Firefox Quantumを高速化する12の実践テクニック

Firefox 57以降、Mozillaのブラウザは大規模な変更を重ね、内部・外部の両方の機能が見直され、かつてないほど高速に動作するようになりました。現在「Firefox Quantum」と呼ばれるこのブラウザは、人気の面ではまだ及ばなくても、速度においてはChromeに追いつく可能性を手に入れました。
しかしQuantumへの移行に伴い、以前の定番だった高速化テクニックの多くが使えなくなってしまいました(パイプライン機能との別れです)。幸い、それらに代わる新しいTipsが数多く存在します。本記事ではその全てをご紹介します。
1. マルチプロセス機能を無効にする
Firefox Quantumは、Chromeのようにマルチプロセス化することでブラウジング速度を向上させる目的で設計されました。多くのユーザーには効果がありましたが、中には大型アップデート後にむしろ遅くなったと感じる人もいます。
これは、お使いのPCがマルチプロセスウィンドウの負荷にうまく対応できていないことが原因かもしれません。その場合は、この機能を無効にすることができます。
Firefoxのアドレスバーに「about:config」と入力してアクセスし、browser.tabs.remote.autostartという設定項目を検索します。該当項目を右クリックして「False」に切り替えてください。

2. コンテンツプロセス数を調整する
2017年11月にマルチプロセス版Firefoxが導入されて以来、コンテンツプロセスの既定値は4に引き上げられましたが、高性能なPCであれば最大7まで増やすことができます。逆に古いPCをお使いの場合は、数値を減らした方が快適になるかもしれません。手順は以下の通りです。
1. Firefoxの設定を開きます。
2. 「パフォーマンス」の項目までスクロールします。
3. 「推奨のパフォーマンス設定を使用」のチェックを外し、ドロップダウンメニューでコンテンツプロセス数を最大7から最小1の間で調整します。

クラッシュや不安定な動作が発生した場合は、速度と安定性のバランスが取れる数値が見つかるまで調整してみてください。
3. スクロールを高速化する

オンラインで長文のドキュメントを読むことが多い方なら、ページのスクロールがもどかしく感じたことがあるでしょう。ブラウザが物理的なスクロール速度についていけず、硬直的なスクロール設定に縛られてしまうからです。
そこで役立つのが「Yet Another Smooth Scrolling WE(YASS)」。Quantum対応の拡張機能で、自分の速度に合わせてスクロールを細かく調整できます。スクロールの滑らかさやステップサイズを変更できるほか、特に長いWebページで重要なのが移動距離に応じた加速機能。スクロールすればするほど速くスクロールできるようになります。
多少のカスタマイズが必要ですが、きちんと設定すればスクロール速度は格段に向上します。
4. Auto Tab Discardでタブを自動休止
FirefoxがQuantumになって以来、便利だったアドオンの多くが役目を終えましたが、新しいブラウザへ素早く対応したのが「Auto Tab Discard」です。
このアドオンは、開いたままにしているタブを自動的に休止させるルールを設定できます。タブを閉じてしまうのではなく、使用していない間に貴重なメモリを占有しないよう一時停止するだけです。常にアクティブにしておきたいタブがある場合は、ホワイトリストに登録して対象外にすることも可能です。

Auto Tab Discardを使うには、まずFirefoxに追加し、「設定→アドオン→拡張機能」から拡張機能の各種設定画面へ進んでください。
5. アクセシビリティサービスを無効にする
Firefox Quantumで深刻な動作低下が発生したという報告が多数寄せられています。症状はメモリリーク、クラッシュ、軽度のもっさり感など様々です。一部のケース(すべてではありません)では、Firefoxのアクセシビリティサービスに関するバグが原因である可能性があります。
対処法は、スクリーンリーダーや点字表示機能などを含むアクセシビリティサービスを無効にすることです。(もちろん、こうした機能に依存しているユーザーは、問題が解決されるまで別のブラウザの利用を検討してください。)

Firefoxのアクセシビリティ機能をオフにするには、「設定→プライバシーとセキュリティ」を開き、「アクセシビリティサービスによるブラウザーへのアクセスを拒否する」というチェックボックスにチェックを入れます。
6. 低解像度モードでFirefoxを起動する(Mac)
こちらはMacユーザー向けの方法です。AppleのRetinaディスプレイが生み出す超精細な高解像度画像は、Firefoxとの相性があまり良くなく、本来あるべき速度でブラウジングできないケースがあります。
暫定的な対策として、Firefox Quantumを低解像度モードで使用する方法があります(もちろん長期的な解決策としては理想的ではありません)。
手順は、Firefoxのアプリケーションアイコンを右クリックして「情報を見る」を選択します。情報ウィンドウで「低解像度で開く」にチェックを入れると、Firefoxが低解像度で起動します。チェックを外すまで低解像度で起動し続けます。
7. トラッキング保護を切り替えてみる
理論上、トラッキング保護はブラウジングを速くするはずの機能です。トラッキングスクリプトやサードパーティコンテンツに大きく依存するサイトから、そうしたコンテンツの読み込みを防ぐ仕組みだからです。ある調査によると(注:この調査は元Mozillaソフトウェアエンジニアによって実施されたものです)、サイトの依存度にもよりますが、トラッキング保護を有効にすることで読み込みが20〜90%速くなることが期待できます。

ところがFirefox Quantumでは、逆の効果を報告するユーザーもいます。彼らの場合、トラッキング保護を「オフ」にしたことでブラウザが速くなったのです。
そのため、実際に切り替えてみて、どちらが自分の環境に合っているか確かめるのが一番です。Firefoxの設定を開き、左側の「プライバシーとセキュリティ」をクリック、「トラッキング保護」までスクロールして適宜切り替えましょう。
8. ハードウェアアクセラレーションを切り替える
環境によっては、ハードウェアアクセラレーションの有効/無効を切り替えると効果的です。この設定により、Firefox QuantumがGPUを使ってブラウジングを高速化するかどうかが決まります。
一般的に、比較的新しいPC(特に専用GPU搭載機)なら、ハードウェアアクセラレーションをオンにするのがおすすめです。一方、専用グラフィックカードを搭載していない古いマシンの場合、GPUの性能が不足していて処理しきれず、かえってブラウジングが遅くなる可能性があります。

Firefoxのメニューアイコンをクリックして「設定」を開き、「一般」の項目にある「推奨のパフォーマンス設定を使用」のチェックを外します。その上で、環境に応じて「ハードウェアアクセラレーションを使用する」のチェックボックスをオン/オフしてください。
9. Adblockの代わりにuBlock Originを使う
Adblockは広告ブロック系アドオンの中で最も人気がありますが、それが全員にとって最善とは限りません。PCのスペックが高くない場合、Adblockはメモリ使用効率があまり良くないため、Firefoxのパフォーマンスを低下させている恐れがあります。

uBlock Originが長年有力な代替手段として支持されてきたのは、まさにCPUとメモリリソースの管理が優れており、Firefoxへの負担を減らして快適な動作を助けてくれるからです。広告ブロック性能も申し分なく、心配はいりません。
10. メモリを解放する
Firefoxを使い続けているうちに動作が遅くなってきたと感じたら、メモリを解放して速度を取り戻せます。アドレスバーにabout:memoryと入力してEnterキーを押し、次のページで「Free memory(メモリを解放)」の下にある「Minimize memory usage(メモリ使用量を最小化)」をクリックしてください。

11. Firefoxのアニメーションを無効にする
Windows PCのアニメーションを無効にして高速化できるのと同じように、Firefoxのアニメーションをオフにすることでも軽量化できます。アドレスバーにabout:configと入力してEnterキーを押してください。

次に上部の検索バーに「animate」と入力し、表示されたすべての項目の値を「False」に設定します。これでブラウジングは快適になりますが、ブラウザの見た目を魅力的にする滑らかなアニメーションはすべて失われる点に注意しましょう。
12. Firefoxをリフレッシュする
ここまでの調整でも改善しない場合や、長期間の使用によりFirefoxが不安定になっている(クラッシュを含む)場合は、リフレッシュが有効な解決策になります。リフレッシュを実行すると、すべての設定が初期状態に戻り、サードパーティのデータ(アドオンなど)が削除されます。アドレスバーにabout:supportと入力してEnterキーを押し、右側の「Firefoxをリフレッシュ」ボタンをクリックして、確認ダイアログを承認してください。

ご安心ください。ブラウザ履歴、パスワード、Cookie、ブックマーク、自動入力データなどの個人データは削除されません。
まとめ
以上のTipsを活用すれば、Firefoxのブラウジング体験をさらに快適にできます。Firefoxが正常に動作している場合でも、さらなる高速化が期待できるものが含まれていますので、ぜひ試してみてください。なお、「about:config」の設定変更がブラウジング体験に悪影響を与える場合は、すぐに変更を元に戻し、コメント欄でお知らせいただければ他のユーザーの参考になります。
※本記事は2016年6月に初公開され、2018年9月にFirefox Quantumの変更点を反映して更新・書き直されました。
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