ソニー「True RGB」テクノロジー徹底解説――色と明るさでOLEDをも超える新世代テレビ
長年の開発を経て、ソニーがついにテレビ技術における最新の進化をお披露目しました。その技術の名は「True RGB」。今年の春以降に登場する新型ソニーテレビに搭載されます。True RGBは、従来のMini LEDやQLEDテレビに対して画質面で大幅な向上をもたらすとされ、OLEDに対しても、特に色と明るさの分野で優位性を主張しています。
True RGBの中核を担うのは、赤・緑・青のLEDを使用した高度なバックライトシステムです。白色や青色の光のみに頼る一般的なテレビと比べ、より広く、より純粋で、より明るい色域を実現します。ただし、RGBバックライトをディスプレイに採用するのはソニーだけではありません。Samsung、Hisense、TCL、LGといったライバル各社も、今年こぞって独自のRGB技術を投入してきます。
では、True RGBの何が特別なのでしょうか。その答えを探るため、ソニーは記者団を東京本社に招きました。筆者もその一人として、競合のRGBテレビとの比較デモを含む新技術のお披露目を真っ先に目撃しました。目の当たりにした映像には圧倒され、すぐにもっと見たいと思わずにはいられませんでした。ここでは、True RGBが他社と一線を画す理由と、2026年のハイエンドテレビ技術の最有力候補となりうる理由を解説します。
色と明るさで大きな飛躍を遂げるTrue RGB
その名の通り、True RGBはRGBバックライト方式テレビにおけるソニーの独自解釈です。他社もすでに、あるいは年内に独自のRGB製品を投入予定であり、紛らわしいブランド名が乱立しています。
たとえば、Samsungは自社のRGBテレビを「Micro RGB」と呼び、Hisenseは「RGB Mini LED」という名称を使っています。各社でRGBバックライトの実装方法が異なるため、すべてのRGBテレビが同じというわけではありません。しかし根本的なコンセプトは共通しています。従来のように青色または白色のバックライトにカラーフィルターを組み合わせて色を作るのではなく、赤・緑・青のダイオードを備えたバックライトにより、光そのものが色を生み出すのです。
この仕組みにより、RGBバックライト搭載テレビは、一般的なQLED、Mini LED、OLEDテレビよりもはるかに広い色域を表現できます。これを実証するため、ソニーは2025年フラッグシップ機であるBravia 9(Mini LED)とTrue RGBテレビを並べたデモを用意。両機ともバックライト部分を露出した状態で展示され、LEDがリアルタイムに映像を作り出す様子を目視できました。
予想通り、Bravia 9の発光は青色に限られていましたが、True RGBテレビはバックライトだけで色を作り出せました。さらに両機とも完成品の状態でも展示され、最終的な映像の仕上がりを確認できました。鮮やかな映像リールを再生したところ、Bravia 9も十分美しかったものの、True RGBテレビの色はより大胆で、より明るく、より純粋で、実物に近い色合いに見えました。Bravia 9は今なおソニー史上最高級のテレビの一つであり、市場全体でも屈指の名機であることを考えれば、これは決して小さな成果ではありません。
また、このデモでのTrue RGBテレビのバックライトの明るさも特筆に値します。あまりの明るさに、ソニーは来場者向けにサングラスまで用意していたほどです。やや演出過多な気もしますが、実際に役立つ場面がありました。
競合に対する優位性を狙うソニーの独自アプローチ
各社が乱立させるRGB関連の名称を考えると、ソニーが正式名称に「True RGB」を選んだことには意味があります。同社がTrue RGBを、ライバルにはない価値を提供する技術として位置づけようとしているのは明らかです。これを示すため、ソニーはTrue RGBテレビと、RGB Mini LEDやMicro RGBパネルを採用する競合複数機との比較デモを実施しました。
こうした比較は目を見張ることもありますが、ある程度の懐疑心を持って見るべきでもあります。比較素材を選んだのはソニー自身であり、True RGBが最も有利に見える内容が選ばれている可能性があるからです。とはいえ、ソニーは各テレビの設定について透明性を保ち、リクエストに応じて設定を変更し、結果への影響を確認することさえ許可してくれました。筆者も以前、RGB Mini LEDとLG OLEDを対決させる比較を見たことがありますが、今回と似た傾向が示されていました。
比較では、ソニーTrue RGBテレビと2機種のRGB Mini LED競合機の画面右上隅が拡大表示され、露出したバックライトの動作を確認できる一方、画面の残りの部分には通常の映像が表示されました。これにより、さまざまな色や映像クリップを表示しながらバックライトの挙動を観察できました。
異なる色のテストパターンが全画面に表示されました。フルサイズのパターンでは、すべてのテレビがRGB LEDで光を生み出しました。しかし、テストパターンを縮小すると、RGB Mini LEDテレビの1機種はRGBではなく白色バックライトへ切り替わりました。実際のコンテンツクリップに切り替えた際にも同様の挙動が見られました。問題の競合機はRGB LEDを搭載していながら、常に使っているわけではないのです。一方、True RGBテレビが白色バックライトに戻ることは一度もありませんでした。
実際のコンテンツ視聴時、True RGBテレビはこの競合機に対し、色の純度と鮮やかさで明確な優位性を示しました。RGB Mini LEDテレビがこのような挙動を示す理由としては、「クロストーク」と呼ばれる問題の防止が考えられます。RGB Mini LEDは光そのもので色を作るため、その色が時に滲んで、本来意図しない画面領域に漏れ出すことがあります。たとえば、白背景に赤い車を表示する場合、赤い光が白い領域に漏れ出し、白が赤みを帯びてしまうかもしれません。テレビ側が表示中のシーンをRGB LEDで処理するには難しすぎると判断すると、白色や青色の光へ切り替える可能性があるのです。
これを回避するため、ソニーはLED密度を考慮してTrue RGBバックライトを綿密に設計し、独自の高度なアルゴリズムによって各LEDの調光を制御し、最適化された映像を生み出します。このバックライト駆動技術は、ハリウッド作品のマスタリングに使われるソニー製プロ向け放送用モニターからフィードバックされたものです。筆者が目にした比較からすると、この制御プロセスは確かに競合より一段上でした。
実際のコンテンツでクロストークを示すため、多彩な色の背景の前に立つ女性が登場する映画のシーンが使用されました。True RGBテレビでは女性の肌色が正しく再現され続けましたが、一部のRGB Mini LED機では背景の色が顔に微妙に滲みました。競合機での劣化はひどいものではありませんでしたが、最も上手く処理したのはTrue RGBでした。
その他のシーンでは、視野角、コントラスト、黒レベルにおけるTrue RGBバックライトの利点が紹介されました。ここでもTrue RGBテレビは競合を上回り、斜めからの視聴でも色とコントラストの劣化や歪みが少ない印象でした。ただし、この点においてもTrue RGBテレビはOLED技術には完全には及ばず、あるテストシーンではキャラクターの顔周辺に軽い光漏れを確認しました。
一方、明るさについては、筆者がOLEDで見たどの映像よりも大きく上回っていました。夕日のシーンで明るさが披露され、太陽のハイライトは会場にあった競合機よりも明らかに迫力がありました。True RGBテレビの輝度は、OLEDが出力できる水準をも超えていたのです。
True RGB搭載ブラビアは今年登場
ソニーは過去にもRGBテレビ技術のプロトタイプを披露してきましたが、True RGBはもはや構想段階や遠い将来の予告ではありません。True RGBテレビは実際に今年、しかも間もなく登場します。詳細な発売時期は未発表ですが、ソニーによれば、True RGBを採用した最初のBraviaテレビが今春登場予定とのことです。
これまでに見た限り、筆者はTrue RGBとのさらなる検証時間を楽しみにしており、実際の製品が市場最高峰のテレビとどう渡り合うのか見届けるのが待ちきれません。もちろん、目にしたデモで分かることには限界があります。特に、比較に使われた競合機が具体的にどのモデルだったのかは明らかになっていません。それでも、目にした映像はTrue RGBテレビ技術への素晴らしい第一印象を残し、確実にさらなる情報への期待を高めてくれました。
実際のTrue RGBテレビに関する詳細の続報が待ち遠しいところですが、現時点ではソニーの公式サイトから最新情報の通知を受け取ることができます。
著者について
スティーブン・コーエン(Steven Cohen)氏はBusiness Insiderレビューチームのシニアテック編集者。テレビ、サウンドバー、スピーカー、ヘッドホン、ストリーミングデバイスなどホームエンターテインメント製品のレビューと購入ガイドを統括しています。2019年にBusiness Insiderへ入社し、2022年から現職。それ以前はHigh-Def Digestのギア編集者を務め、400本以上の映画・TV番組の批評経験を持ちます。2018年には年間最優秀テレビを決める「TV Shootout」の審査員も担当しました。
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