CとC++の違いとは?6つの観点で徹底比較
プログラミング言語の世界において、「C」と「C++」は最も歴史が長く、今なお幅広い分野で活用されている二大言語です。どちらもアプリケーション開発に使用されますが、設計思想や提供する機能には大きな違いがあります。最大の相違点は、Cがクラスやオブジェクトの概念を持たない手続き型プログラミング言語であるのに対し、C++は手続き型とオブジェクト指向プログラミングの両方の特徴を兼ね備えた言語であるという点です。
本記事では、CとC++の重要な違いを6つの観点から詳しく解説します。
CとC++の違い 比較表
| No. | 項目 | C | C++ |
|---|---|---|---|
| 1 | 開発の経緯 | デニス・リッチーによって、1969年頃にAT&Tベル研究所で開発されました。 | ビャーネ・ストロヴストルップによって1979年に開発されました。 |
| 2 | 言語タイプ | 手続き型プログラミング言語です。 | 手続き型とオブジェクト指向の両方のパラダイムをサポートしています。 |
| 3 | オブジェクト指向機能 | OOPの概念をサポートしないため、ポリモーフィズム(多態性)、カプセル化、継承には対応していません。 | オブジェクト指向言語であるため、ポリモーフィズム、カプセル化、継承をサポートしています。 |
| 4 | データセキュリティ | カプセル化に非対応のため、データは自由な実体として扱われ、外部のコードから操作される可能性があります。 | カプセル化によりデータを隠蔽し、データ構造や演算子が意図した通りに使用されることを保証します。 |
| 5 | 駆動方式 | 一般的に「関数駆動型言語」と呼ばれます。 | 一般的に「オブジェクト駆動型言語」と呼ばれます。 |
| 6 | サポート機能 | 関数や演算子のオーバーロードに非対応で、名前空間や参照変数の機能も持ちません。 | 関数・演算子のオーバーロードに加え、名前空間や参照変数の機能をサポートしています。 |
それぞれの違いを詳しく解説
1. 開発の経緯
Cは、AT&Tベル研究所のデニス・リッチー氏によって1969年頃に開発された言語です。UNIX OSの実装言語として誕生し、以来、OSや組み込みシステムといった低レベルな開発分野で絶大な支持を受け続けてきました。一方、C++は1979年にビャーネ・ストロヴストルップ氏によって開発されました。当初は「クラス付きC」と呼ばれたこの言語は、Cの持つ高いパフォーマンスを維持しながら、オブジェクト指向の概念を取り入れました。
2. 言語タイプの違い
Cは純粋な手続き型言語であり、処理を上から順番に記述していくスタイルが基本となります。これに対しC++は、手続き型の書き方もオブジェクト指向の書き方もどちらも可能なマルチパラダイム言語です。小規模なツールから大規模なシステムまで柔軟に対応できるのが特徴です。
3. オブジェクト指向(OOP)機能への対応
CはOOPの概念を持たないため、ポリモーフィズム、カプセル化、継承といったオブジェクト指向の三大要素を利用できません。一方のC++はクラスとオブジェクトを備えており、これらの機能をフルに活用できます。その結果、再利用性が高く保守しやすいコードを書くことが可能になります。
4. データセキュリティの観点
カプセル化をサポートしないCでは、データは自由な実体として存在するため、プログラムの外部から不正に操作されてしまうリスクがあります。対照的に、C++ではカプセル化によってデータを隠蔽できるため、データ構造や演算子が開発者の意図した通りの方法でのみ使用されることが保証されます。
5. 関数駆動かオブジェクト駆動か
Cは「関数駆動型」と呼ばれ、プログラム全体が関数を中心に構成されます。一方、C++は「オブジェクト駆動型」と呼ばれ、クラスやオブジェクトを軸にプログラムを設計します。この違いは、コードの構成や設計思想に大きく影響します。
6. 利用できる機能の差
Cでは、関数オーバーロードや演算子オーバーロードが使えず、名前空間(namespace)や参照変数の機能もありません。そのため、同じ名前の関数を用途別に定義したい場合などには工夫が必要になります。C++はこれらすべての機能をサポートしており、より表現力豊かで安全なプログラミングを実現できます。
まとめ:どちらを選ぶべき?
Cはシンプルで高速、ハードウェアに近い制御が求められる組み込み開発やOS開発に向いています。一方、C++は大規模なソフトウェア開発、ゲーム開発、GUIアプリケーションなど、複雑な構造を持つシステムに適しています。学習の第一歩としては文法がシンプルなCから入るケースも多く、両言語の違いを正しく理解したうえで、目的に合った言語を選ぶことが成功への鍵となります。
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