WebガーデンとWebファームの違いをわかりやすく解説|論理・物理スケーラビリティの観点から
Webアプリケーションの利用者数やトラフィックが増加すると、それに耐えうる「スケーラビリティ(拡張性)」の確保が不可欠になります。その代表的なホスティング構成として知られているのが「Webガーデン(Web Garden)」と「Webファーム(Web Farm)」です。一見似た仕組みに思えますが、両者はまったく異なるアプローチで負荷分散と拡張性を実現しています。本記事では、それぞれの特徴と違いを詳しく解説します。
Webガーデンとは?
Webガーデンとは、1台のサーバー上で複数の「プロセス」を動作させるWebホスティング構成のことです。単一のサーバーマシン内で複数のワーカープロセスが並行してリクエストを処理することで、Webアプリケーションに論理的なスケーラビリティ(logical scalability)をもたらします。
Webガーデンの主な特徴
- ハードウェア(サーバー)は1台のみで構成される
- 複数プロセスによりCPUコアやメモリを効率的に活用できる
- あるプロセスに障害が発生しても、他のプロセスが処理を引き継げる
Webファームとは?
一方、Webファームとは、複数台の「コンピューター(サーバー)」で構成されるWebホスティングシステムです。Webガーデンが「1台のサーバー内」でスケールするのに対し、Webファームは「複数のサーバー間」で負荷を分散させる点が大きく異なります。これにより、Webアプリケーションは物理的なスケーラビリティ(physical scalability)を獲得できます。
ロードバランサーの役割
Webファームの構築には、一般的にロードバランサー(Load Balancer)と呼ばれる専用の仕組みが用いられます。ロードバランサーは、クライアントから送られてくる大量のリクエストを各サーバーへ適切に振り分けるだけでなく、各サーバーの稼働状態(ヘルスチェック)を常時監視し、障害が発生したサーバーへの振り分けを回避する役割も担っています。
WebガーデンとWebファームの違いまとめ
| 比較項目 | Webガーデン | Webファーム |
|---|---|---|
| 構成単位 | 複数の「プロセス」 | 複数の「コンピューター(サーバー)」 |
| サーバー台数 | 1台 | 複数台 |
| 実現するスケーラビリティ | 論理的スケーラビリティ | 物理的スケーラビリティ |
| 負荷分散の方法 | 同一サーバー内でのプロセス分散 | ロードバランサーによるサーバー間分散 |
まとめ
Webガーデンは「1台のサーバー × 複数プロセス」によって論理的な拡張性を実現する構成であり、Webファームは「複数台のサーバー + ロードバランサー」によって物理的な拡張性を実現する構成です。中程度の負荷であればWebガーデンでも十分対応できますが、高可用性や大規模トラフィックへの対応が求められる場合はWebファームが適しています。システムの規模や要件に応じて、最適なホスティング構成を選択しましょう。
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