IBMが実現した原子レベルのストレージ技術――私たちにとって何を意味するのか
2017年3月8日、IBMはストレージ分野における画期的な進展を発表しました。その内容とは、わずか1個の原子に情報を記録できるという技術です。
具体的に言うと、従来型の磁気ハードディスクにおいて、1個の原子で「1」または「0」というデジタルデータを読み書きできることを意味します。これまで同じ情報量を保存するには数十万個もの原子が必要でした。つまり、現在お使いのハードディスクも、この従来方式によって動作している可能性が高いのです。
ただし、研究者自身によると、この驚異的な技術を実現するには極めて特殊な環境・条件が必要となるため、消費者向け製品に原子単位のストレージが搭載されるのは、まだ当分先の話になりそうです。
これは私たちにとって何を意味するのか?
一般消費者にとって本当に重要なのは、「技術的に可能な限界」が押し広げられたという点です。次世代のストレージ製品にこの技術が直接搭載されることはないでしょうが、世界中のメーカーやエンジニアは、この研究成果を足がかりに、現在よりも小型で大容量のストレージ開発に向けた実験や研究を加速させることができます。
技術の限界が押し広げられるたびに、消費者市場には新たな可能性が広がってきました。現時点で、一般向けの大型ハードディスクの容量上限は10TBです。またローエンドでは、3TBのHDDが5年前の1TBドライブとほぼ同等の価格で手に入るようになっています。
1原子あたりのHDDストレージという新たな理論的限界が見えてきた今、数年後、私たちのストレージ環境はどこまで進化しているのでしょうか。今後の技術発展から目が離せません。
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