プライバシー重視の新検索エンジン「Brave Search」の特徴と魅力を徹底解説
Brave(ブレイブ)は、Chromiumプロジェクトをベースとしたオープンソースのブラウザです。RAMを大量に消費することで知られるChromeとは異なり、Braveは優れたパフォーマンスと快適なブラウジング速度を実現しています。そしてBraveは、プライバシーと匿名性を重視するブラウザとして一躍有名になりました。
2021年6月、同社はプライバシーを最優先とする独自の検索エンジンのベータ版を公開しました。本記事では、Brave Searchについて知っておくべきポイントをすべてご紹介します。
Brave Searchを他社と差別化する主な特徴
Brave Searchは、同社がTailcatを買収した2021年3月に発表されました。Brave NewsやBrave Adsなど、プライバシー重視のサービス群に加わった最新のプロダクトです。
現在ではBrave Searchが正式にローンチされ、競合サービスとの違いが明確になってきました。ここからは、Brave Searchの主な差別化ポイントと主要機能を詳しく見ていきましょう。
1. 完全に独立した独自インデックス
BraveとGoogleなどの他の検索エンジンの最大の違いは、独立したウェブインデックスを使用している点にあります。Googleは新しいページを発見すると、クローラーがページの内容を解析し、コンテンツ・画像・動画ファイルのすべてを自社のデータベースに保存します。
一方、Braveの最大のライバルであるDuckDuckGoは独自のインデックスを持っておらず、Bingなどの外部インデックスから検索結果を取得しています。
Brave Searchで表示される結果は、Brave自身のクローラーがインデックス化したものです。ただし、一部のキーワードで関連性の高い結果を取得できない場合は、他のインデックスから情報を補完することがあります。これは「フォールバックミキシング」と呼ばれる仕組みで、設定でオフにすることも可能です。
また、検索結果がどの程度独立しているかをユーザーが把握できるよう、「検索結果の独立性」という新しい指標も追加されており、検索ページから確認できます。
同社は、ブラウザの人気が高まり続ける中で、Brave Searchをデフォルトの検索エンジンとして定着させることを目指しています。
2. プライバシーファーストのアプローチ
ユーザーがBraveのような検索エンジンへ移行する大きな理由の一つが、プライバシーファーストの姿勢です。ビッグテックへの不信感から代替手段を求めるインターネットユーザーが増えており、Braveのようなブラウザはデジタルフィンガープリント(行動痕跡)をより適切に管理する手段を提供してくれます。
GoogleやFacebookのような企業は、コアとなる製品を無料で提供する代わりに、ユーザーデータを収集して第三者に販売し、広告主がターゲット層を絞り込めるようデジタルプロファイルを作成しています。実際、Googleがスマートフォンメーカーに対し、プライバシー設定を見えにくくするよう圧力をかけていたことも判明しています。
その点、Brave Searchはユーザーの追跡やプロファイリングを行いません。コミュニティ駆動型のインデックスを基盤としながら、完全に匿名の検索体験を提供します。同社はプライバシーと透明性への取り組みについて、非常に積極的に情報発信を行っています。
クリック履歴、位置情報、デバイス情報など、許可さえ与えればあらゆるデータを追跡するGoogleとは対照的に、Brave Searchはユーザーのデータを一切収集しません。利用は無料で、今後は広告付きのバージョンもリリースされる予定です。
この広告モデルでは、同社の機械学習広告プラットフォーム「Brave Ads」を通じて広告を配信し、得られた収益の70%をユーザーに還元します。将来的には、広告なしのプレミアム版も提供される見込みです。
3. 独自アルゴリズム「Goggles」の活用
Brave Searchチームは、検索結果の偏り(バイアス)を軽減するために設計された独自アルゴリズム「Goggles(ゴーグルズ)」の概念をまとめたホワイトペーパー(PDF)を公開しています。Gogglesは、コミュニティがキュレーションするオープンなランキングモデルを活用し、アルゴリズム内のバイアスを低減します。
その仕組みの本質は、検索エンジンが結果を抽出する対象範囲を定義するための「ルールとフィルターのセット」です。たとえば、コミュニティやユーザーは次のようなGogglesを作成できます。
- 商用意図のない製品レビュー:価格比較やアフィリエイトリンクを含まないレビューサイトを優先的に表示。ECサイトはすべて除外されます。
- テックブログ:コミュニティが推薦した企業公式ブログや個人技術ブログのみを表示します。
- 独立系メディア:ユーザーの検索地域に応じて、大手メディアよりも小規模な独立系メディアを上位に表示します。
さらに注目すべきは、Gogglesが他の検索エンジンでも利用可能になる予定だという点です。匿名化されたこれらの貢献が蓄積されることで、検索結果は継続的に改善され、より関連性の高いものになっていきます。
4. 洗練された検索体験
Brave Searchは、検索体験を向上させる多彩なオプションも備えています。たとえば、ライトモードとダークモードの切り替えに対応しており(Googleのダークモードはまだベータ段階)、測定単位の表示方法も選択できます。
メートル法(メートル・摂氏・グラム)とヤード・ポンド法(フィート・華氏・ポンド)のどちらでも設定可能です。また、検索結果のリンクを別タブで開くかどうかも指定できます。
Brave Searchは位置情報にアクセスしません。ただし、地域に密着した検索結果が必要な場合は、「匿名のローカル検索結果」オプションを有効にできます。この場合、検索エンジンはIPアドレスを使用しますが、安易に公開するのではなく、以下のような工夫を凝らした方法で関連結果を表示します。
- IPアドレスを正確に特定せず、より広範でおおよその地域から結果を返します。
- IPアドレスは保存されず、検索クエリの処理にのみ使用されます。
- 手動で位置情報を設定し、特定の地域に関連する結果を表示することも可能です。
プライバシーはますます重要な時代へ
世界全体が、GoogleやFacebookのような企業がどれほど膨大な個人データを収集しているのかを認識し始めています。Brave Searchは、モバイルでもPCでも匿名の検索体験を提供し、すべてのプラットフォーム間でシームレスに同期できます。
さらに、同社の「Brave Rewards」プログラムは大きな成功を収めており、Brave Searchとも連携予定です。プラットフォーム上で広告の閲覧を選択したユーザーには、BAT(Basic Attention Token)による報酬が支払われます。プライバシーを守りながら、むしろ利益を得られる——そんな新しい検索の形が、Brave Searchによって実現されようとしています。
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