C言語で単位行列を生成・判定するプログラムの解説
行数 r と列数 c が等しい正方行列 M[r][c] が与えられたとき、その行列が単位行列であるかどうかを判定したり、単位行列そのものを生成したりすることができます。本記事では、C言語を使って単位行列を出力するプログラムの考え方と実装方法をわかりやすく解説します。
単位行列とは
単位行列(ユニット行列とも呼ばれます)は、サイズ n×n の正方行列の一種で、左上から右下への対角成分(主対角線上の要素)がすべて 1 であり、それ以外の非対角成分がすべて 0 となる行列です。単位行列は一般的に「I」という記号で表され、行列の乗算において数値の「1」に相当する役割を持つ、非常に重要な行列です。
以下に、サイズごとの単位行列の例を示します。
I1 = | 1 |
I2 = | 1 0 |
| 0 1 |
I3 = | 1 0 0 |
| 0 1 0 |
| 0 0 1 |
In = | 1 0 0 ... 0 |
| 0 1 0 ... 0 |
| 0 0 1 ... 0 |
| . . . ... . |
| 0 0 0 ... 1 |
入力と出力の例
与えられた行列が単位行列かどうかを判定した場合の入力と出力の対応は次のとおりです。
Input: m[3][3] = { {1, 0, 0},
{0, 1, 0},
{0, 0, 1} }
Output: yes
Input: m[3][3] = { {3, 0, 1},
{6, 2, 0},
{7, 5, 3} }
Output: no
アルゴリズム
単位行列を生成する基本的な手順は以下のとおりです。ポイントは、行番号と列番号が一致する位置には「1」を、それ以外の位置には「0」を出力することです。
開始
ステップ 1 → 単位行列を求めるための関数を宣言する
int identity(int num)
int row, col を宣言する
row = 0 から row < num まで row++ しながらループ
col = 0 から col < num まで col++ しながらループ
IF (row == col)
「1」を出力する
ELSE
「0」を出力する
内側ループ終了後、改行を出力する
外側ループ終了
ステップ 2 → main() 関数内で
int size = 4 を宣言する
identity(size) を呼び出す
終了
C言語による実装例
上記のアルゴリズムを実際にC言語で記述すると、次のようになります。
#include<stdio.h>
int identity(int num){
int row, col;
for (row = 0; row < num; row++){
for (col = 0; col < num; col++){
if (row == col)
printf("%d ", 1);
else
printf("%d ", 0);
}
printf("\n");
}
return 0;
}
int main(){
int size = 4;
identity(size);
return 0;
}
実行結果
このプログラムを実行すると、サイズ 4×4 の単位行列が出力されます。
1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
与えられた行列が単位行列かどうかを判定する方法
冒頭で触れた「判定」を行う場合は、すべての要素について「対角成分なら 1、非対角成分なら 0」という条件を満たすかどうかを確認します。一箇所でも条件に反する要素があれば、その行列は単位行列ではありません。
#include<stdio.h>
#define N 3
int isIdentity(int m[N][N]){
for (int row = 0; row < N; row++){
for (int col = 0; col < N; col++){
if ((row == col && m[row][col] != 1) ||
(row != col && m[row][col] != 0))
return 0;
}
}
return 1;
}
int main(){
int m[N][N] = { {1, 0, 0},
{0, 1, 0},
{0, 0, 1} };
if (isIdentity(m))
printf("yes\n");
else
printf("no\n");
return 0;
}
この判定処理では、行列のすべての要素を一度ずつ調べるため、計算量は O(n²) となります。
まとめ
単位行列は「対角成分が 1、その他が 0」の正方行列であり、行番号と列番号の一致不一致だけで簡単に生成・判定できます。C言語では二重ループを使うことで短いコードで実装できるため、配列とループ処理の学習教材としても最適な題材です。ぜひ自分でもサイズを変えて試してみてください。
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