C言語のポインタを使って2つの行列を乗算する方法をわかりやすく解説
ポインタ(pointer)とは、別の変数のメモリアドレスを格納するための変数です。C言語ではポインタを使うことでメモリを直接操作でき、効率的で高速なプログラムを作成できます。
ポインタの特徴
- メモリ空間を節約できる。
- メモリ上の位置へ直接アクセスするため、実行速度が速い。
- メモリの動的な割り当てと解放が可能になり、メモリを効率的に利用できる。
- リンクリストや木構造などのデータ構造と組み合わせて使用される。
ポインタの宣言・初期化・アクセス
まず、次のような通常の変数宣言を考えてみましょう。
int qty = 179;
この変数はメモリ上では、「qty」という名前、値「179」、そして固有のアドレスを持つ領域として表現されます。
宣言
ポインタの宣言は次のように行います。
int *p;
これは「p は別の整数型変数のアドレスを保持するポインタ変数である」という意味です。
初期化
ポインタ変数の初期化には、アドレス演算子(&)を使用します。
int qty = 175; int *p; p = &qty;
これにより、ポインタ p には変数 qty のアドレスが格納されます。
ポインタを通じた変数へのアクセス
ポインタが指し示す先の値にアクセスするには、間接演算子(*)を使用します。たとえば *p と書くと、p が指すアドレスに格納されている値(この場合は 175)を取得できます。
ポインタを使って2つの行列を乗算するCプログラム
以下は、ポインタ演算だけを使って2つの3×3行列の積を求めるCプログラムです。配列要素へのアクセスに通常の添字表記(mat[row][col])ではなく、*(*(mat + row) + col) というポインタ表記を使用している点がポイントです。
#include <stdio.h>
#define ROW 3
#define COL 3
/* 関数のプロトタイプ宣言 */
void matrixInput(int mat[][COL]);
void matrixPrint(int mat[][COL]);
void matrixMultiply(int mat1[][COL], int mat2[][COL], int res[][COL]);
int main() {
int mat1[ROW][COL];
int mat2[ROW][COL];
int product[ROW][COL];
printf("Enter elements in first matrix of size %dx%d\n", ROW, COL);
matrixInput(mat1);
printf("Enter elements in second matrix of size %dx%d\n", ROW, COL);
matrixInput(mat2);
matrixMultiply(mat1, mat2, product);
printf("Product of both matrices is : \n");
matrixPrint(product);
return 0;
}
/* 行列への入力を受け付ける関数 */
void matrixInput(int mat[][COL]) {
int row, col;
for (row = 0; row < ROW; row++) {
for (col = 0; col < COL; col++) {
scanf("%d", (*(mat + row) + col));
}
}
}
/* 行列を表示する関数 */
void matrixPrint(int mat[][COL]) {
int row, col;
for (row = 0; row < ROW; row++) {
for (col = 0; col < COL; col++) {
printf("%d ", *(*(mat + row) + col));
}
printf("\n");
}
}
/* 2つの行列を乗算する関数 */
void matrixMultiply(int mat1[][COL], int mat2[][COL], int res[][COL]) {
int row, col, i;
int sum;
for (row = 0; row < ROW; row++) {
for (col = 0; col < COL; col++) {
sum = 0;
for (i = 0; i < COL; i++) {
sum += (*(*(mat1 + row) + i)) * (*(*(mat2 + i) + col));
}
*(*(res + row) + col) = sum;
}
}
}
プログラムのポイント解説
行列の積では、結果の各要素は「第1行列の行成分」と「第2行列の列成分」の積の総和として計算されます。つまり、res[row][col] = Σ mat1[row][i] × mat2[i][col] という式になります。
このプログラムでは、その計算をすべてポインタ表記で実現しています。*(*(mat1 + row) + i) は「mat1 の先頭アドレスから row 行分進み、さらに i 列分進んだ位置の値」を意味し、mat1[row][i] と完全に同じ動作をします。同様に、入力時の *(mat + row) + col は要素のアドレスを表すため、scanf の引数としてそのまま渡せます。
実行結果
上記のプログラムをコンパイルして実行すると、次のような出力が得られます。
Enter elements in first matrix of size 3x3 2 3 1 2 5 6 2 6 8 Enter elements in second matrix of size 3x3 1 2 1 2 3 4 5 6 7 Product of both matrices is : 13 19 21 42 55 64 54 70 82
このように、添字演算子を使わずポインタ演算のみでも、行列の入力・表示・乗算を問題なく実装できることが確認できます。
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PythonとTensorFlowで2つの行列を乗算する方法を解説
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