Google CloudでRedis Enterpriseを実行する方法:5つの導入シナリオを徹底解説
世界最速クラスの性能を誇るデータベース「Redis Enterprise」を、高性能かつセキュアなGoogle Cloud上にデプロイすれば、両プラットフォームのメリットを同時に享受できます。本記事では、Google Cloudにおける5つのRedis Enterprise導入シナリオを取り上げ、それぞれの特徴、制限事項、留意点を詳しく解説します。
Google Cloud上のRedis Enterpriseが実現するベストインクラスのリアルタイムプラットフォーム
Redis EnterpriseはGoogle Cloudと緊密に連携し、「フルマネージド型サービス」と「セルフマネージド型ソフトウェア」という2つの主要なデプロイ形態において、最高水準のカスタマーエクスペリエンスを提供します。これらの利用モデルに加えて、Redisはキーバリューストアとして機能し、キャッシングやセッション管理といった定番のユースケースを支えるだけでなく、リアルタイムアプリケーションのプライマリデータベースとしても高い信頼性で活用できます。
小売、金融サービス、オンラインゲーム、ソーシャルメディアなど、多様な業界のミッションクリティカルなアプリケーションをGoogle Cloud上で実行できるよう支援しており、RediSearch、RedisJSON、RedisGraph、RedisTimeSeriesなどのRedisモジュールは、開発者が圧倒的なパフォーマンスで高度にインタラクティブなアプリケーションを短時間で構築するためのツールセットを提供します。Redis Enterpriseは線形スケーラビリティと99.999%(ファイブナイン)の可用性SLAによって、アプリケーションやサービスの市場投入までのリードタイムを大幅に短縮します。
マネージドデータベースサービスとしてのRedis Enterprise
その名の通り、フルマネージド型ではRedis Enterpriseデータベースを「サービス」として利用できます。サービスプロバイダーであるRedisが、基盤インフラストラクチャとRedisデータベースのライフサイクル管理をすべて担当します。
これは従量課金(Pay-as-you-go)モデルであり、あらかじめ定義された5種類のシャードタイプに基づいて時間単位で課金されます。シャードタイプはメモリ上限とスループットといった容量・性能特性によって区分されており、顧客のユースケースに柔軟に対応しながらコスト競争力を維持できます。どのシャードタイプを選ぶべきかを顧客が悩む必要はありません。Redis側がSLAを満たしつつ、Google Cloud上での運用コストを最小化する最適なインフラリソースを自動的に判断します。
マネージドサービスを利用する2つの方法
フルマネージドサービスの契約方法は大きく分けて2つあります。
1. Google Cloud Marketplace経由:
既存のGoogle Cloudのコミットメント(利用契約額)の消化に充てられるほか、Google Cloud内で請求を一元化できるのが大きな利点です。すでにGoogle Cloudと契約している企業は、調達プロセスの簡素化と請求の一括管理を目的にこの方法を選ぶのが一般的です。
2. Redis Enterprise Cloud(直接契約):
https://app.redislabs.com のRedisコンソールから直接ログインして利用する方法です。Google Cloudのコミットメント消化や一元請求には対応していませんが、3つの料金プランから選択できる柔軟性があります。
- Fixedプラン: メモリ容量に応じた固定月額料金。
- Flexibleプラン: ワークロードに応じてRedisが最適なインフラとDB構成を自動構築し、価格も最適化。プランや設定はいつでも変更可能で、料金もそれに応じて変動します。
- Annualプラン: 一定の年間消費量を前もってコミットすることで、Flexibleプラン料金から割引を受けるプラン。年間コミットは複数クラウド・複数リージョンにまたがるすべてのワークロードに適用され、契約中もデータエンドポイントは保持され、アプリケーションへのサービスは中断されません。
フルマネージドサービスの提供内容の比較
下表は、フルマネージド型Redis Enterpriseデプロイにおける「Google Cloud Marketplace」と「Redis Enterprise Cloud(直接契約)」の主な違いをまとめたものです。
| Google Cloud Marketplace | Redis Enterprise Cloud(直接契約) | |
| デプロイVPC | 顧客VPC内 | 顧客VPC内 |
| 接続方法 | VPCピアリング | パブリックDBエンドポイント:Fixedプラン VPCピアリング:Flexible・Annualプラン |
| Redisモジュール | すべて(Gears/AIを除く) | すべて(Gears/AIを除く) |
| Redis on Flash | 利用可能 | 利用可能 |
| Active-Active地理分散 | 利用可能 | 利用可能 |
| 対応リージョン | RedisがサポートするGoogle Cloudリージョン(順次拡大中) | RedisがサポートするGoogle Cloudリージョン(順次拡大中) |
| 支払条件 | 月額 | 月額:Fixed・Flexibleプラン 年額:Annualプラン |
| 請求元 | Google Cloud | Redis |
| サポート元 | Redis | Redis |
| 特徴 | Google Cloudコミットメントの消化、一元化された請求 | プラン間の移行時にサービス中断なし |
セルフマネージド型のRedis Enterpriseデプロイオプション
要件上フルマネージド型が使えない場合は、Redis Enterpriseをセルフマネージド型ソフトウェアとしてデプロイできます。この場合、Google Cloud上の基盤インフラストラクチャと、データベースをホストするRedis Enterpriseクラスタのライフサイクル管理は顧客自身の責任となります。そのため、デプロイ、構成、管理、運用、保守のすべての観点でRedis Enterpriseに関する深い知識が求められます。
選択肢1:Google Compute Engine(GCE)VM上でソフトウェアとして実行
セルフマネージド型の最初の選択肢です。この方法ではRedis Enterpriseのソフトウェアライセンスを購入する必要があります。顧客はRedis EnterpriseクラスタをホストするGoogle Compute Engine仮想マシンを自ら起動し、コストとパフォーマンスの観点から最適なクラスタ構成となるよう、日々の運用やクラスタのスケールイン・スケールアウトに責任を負います。
その一方で、Redisクラスタのデプロイ方法やセキュリティ設定など、すべてを自由にコントロールできます。まるで操縦席に座っているように、自分好みの方法でクラスタを構成・管理・運用でき、世界クラスのサポート契約によってシステムを常に最適な状態で稼働させることが可能です。
選択肢2:Google Cloud Marketplace経由でGKEクラスタにデプロイ
セルフマネージド型の2つ目の選択肢は、Google Cloud Marketplaceを通じてGoogle Kubernetes Engine(GKE)クラスタ上にRedis Enterpriseをデプロイする方法です。課金はシャードごとの時間単位料金となります。こちらもクラスタのライフサイクル管理は顧客の責任です。
ただし、この選択肢ではRedis Enterprise Operatorを使ってクラスタとデータベースをデプロイするため、GCE仮想マシンで運用する場合と比べて、Operatorに組み込まれた自動化のおかげで以降のクラスタ運用が格段に楽になります。基盤となるKubernetesクラスタに十分なリソースがあれば、Redis Enterpriseクラスタリソース定義を宣言的に更新するだけでスケールアウトが完了します。さらに、Kubernetesのローリングアップデート機能を活用することで、ダウンタイムゼロのままRedis Enterpriseのバージョンアップグレードも宣言的な更新だけで実現できます。
選択肢3:既存のGKEクラスタにRedis Enterprise Operatorでデプロイ
セルフマネージド型の3つ目の選択肢は、顧客がすでに所有しているGoogle Kubernetes Engine(GKE)クラスタ上にRedis Enterpriseをデプロイする方法です。クラスタのライフサイクル管理は顧客の責任となり、日々の運用体験は前述のMarketplace経由の選択肢と同じです。ただし、シャードごとの時間単位課金ではなく、年間ソフトウェアサブスクリプションライセンスを購入する必要があります。
セルフマネージド型オプションの比較サマリー
下表は、GCE VM、Google Cloud Marketplace for Kubernetes、顧客所有のGKEクラスタという3つのセルフマネージド型デプロイの主な違いをまとめたものです。
| Google Compute Engine | Google Cloud Marketplace | Google Kubernetes Engine(GKE)クラスタ | |
| デプロイインフラ | 顧客自身のVPC GCE VM | 顧客自身のVPC Anthos / GKEクラスタ | 顧客が用意したGKEクラスタ |
| エンタープライズモジュール | すべて | すべて | すべて |
| Redis on Flash | 利用可能 | 近日対応予定 | 近日対応予定 |
| Active-Active地理分散 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
| 対応リージョン | すべてのGoogle Cloudリージョン | すべてのGoogle Cloudリージョン | すべてのGoogle Cloudリージョン |
| 支払条件 | 年間ソフトウェアサブスクリプションライセンス | 月額(シャードごとの時間単位料金) | 年間ソフトウェアサブスクリプションライセンス |
| 請求元 | Redis | Google Cloud | Redis |
| サポート元 | Redis | Redis | Redis |
すべてのデプロイオプションのまとめ
どのデプロイオプションを選ぶかは、完全にプロジェクトのニーズ次第です。Redis Enterpriseクラスタを自ら管理したくないのであれば、多くのメリットがあるフルマネージド型が明白な選択肢となります。また、すでにGoogle Cloudとのコミットメント契約があるなら、Google Cloud Marketplace経由でフルマネージドサービスを契約することで、非常に魅力的なコスト面のメリットを得られるでしょう。
一方、企業のセキュリティポリシーやコンプライアンス要件上、データをRedis管理のVPCに置くことが許されない場合は、常に自社のプライベートVPC内でRedis Enterpriseクラスタを実行できるセルフマネージド型が適しています。さらに、社内方針ですべてをKubernetesに標準化しているのであれば、Redis Enterprise Operatorを使ってネイティブなKubernetesの手法でクラスタとデータベースのライフサイクルを管理できる、Google Cloud Marketplace経由のデプロイが優れた選択肢になります。
なお、セルフマネージド型からフルマネージド型へ、あるいはその逆へ切り替えるケースも決して珍しくありません。Redisは、顧客が望むクラスタ管理のスタイルと、財務状況に最も合ったさまざまな利用モデルを柔軟に提供しています。
パートナーシップは今後も進化し続けます
RedisとGoogle Cloudの協業は終わりません。両社は、Google Cloud上で最高のリアルタイムデータプラットフォームを提供すべく、今後も努力を重ねていきます。Google Cloud向けの新機能は定期的にリリースされています。パートナーシップの詳細については、ぜひパートナーシップページをご覧ください。
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