われた、オープンソースのVPNプロトコルです。Linux、macOS、Windowsといった主要プラットフォームすべてに対応し、AndroidおよびiOS向けモバイルアプリも提供されています。多くのVPNプロバイダが独自アプリを持っていますが、すべてのプラットフォームで利用できるとは限らず、そうした場合の理想的な代替手段となります。仕事用、家庭用など複数のVPN設定を保存し、OpenVPNクライアントから切り替えて接続することも可能です。

OpenVPNはOpenSSLによる256ビット暗号化で通信中のデータを保護します。中国の「グレートファイアウォール」のようなファイアウォール回避はVPNの典型的な用途ですが、OpenVPNはここでも優れた性能を発揮します。データを通常のインターネットトラフィックに見せかけることで、ディープパケットインスペクション(DPI)を回避できるのです。

また、オープンソースであることから、開発者はバグ報告を通じてプロトコルの改善に貢献できます。商用プロジェクトの展開も許容されており、OpenVPN Inc.が開発するPrivate Tunnelなどがその例です。

オープンソースはすべての人のためのもの

監視・精査は重要です。街中で見知らぬ人が「あなたのお金を安全に預かります」と近づいてきても、額面どおりに信じる人はいないでしょう。それなのにテック企業は、「彼らを信用できない」という絶え間ない警告がありながらも、私たちからデータを預かり続けています。

オープンソースソフトウェアは、データに関するすべての問題を解決する万能薬ではありません。しかし、どこに信頼を置くべきかを、より情報に基づいて判断できるようになるという大きな意味があります。

オープンソースムーブメントはファイル共有だけの話ではありません。Linuxは史上最も成功したオープンソースプロジェクトのひとつであり、選べるディストリビューションも豊富にあります。

とはいえ、OSを乗り換えなくても、オープンソースの世界は広がっています。ブラウザ、Windows用ツール、クロスプラットフォームアプリなど、探求すべき世界は無限です。まずはいくつかのアプリを導入するところから始めてみてはいかがでしょうか。物足りなくなったら、いっそ完全なフリー&オープンソースライフに踏み込むのも良いでしょう。

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