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スマホ盗難の手口:泥棒が追跡を無効化する5つの方法と、それを防ぐ対策

持ち歩く荷物の中で、スマートフォンは最も盗まれやすいものの一つです。AndroidにもiOSにもデバイス追跡機能が備わっていますが、ひとたび端末を奪われてしまえば、泥棒が追跡を妨害するためにできることはまだたくさんあります。本記事では、泥棒が実際に使う5つの手口と、それぞれに有効な対策を詳しく解説します。

5. 機内モードで追跡を無効化される

泥棒がスマホを手にして真っ先に行うのが、機内モードの有効化です。携帯回線・Bluetooth・Wi-Fiといったすべての通信を一瞬で遮断できる、最も手軽な方法だからです。さらに厄介なことに、iOSでもAndroidでも、ロック解除なしでコントロールセンターや通知シェードから機内モードをオンにできてしまいます。

スマホ盗難の手口:泥棒が追跡を無効化する5つの方法と、それを防ぐ対策

Appleの「探す(Find My)」やGoogleの「Find Hub」で位置情報を更新するには、インターネット接続が不可欠です。比較的新しい機種の中には電源が切れていても位置を更新できるものもありますが、そうした最新端末でなければ、機内モードが有効になった瞬間にスマホはネットワーク上から姿を消します。

対策としては、ロック中にデバイスのコントロールへアクセスできないよう設定を見直しましょう。iPhoneなら「設定 > Face IDとパスコード > ロック中にアクセスを許可」で「コントロールセンター」をオフにします。併せて、泥棒に操作されたくない項目がないかも確認しておくと安心です。Androidでは機種によって設定の場所が異なりますが、「ロック画面」周辺のセクションを探してみてください。

4. SIMカードを捨てられる

SIMカードは、Wi-Fi環境のない屋外でスマホをネットにつなぐ唯一の手段です。モバイル回線を失えば、インターネット経由の追跡も、基地局の三角測量(警察などがIMEI番号をもとに端末を割り出す際によく使われる手法)も困難になります。

だからこそ、盗難対策としてeSIMの活用をおすすめしたいのです。eSIMはデータの保護や盗難防止そのものには役立ちませんが、物理SIMのように簡単には取り替えられません。その結果、端末は引き続きキャリアのネットワークに登録され続け、モバイルデータが有効なら追跡サービス上で位置情報も更新され続けます。本人にとっても警察にとっても、端末を突き止めやすくなるのです。

もちろんeSIMも万能ではありません。十分な技術力があれば無効化することも可能ですが、それに必要なスキルは高く、普通のスマホ泥棒やスリが持っている水準ではありません。加えて、eSIMのままでは中古市場での転売が難しいため、犯人が盗んですぐに売り払うこともできなくなります。

3. 初期化してROMを書き換えられる

最新の初期化保護機能を備えていない古い端末では、泥棒がスマホを工場出荷状態に戻したり、別のOSを書き込んで新しい端末として動かしたりすることが可能です。決して簡単な作業ではありませんが、eSIMの入れ替えよりははるかに容易で、大半のスマホ修理店なら既存端末へ新規ROMを焼いて、有効な保護をことごとく回避できてしまいます。

スマホ盗難の手口:泥棒が追跡を無効化する5つの方法と、それを防ぐ対策

この手法に対しては、iPhoneよりAndroidの方が脆弱です。ネット上には無数のカスタムROMが出回っているためです。ただし操作にはブートローダーのアンロックが必要で、ここでも一定の技術知識が求められます。

さらに厄介なのは、一部の泥棒がマイクロプロセッサや回路を交換するといったハードウェアレベルの改造まで行う点です。Androidには「工場出荷状態へのリセット保護(Factory Reset Protection)」があり、盗難時にリセットを封じて端末を使えなくする仕組みですが、これも完璧ではなく、所有証明なしに盗品端末を使える抜け道が存在します。

2. IMEI番号をすり替えられる

追跡を妨害するもう一つの有力な手口が、IMEI番号のすり替えです。IMEI(International Mobile Equipment Identity)は、キャリアのネットワーク上で端末を識別する15桁の一意なコードで、有効なSIMが挿入されネットワークに接続している限り、端末はIMEIを報告するため追跡が可能になります。

スマホ盗難の手口:泥棒が追跡を無効化する5つの方法と、それを防ぐ対策

IMEIの書き換えは英国では違法ですが、米国にはこれを禁じる法律がありません。ただし正確に行うのは非常に難しく、盗んだ端末を中古市場で「転がす」ために泥棒が取れる最も高度な技術的手段の一つです。IMEIを改変できるツールはネット上に存在しますが、多くは一時的なもので、本来の番号を完全に隠せるわけではありません。

この手法もiPhoneよりAndroid端末に向けられたものですが、成否は搭載されているチップセットにも左右されます。

1. マザーボードのハードウェア改造

最後に紹介するのは、マザーボード上のマイクロプロセッサや部品を交換・除去して保護を回避し、盗んだ端末のロック解除や初期化を行う手口です。筆者自身、最近自分のPixel 7aが盗まれた件を調査した際、この現場に遭遇しました。「法的なグレーゾーンぎりぎりの修理」を謳う怪しい修理店に行き当たったのです。

カーネルレベルやハードウェアレベルの保護の多くは、個々の部品単位で機能します。そのため、マザーボード上の集積回路を丸ごと交換されれば、理論上はこうした保護をすり抜けられてしまうのです。驚くべきことに、この手法は実行コストが非常に低く、マザーボード修理を手掛ける技術者なら、少し調べるだけで脆弱な部品を特定できてしまいます。

唯一の救いは、こうした手口が泥棒本人やその関連ネットワークの技術力に大きく依存するという点です。世界最大級かつ最も競争の激しいスマホ市場であるインドでは、これは日常的な光景です。多くの人が端末を捨てずに安価な修理を求めるため、技術者たちは多種多様なマザーボードやチップを扱いこなす術を磨いてきました。チップ交換で「死んだ」スマホを蘇らせられるなら、ロック解除や追跡の無効化だって同じ理屈で可能になるのです。

スマホ盗難の手口:泥棒が追跡を無効化する5つの方法と、それを防ぐ対策

スマホ内部がさらに小型化し、各社が独自設計のハードウェアを採用するようになれば、盗品端末へのハードウェア改造は一段と難しくなります。わずか0.02ドルの小さなチップの故障で修理不能になる代わりに、同じチップを交換して追跡不能にすることもできなくなる、というわけです。

スマホが賢くなるほど、紛失時の追跡は容易になっています。しかし泥棒側も、端末をネットから切り離す巧妙な手口を日々進化させています。結局のところ、最善の防御は最もシンプルなものです。人混みでは常に注意を払い、そもそも盗まれないようにすること。筆者の実体験からも断言できますが、被害に遭えば精神的にも金銭的にも大きな打撃となる、悔しい事態なのです。

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