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Facebookチャットをオフレコにする方法|OTR暗号化で会話の記録を残さないテクニック

Facebookのチャットは手軽なコミュニケーションツールですが、大きな欠点があります。それは、Facebookがすべての会話記録を保存し続けるという点です。手動で削除しない限り、チャットの内容は何年もサーバー上に残り続けます。

Facebookのような巨大SNSに、チャット記録をオフにする設定や、メッセージが自動的に消える「自己破壊」機能が用意されていないのは、正直なところ不思議であり、懸念すべき点です。かつてのGoogleハングアウトを使ったことがある方なら、「オフレコ(off the record)」機能をご存じでしょう。この機能を使えば、会話の痕跡を一切残さずにチャットできました。この点において、ハングアウトはFacebookに一歩先んじていたと言えます。

チャットの記録を残したくない理由はさまざまですが、最も基本的なのは「プライバシーは基本的人権である」ということです。機密性の高いビジネス情報や親密な個人的な会話が悪意ある第三者の手に渡るのを避けたい、というのもごく自然な考えです。さらに、NSA(米国家安全保障局)のような諜報機関や法執行機関が、Facebookのチャットへ容易にアクセスできる可能性があることを考えれば、記録されないプライベートな会話を実現する方法を知る価値は十分にあるはずです。

残念ながら、Facebookは世界で最も人気のあるソーシャルネットワークであるため、問題への対処法として最も簡単な「使わないこと」は現実的ではありません。しかし、Facebookのデフォルトのチャット記録機能を回避する方法は存在します。

※本記事の内容は公開当時の情報に基づいています。Facebookは2015年にXMPPチャット接続を廃止しており、後述のPidginでの接続方法は現在利用できない可能性があります。各ツールの最新状況は公式サイトでご確認ください。

OTR(Off-the-Record Messaging)とは

解決策となるのが、メッセージを暗号化する無料のサードパーティ製アプリケーションです。これらのアプリは「OTR(Off-the-Record Messaging)」と呼ばれる、インスタントメッセージング向けの暗号プロトコルを採用しています。

OTRプロトコルは会話のプライバシーを守ります。一般的な暗号プロトコルでは、後から通信記録として検証可能なデータが生成されるのに対し、OTRは完全な機密性と「否認可能な暗号化(deniable encryption)」を提供します。つまり、盗み見しようとする第三者は、2者が実際にチャットを行ったことや、具体的に何を話したのかを証明できないのです。この特性は、ジャーナリズムにおける情報源の保護などで非常に重宝してきました。

OTRプロトコルは、複数のアプリケーションでネイティブサポートされているほか、プラグイン経由でも利用できます。

Cryptocatを使う方法

OTRを標準搭載していたアプリケーションのひとつがCryptocatです。オープンソースのクロスプラットフォームアプリで、OTRプロトコルによってIMの会話を強力に暗号化するツールでした。

当時のCryptocatは、Google Chrome、Mozilla Firefox、Apple Safari、Opera、Mac OS X、iPhone向けに提供されており、開発者はKickstarterでAndroid版の開発資金を募っていました。ここではChromeを例に、Facebookでのオフレコ機能を紹介します。セットアップ手順はプラットフォームごとに異なりますが、いずれも簡単です。

まずChromeウェブストアからアプリをインストールします。FacebookでCryptocatを使うには、新しいタブを開き、ブックマークバーの「アプリ」アイコンをクリックします。Cryptocatアイコンをクリックして起動し、「Facebook」タブから「Chat via Facebook」を選択してFacebookアカウントに接続します。

アプリによるFacebookアカウントへのアクセスを許可します。「Skip」をクリックすれば、Cryptocatがあなたの代わりにメッセージを送受信することを防げます。

暗号鍵の生成には少し時間がかかります。接続中に流れ続けるテクノ調の音楽が気になる場合は、あらかじめスピーカーをミュートしておくのがおすすめです。

最後に、Cryptocatを使っているFacebookの友人を探してチャットを開始しましょう。プライベートに話したい相手に、アプリのインストールを招待することもできます。

OTRに対応するその他のアプリとしては、Android・iOS向けのChatSecure、Android向けのXabber、Chrome・Firefox・iOS向けのSafeChatなどがありました。

Pidginプラグインを使う方法

PidginはWindowsとLinux向けの人気インターネットメッセージングクライアントで、複数のIMサービスをひとつのクライアントにまとめて管理できます。チャットを暗号化するためのプラグインとしても、最も手軽に使えるもののひとつです。

Pidginをダウンロードしてインストーラーを実行します。次に、会話を暗号化してセキュリティを確保するための「Off-the-Record」プラグインをcypherpunks.caからダウンロードし、コンピュータにインストールします。Pidginを初めて起動すると、以下のような画面が表示されます。

「Add」をクリックすると新しいウィンドウが開きます。「Login Options」のProtocolメニューから「Facebook (XMPP)」を選択し、Facebookのユーザー名とパスワードを入力します。リソース欄には「Pidgin」と入力するか、空欄のままにします。

続いて「Advanced」タブを開き、「Connect Server」フィールドに「chat.facebook.com」と入力します。

「Add」をクリックしてセットアップを完了します。Facebookチャットに接続され、Facebookの友達全員が表示されたBuddyリストが現れるはずです。

次に「Tools」メニューから「Plugins」を開き、一覧の中から「Off-the-Record Messaging」を有効にして「Configure Plugin」をクリックします。「Enable Private Messaging」「Automatically Initiate Private Messaging」「Don't Log OTR Conversations」の3項目にチェックが入っていることを確認してください。

これで完了です。同じくOTRプラグインを使っているFacebookの友達と、プライベートにチャットできるようになりました。非公開の会話を始めるには、友達の名前をダブルクリックし、「Not private」をクリックして「Start private conversation」を選択します。

Pidginが安全な通信チャネルを確立します。相手の本人確認には「フィンガープリント」を使用します。フィンガープリントとは40文字の英数字で構成される文字列で、これにより通信相手のOTRユーザーの同一性を検証できます。

まとめ

こうしたアプリを活用すれば、Facebookに分かるのは「誰と」「いつ」チャットしたかという情報だけで、会話の内容を解読したり保存したりすることはできません。ただし、暗号化ソフトは万能薬ではない点に注意が必要です。暗号化チャットはFacebookによるチャットの保存を防げますが、だからといってどんなソフトウェアにも全面的に依存してはいけません。

Facebookにチャットを保存させない他の方法をご存じですか? これらのアプリを使った経験はありますか?ぜひコメント欄であなたの知見を共有してください。

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