Javaのthisとsuperの違いを徹底解説!比較表とサンプルコードで学ぶ正しい使い分け
Javaには、現在のクラスのインスタンスを表すthisと、親クラス(スーパークラス)を表すsuperという2つの特別なキーワードが用意されています。どちらもインスタンスに紐づくキーワードである点では共通していますが、その役割や利用できる場面には大きな違いがあります。本記事では、比較表と実際に動作するサンプルコードを通して、両者の違いをわかりやすく解説します。
thisとsuperの主な違い
| No. | 比較項目 | this | super |
|---|---|---|---|
| 1 | 表す対象 | 現在のクラス(自分自身)のインスタンスへの参照を表します。 | 親クラス(スーパークラス)側のインスタンス部分への参照を表します。 |
| 2 | コンストラクタとの関係 | this(...) の形式で、同じクラス内の別のコンストラクタを呼び出せます。 | super(...) の形式で、親クラスのコンストラクタを呼び出せます。 |
| 3 | メンバーへのアクセス | 現在のクラスのフィールドやメソッドにアクセスする際に使います。 | 親クラスのフィールドやメソッド(オーバーライドされる前の実装など)にアクセスする際に使います。 |
| 4 | 静的コンテキストでの利用 | staticメソッドやstaticブロックの中では参照できません。誤って使用するとコンパイルエラーになります。 | こちらもstaticコンテキストからは参照できず、使用するとコンパイルエラーとなります。 |
コンストラクタ呼び出し時のルール
this(...) と super(...) をコンストラクタ内で使う場合は、次のルールに注意しましょう。
- 必ずコンストラクタの先頭の文として記述する必要があります。
- 1つのコンストラクタ内で this(...) と super(...) を同時に指定することはできません。
- 明示的に記述しなかった場合、コンパイラが自動的に引数なしの super() を先頭に挿入します。
thisとsuperの動作を確認するサンプルコード
Point.java
class A {
public int x, y;
public A(int x, int y) {
this.x = x;
this.y = y;
}
}
class B extends A {
public int x, y;
public B() {
this(0, 0); // 同じクラスの別のコンストラクタを呼び出す
}
public B(int x, int y) {
super(x + 1, y + 1); // 親クラスのコンストラクタを呼び出す
this.x = x;
this.y = y;
}
public void print() {
System.out.println("Base class : {" + x + ", " + y + "}");
System.out.println("Super class : {" + super.x + ", " + super.y + "}");
}
}
public class Point {
public static void main(String[] args) {
B obj = new B();
obj.print();
obj = new B(1, 2);
obj.print();
}
}
実行結果
Base class : {0, 0}
Super class : {1, 1}
Base class : {1, 2}
Super class : {2, 3}
サンプルコードの解説
子クラスBのコンストラクタ B(int x, int y) では、まず super(x + 1, y + 1) によって親クラスAのコンストラクタが呼び出されます。その結果、親クラス側のフィールド x と y には「渡された値に1を加えたもの」が代入されます。続く this.x = x; と this.y = y; では、子クラスB自身のフィールドに引数の値を代入しています。
print() メソッド内では、単に x と y と書けば子クラスBのフィールドが、super.x や super.y と書けば親クラスAのフィールドがそれぞれ参照されます。そのため、「Base class」と「Super class」で異なる値が出力されるのです。
このように、this は「今操作しているオブジェクト自身」を、super は「親クラスの要素」を指し示すためのキーワードです。継承関係を持つクラスを設計する際には、両者の役割を正しく理解して使い分けることが非常に重要です。
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