Azure Cache for Redis Enterpriseで「アクティブ・アクティブ地理分散」が一般提供開始
Azure Cache for RedisのEnterpriseおよびEnterprise Flash階層において、Redisによる「アクティブ・アクティブ地理分散(Active-Active Geo-Distribution)」の一般提供が開始されたことをお知らせします。これにより、Azure Cache for Redisのお客様は、異なるAzureリージョンに最大5つのEnterprise階層キャッシュデータベースインスタンスを配置し、コンフリクトフリーレプリケーションデータ型(CRDT)を活用したアクティブなgeoレプリケーションキャッシュを構築できるようになりました。
Enterprise階層のアクティブ・アクティブ構成を利用することで、企業はローカルでサブミリ秒の読み書きレイテンシを実現しながら、障害に対する耐性を大幅に高めたグローバルアプリケーションを構築できます。さらに、この構成は99.999%のAzure可用性SLAの対象となります。また、アクティブ・アクティブ地理分散は強い結果整合性(eventual consistency)を提供し、世界中の複数のRedisインスタンスへの書き込みをサポートするとともに、ローカルでの変更を自動的にマージし、競合を予測可能な形で解決します。
Azureでは「アクティブgeoレプリケーション」として知られるアクティブ・アクティブ地理分散は、エンタープライズアプリケーションにとって以下のような重要なシナリオを実現します。
- 最大99.999%のサービス可用性によるビジネス継続性
- ローカルな読み書きレイテンシによるグローバルなアプリケーションスケーリング
- Azureリージョン障害からの保護
- 全世界にわたるデータ整合性の確保
Enterprise階層でアクティブgeoレプリケーションを設定する方法
なお、アクティブ・アクティブ地理分散(Azureではアクティブgeoレプリケーションとして提供)は、Azure Cache for RedisのEnterpriseおよびEnterprise Flash階層でのみ利用可能です。
アクティブgeoレプリケーションは、Redisインスタンスの作成時に初期設定を行う必要があります。Azure Portalから、以下の手順でアクティブgeoレプリケーションを設定できます。
1. 新しいRedis Enterpriseインスタンスを作成します。
2. 作成画面で「詳細設定(Advanced)」タブをクリックします。
3. アクティブgeoレプリケーションのセクションにある「構成(Configure)」をクリックして設定を行います。
4. 既存のレプリケーショングループを選択して新しいキャッシュインスタンスを既存グループに追加するか、新しいレプリケーショングループ名を指定して新規作成します。
EnterpriseおよびEnterprise Flash階層でアクティブgeoレプリケーションを作成・設定する詳細な手順については、Azure Cache for Redisのドキュメントをご参照ください。
主な機能
最大99.999%のサービス可用性によるビジネス継続性
Enterprise階層のアクティブ・アクティブ構成はビジネス継続性の実現を目的として設計されており、Azureリージョンで大規模な障害が発生した場合でも迅速なディザスターリカバリーを可能にします。アクティブ・アクティブ構成では、キャッシュインスタンスを2つ以上(最大5つ)のAzureリージョンに配置できます。国内の複数リージョンにアプリケーションを展開することも、世界中に分散配置することも自由に選択でき、柔軟な設計が可能です。
あるAzureリージョンで大規模なイベントや障害が発生しても、レプリケーショングループに参加している他のキャッシュインスタンスは読み書きリクエストの処理を継続します。仮にレプリケーショングループ内の過半数のインスタンス(5台中3台)がダウンしても、残りのインスタンスは中断されることなく動作し続けます。アプリケーション側ではキャッシュインスタンスの状態を監視し、インスタンスが利用不可になった際に別のリージョンへ切り替える仕組みを実装する必要があります。
ローカル読み書きレイテンシによるグローバルなアプリケーションスケーリング
アクティブ・アクティブインスタンスに接続するアプリケーションは、地理的に最も近いインスタンスに接続できます。アクティブ・アクティブに参加するすべてのインスタンス間では、メッシュ状のトポロジーによる双方向レプリケーションが行われ、すべての書き込みが複製されます。アプリケーションがローカルインスタンスに行った書き込みは、自動的に他のすべてのインスタンスへレプリケートされます。これにより、地理的に分散したリージョンの数や相互の距離にかかわらず、読み書き操作でローカル並みの低レイテンシが得られます。
グローバルに展開されたアプリケーションは、すべての読み書きリクエストを最寄りまたはローカルのインスタンスに送信するだけで、一桁ミリ秒(ms)のRedis読み書きレイテンシを実現できます。
全世界にわたるデータ整合性 – フォロー・ザ・サン!
アクティブ・アクティブ構成により、2つ以上の地理分散キャッシュインスタンス間でシームレスな競合解決が可能になります。複数のキャッシュインスタンスに書き込みを行っても、CRDTの原則に基づく基盤のレプリケーション技術によって変更が自動的にマージされます。
これは、すべてのインスタンス間でデータを同期し続ける必要がある、グローバルまたは国内の複数リージョンに展開されたアプリケーションにとって非常に有用です。例えば、多国籍銀行などが挙げられます。また、「フォロー・ザ・サン」モデルを採用するアプリケーションにも活用できます。例えば、ソースコード管理システム、DevOps、カスタマーケアなど、ある拠点での作業を多数のタイムゾーン離れた別の拠点へ引き継ぐようなユースケースです。
まとめ
Azure Cache for Redis Enterpriseにおけるアクティブ・アクティブ構成は、いつでもどこでも高い可用性が求められるエンタープライズアプリケーションに不可欠な機能を解放します。国内のマルチリージョンアプリケーションであれ、グローバルに分散されたアプリケーションであれ、アクティブ・アクティブは、グローバルなセッション管理、世界的な不正検知、地理分散検索、リアルタイム在庫管理といったユースケースに欠かせない存在です。
そして今回、この機能がAzure Cache for Redis Enterprise階層で一般提供されたことをお知らせいたします。ドキュメントやデモへのリンクは以下をご覧ください。ぜひお試しいただき、フィードバックをお寄せください。皆様からのご意見をお待ちしています。
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