C++でUnion-Findを使って遺伝子の突然変異グループ総数を求める方法
問題概要
同じ長さの文字列リスト genes があるとします。各要素は A、C、G、T のいずれかの文字のみで構成されており、次のルールが成り立ちます。
- 2つの文字列 s1 と s2 がちょうど1文字だけ異なる場合、s1 と s2 は同じ突然変異グループに属します。
- s1 と s2 が同じグループに属し、s2 と s3 が同じグループに属するならば、s1 と s3 も同じグループに属します(推移性)。
このとき、生成できる突然変異グループの総数を求めるのが目的です。
具体例
たとえば、入力が genes = ["ACGT", "ACGC", "ACTT", "TTTT", "TGTT"] の場合、出力は 2 になります。これは、次の2つの突然変異グループが存在するためです。
- ["ACGT", "ACGC", "ACTT"]
- ["TTTT", "TGTT"]
解法のアプローチ:Union-Find(素集合データ構造)
この問題は、Union-Find(Disjoint Set Union)を用いることで効率的に解けます。ポイントは、すべてのペアを比較する代わりに、「各文字列から1文字だけ変えた候補」を列挙し、それがリスト内に存在するかを高速に判定する点です。
- parent マップの定義: 各文字列の親ノードを記録するマップ
parentを用意します。 - getPar() 関数: 経路圧縮を行いながら、ある要素の根(グループの代表元)を再帰的に求めます。
- unite() 関数: 2つの要素が属する集合を統合します。統合が行われた場合は true、すでに同じ集合だった場合は false を返します。
- ok() 関数: 2つの文字列を比較し、異なる文字がちょうど1個であるかどうかを判定します。
- メイン処理(solve):
- まず配列 v をソートし、
setを作成して O(log N) での存在判定を可能にします。 retの初期値は v のサイズ(初期状態ではすべての文字列が独立したグループ)です。- 各文字列の各位置 j に対して、その文字を A / C / G / T の残り3文字に置き換えた文字列 temp を生成し、temp が set 内に存在すれば
unite()で統合します。統合に成功するたびにretを1減らします。
- まず配列 v をソートし、
最終的な ret が、求める突然変異グループの総数になります。
C++での実装例
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class Solution {
public:
map<string, string> parent;
string getPar(string& a){
if(parent[a] == a)
return a;
return parent[a] = getPar(parent[a]);
}
bool unite(string& a, string& b){
string parA = getPar(a);
string parB = getPar(b);
if(parA != parB){
parent[parA] = parB;
return true;
}
return false;
}
bool ok(string &a, string& b){
int cnt = 0;
for(int i = 0; i < a.size(); i++){
cnt += a[i] != b[i];
}
return cnt == 1;
}
int solve(vector<string> v) {
sort(v.begin(), v.end());
set<string> s(v.begin(), v.end());
int ret = v.size();
for(auto& it : v){
parent[it] = it;
}
for(auto& it : v){
for(int j = 0; j < it.size(); j++){
string temp = it;
for(char x : {'A', 'C', 'G', 'T'}){
if(x != it[j]){
temp[j] = x;
if(s.count(temp)){
if(unite(temp, it)) ret--;
}
}
}
}
}
return ret;
}
};
int main(){
vector<string> v = {"ACGT", "ACGC", "ACTT", "TTTT", "TGTT"};
Solution ob;
cout << ob.solve(v);
}
入力
{"ACGT", "ACGC", "ACTT", "TTTT", "TGTT"}
出力
2
計算量の目安
N を文字列の個数、L を文字列の長さとすると、各文字列につき L × 3 個の候補を生成し、それぞれについて set への存在判定(O(log N))と Union-Find 操作(ほぼ定数時間)を行います。したがって全体の時間計算量は O(N × L × log N)、空間計算量は O(N × L) となります。全ペアを直接比較する O(N² × L) の手法に比べ、N が大きい場合に大きく高速化できる点がこの手法の利点です。
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