物理アクセス制御システム(PACS)とは?基本の仕組みと3つの認証方法を解説
物理アクセス制御システム(PACS)とは
物理アクセス制御システム(Physical Access Control System:PACS)は、特定のエリアや建物への立ち入りを制限または許可するための物理セキュリティの一種です。企業や資産を破壊行為・窃盗・不法侵入から守る目的で導入されることが多く、特に高いレベルのセキュリティと保護が求められる施設において大きな効果を発揮します。
アクセス制御は、設備、データ、文書、ソフトウェアなどへの不適切なアクセスから情報資産を守る役割を担います。物理的なアクセスを制限するためには、セキュリティシステムが「許可された人物」と「許可されていない人物」を見分けられることが不可欠です。物理アクセスの制御には、一般的に以下の3つの手法が用いられます。
1. 本人識別(生体認証・属性照合)
個人の身体的特徴や属性を、事前に蓄積したデータと照合する方法です。署名、社員番号、暗証コード、声紋、掌紋、指紋、歯型などの個人情報を確認したうえでアクセスを許可します。特に機密性の高い情報を扱う場合は、出生地などの二次認証(追加認証)が必要となることもあります。
2. ユーザー名とパスワード
記憶した英数字の組み合わせによる認証方法で、「本人しか知らない情報」によってアクセスを許可します。推測されないよう、パスワードには論理的な規則性を持たせてはいけません。
安全なパスワード運用のための主なポイントは以下の通りです。
- 定期的(継続的なサイクル)にパスワードを変更する
- 一定期間(4か月以上)使用されていない非アクティブなパスワードは削除する
- 退職者がいる場合は、速やかにパスワードを変更し機密情報へのアクセス権を回収する
- ユーザーがパスワードを変更する際、旧パスワードを再設定できないよう制御する
- パスワードの共有は絶対に行わない
また、アクセス制御ソフトウェアを活用すれば、新しいパスワードにすぐ変更できない「最小パスワード期間」を設けたり、旧パスワードと類似した新パスワードの設定を拒否したりする運用が可能になります。
3. カード・キー(所持物による認証)
カード、鍵、バッジなどを用いて「本人が所持しているもの」によってアクセスを許可する方法です。不正使用が発生した際にはアラームで警告し、不正アクセスのパターンは検証・分析することが重要です。
スマートカードの活用
スマートカードは、クレジットカードほどの大きさの小型電子デバイスで、コンピュータメモリを内蔵しています。利用のたびに、または一定時間ごとに変化するランダム生成コードと識別番号を入力する仕組みにより、従来のカードよりも高いセキュリティを実現できます。
スマートカードは多目的に活用されており、例えば患者の医療データの記録・蓄積、電子マネーの管理、ネットワークIDの生成(トークンと同様の機能)などがあります。
物理的管理とログ監視
物理的な管理手段としては、管理者や司書がアクセスログを手動で記録・管理する方法も有効です。認証エラーが繰り返し発生した場合には、ロックアウト(一時的なアクセス停止)を行うべきです。加えて、ID番号、アクセス日時、実行された操作は自動的に記録される仕組みが望ましく、データディクショナリソフトウェアを利用すれば、ソフトウェアやファイルデータへのアクセスログを自動的に取得できます。
さらに、カメラや動体検知器などの侵入検知装置を導入することで、重要かつ高リスクのエリアに対し、許可されていない人物の侵入を確実に検出できるようになります。
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