【NumPy】flatten()とravel()の違いを徹底解説!ビューとコピーの挙動・速度の違いを比較
NumPyでは、リストやタプルなどさまざまなデータから配列を作成できます。そして、多次元のndarrayを1次元配列へ変換する方法として、flatten()メソッドとravel()メソッドの2種類が用意されています。
一見すると両者はまったく同じ働きをするように見えますが、内部の動作には重要な違いがあります。この記事では、その違いをサンプルコードとともにわかりやすく解説します。
基本的な使い方
まずは、それぞれのメソッドを実際に使ってみましょう。
import numpy as np # リストから配列を作成 arr = np.array([(2, 7, 3, 4), (5, 6, 9, 1)]) # flatten() の出力 print(arr.flatten()) # ravel() の出力 print(arr.ravel())
実行結果
[2 7 3 4 5 6 9 1] [2 7 3 4 5 6 9 1]
ご覧のとおり、どちらのメソッドも同じ結果を返します。では、なぜ同じ目的のために2つのメソッドが存在するのでしょうか。その鍵となるのが、元の配列のコピーを返すか、ビュー(参照)を返すかという点です。
ravel() の特徴
- 元の配列のビュー(参照)を返します。
- 返された配列を変更すると、元の配列(arr)の値も連動して変わります。
- 新しいメモリをほとんど確保しないため、flatten()よりも高速に動作します。
- ndarrayのメソッドとしてだけでなく、np.ravel()というライブラリレベルの関数としても利用できます。
※ただし、元の配列がメモリ上で連続していない場合など、ビューを作成できないケースではコピーが返されることもあります。
flatten() の特徴
- 元の配列のコピーを返します。
- 返された配列を変更しても、元の配列(arr)の値は変わりません。
- コピーのために新たなメモリを確保するため、ravel()よりわずかに遅くなります。
- ndarrayオブジェクト専用のメソッドとして提供されています。
挙動の違いを確認するサンプルコード
次のコードで、ravel()とflatten()の違いを実際に確認してみます。
import numpy as np
# NumPy配列 arr を作成
arr = np.array([(1, 2, 3, 4), (3, 1, 4, 2)])
# 元の配列を表示
print('元の配列:')
print(arr)
# 次元数と型を確認(次元数=2、型はnumpy.ndarray)
print('次元数:', arr.ndim)
print('型:', type(arr))
print('--- ravel() の場合 ---')
# ndarray を 1 次元配列へ変換
b_arr = arr.ravel()
print(b_arr)
# ravel() は元の配列のビューを渡すだけなので…
b_arr[0] = 1000
print(b_arr)
# 元の配列 arr の arr[0][0] も 1000 に変わる
print(arr)
print('--- flatten() の場合 ---')
# ndarray を 1 次元配列へ変換
c_arr = arr.flatten()
print(c_arr)
# flatten() は元の配列のコピーを渡すので…
c_arr[0] = 0
print(c_arr)
# c_arr を変更しても元の配列 arr には影響しない
print(arr)
実行結果
元の配列: [[1 2 3 4] [3 1 4 2]] 次元数: 2 型: <class 'numpy.ndarray'> --- ravel() の場合 --- [1 2 3 4 3 1 4 2] [1000 2 3 4 3 1 4 2] [[1000 2 3 4] [3 1 4 2]] --- flatten() の場合 --- [1000 2 3 4 3 1 4 2] [0 2 3 4 3 1 4 2] [[1000 2 3 4] [3 1 4 2]]
まとめ:使い分けのポイント
| 項目 | ravel() | flatten() |
|---|---|---|
| 戻り値 | ビュー(可能な場合) | 常にコピー |
| 元の配列への影響 | 変更が反映される | 反映されない |
| メモリ消費 | 少ない | コピー分のメモリが必要 |
| 速度 | 速い | やや遅い |
| 呼び出し方 | arr.ravel() / np.ravel(arr) | arr.flatten() |
元の配列と値を共有してよい場合や、パフォーマンスを重視する場合はravel()を、元の配列に一切影響を与えたくない場合はflatten()を選ぶとよいでしょう。用途に応じて適切に使い分けることで、安全かつ効率的に配列操作を行えます。
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