C言語で学ぶリンクリスト(連結リスト)の基本概念と4つの種類
はじめに:配列とポインタの違いを理解しよう
リンクリスト(連結リスト)を理解する前に、まずC言語における「配列の欠点」と「ポインタの利点」について確認しておきましょう。この2つの違いを知ることが、リンクリストがなぜ有効なデータ構造なのかを理解する鍵となります。
配列の欠点
静的なメモリ割り当て:配列はコンパイル時にサイズが決定されるため、実行中にサイズを変更できません。
メモリの無駄:実際に必要なデータ量より大きい配列を確保すると、未使用の領域が無駄になります。
メモリ不足のリスク:逆に、確保したサイズを超えるデータは格納できず、メモリが不足する可能性があります。
ポインタの利点
動的なメモリ割り当て:malloc() などの関数を使えば、実行時に必要な分だけメモリを確保できます。
効率的なメモリ使用:必要なときに必要なだけメモリを利用するため、無駄がありません。
リンクリスト(連結リスト)とは
リンクリストは動的なメモリ割り当てを利用するデータ構造で、要素の追加や削除に応じてサイズが自動的に拡大・縮小します。リンクリストは「ノード(node)」と呼ばれる要素の集合として定義され、各ノードは「データ部」と「リンク部」という2つの部分で構成されます。
データ・リンク・リンクリストの関係は、下図のように表されます。

C言語では、ノードは次のように構造体で表現できます。
struct node {
int data; /* データ部 */
struct node *next; /* リンク部(次のノードへのポインタ) */
};リンクリストの種類
リンクリストには、主に以下の4種類があります。
- 単方向リンクリスト(Singly Linked List)
- 双方向リンクリスト(Doubly Linked List)
- 循環単方向リンクリスト(Circular Singly Linked List)
- 循環双方向リンクリスト(Circular Doubly Linked List)
1. 単方向リンクリスト
下図のような構造で表されます。

ノードは次の2つの部分で構成されます。
- データ部(Data):実際の値を格納する部分
- リンク部(Link):次のノードを指すポインタ
リンクフィールドは、常にリスト内の次のノードを指します。また、リストの末尾ノードのリンクフィールドはNULLとなり、これがリストの終端を示します。
2. 双方向リンクリスト
下図のような構造で表されます。

ノードは次の3つの部分で構成されます。
- データ部(Data):実際の値を格納する部分
- 左リンク(Left Link / prev):前のノードを指すポインタ
- 右リンク(Right Link / next):次のノードを指すポインタ
左リンクは常にリスト内の左側(前)のノードを指し、右リンクは常に右側(次)のノードを指します。先頭ノードの左リンクと末尾ノードの右リンクはNULLでなければなりません。前後どちらの方向にもたどれるため、単方向リンクリストよりも柔軟な操作が可能です。
3. 循環単方向リンクリスト
下図のような構造で表されます。

ノードは次の2つの部分で構成されます。
- データ部(Data)
- リンク部(Link)
リンクフィールドは常にリスト内の次のノードを指します。通常の単方向リンクリストと異なるのは、末尾ノードのリンク部がNULLではなく先頭ノードを指す点です。これによりリスト全体が環状につながり、どのノードからでも一周できる構造になります。
4. 循環双方向リンクリスト
下図のような構造で表されます。

ノードは次の3つの部分で構成されます。
- データ部(Data)
- 左リンク(Left Link)
- 右リンク(Right Link)
左リンクは常にリスト内の左側のノードを指し、右リンクは右側のノードを指します。循環構造であるため、先頭ノードの左リンクは末尾ノードを指し、末尾ノードの右リンクは先頭ノードを指します。前後双方向に循環してたどれる、最も柔軟なリンクリストです。
まとめ
リンクリストは、ポインタによる動的メモリ割り当てを活かすことで、配列の「サイズが固定」という制約を克服できるデータ構造です。用途に応じて単方向・双方向・循環の4種類から適切なものを選ぶことで、効率的なデータ管理を実現できます。
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