TkinterでEntryウィジェット内の特定テキストを削除できないようにする方法
Tkinterには、ユーザーがテキストを入力するための基本的なウィジェットとして、TextウィジェットとEntryウィジェットの2種類があります。Textウィジェットは複数行の入力を受け付ける場合に一般的に使われ、Entryウィジェットでは1行のみのテキスト入力が可能です。
これらのウィジェットは、標準ライブラリの関数やメソッドを活用することで自由にカスタマイズでき、追加機能を実装することもできます。Entryウィジェットに入力された値を検証(バリデーション)するには、register()メソッドを使用します。このメソッドは、後からコールバック関数を呼び出すために利用できる文字列を返します。
validateとvalidatecommandによる入力検証
Entryウィジェットの入力を検証するには、config(**options)メソッドを使い、validateとvalidatecommandという2つの引数を渡します。
validate ― コールバック関数をいつ呼び出して入力を検証するかを指定します。たとえば"key"を設定すると、ユーザーがキーボードのキーを押すたびにコールバック関数が呼び出されます。このほかにもfocus、focusin、focusout、none、allなどのオプションが用意されています。
validatecommand ― コールバック関数の戻り値に基づいて動作を決定します。validatecommand='f'のように値を指定する際は、コールバック関数がどのような値をどのように返すかを制御する、さまざまなコールバック置換コード(%Pなど)を組み合わせて利用できます。
つまり、Entryウィジェットで入力検証を行うには、まずコールバック関数を登録(register)し、その関数内で定義した条件をチェックするための引数を渡してウィジェットを設定する必要があります。
実装例:削除できないテキストを作る
ここでは、「ユーザーが特定のテキストを削除できないようにする」というケースを例に取り上げます。文字列が指定のプレフィックスで始まっているかどうかをstartswith("string")関数で判定することで、テキストを削除不可にすることができます。
# 必要なライブラリをインポート
from tkinter import *
# tkinterウィンドウのインスタンスを作成
win = Tk()
win.geometry("700x350")
# テキストを削除不可にするための関数を定義
def make_non_removable(text):
return text.startswith("Enter your Email Id:")
# Entryウィジェットを作成
entry = Entry(win, bg="black", fg="white")
entry.pack(side="top", fill="x")
# デフォルトのテキストを挿入
entry.insert(END, "Enter your Email Id:")
validate_entry = (win.register(make_non_removable), '%P')
entry.config(validate='key', validatecommand=validate_entry)
win.mainloop()
コードのポイント
%Pは、キー操作が完了した後にEntryウィジェットに反映される「変更後の文字列全体」を表す置換コードです。コールバック関数make_non_removable()は、この文字列が「Enter your Email Id:」で始まるかどうかを判定し、始まっていればTrueを返して入力を許可、そうでなければFalseを返して変更を拒否します。これにより、プレフィックス部分が削除・編集されるのを防ぎつつ、それ以降の部分は自由に入力できるようになります。
実行結果
スクリプトを実行すると、ウィンドウ内にEntryウィジェットが表示され、デフォルトテキスト「Enter your Email Id:」が挿入された状態になります。このテキストはバックスペースやDeleteキーでも削除できず、ユーザーはコロンの後ろにメールアドレスを入力することだけが可能です。

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