AppleはFBIの要求を拒否すべきだったのか?――サンバーナーディーノ事件が浮き彫りにしたプライバシーと安全保障の対立
ここ数週間、テック業界のニュースを席巻しているのがこの見出しだ。Appleは、カリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した大量射殺事件に関連するiPhoneへのアクセスを求めるFBIと真っ向から対立している。この問題には賛否両論が交錯しており、「AppleはFBIの要求を拒否して正しかったのか?」という疑問が多くの人の心に浮かんでいる。
サンバーナーディーノ銃撃事件とは
サイード・リズワン・ファルークと妻のタシュフィーン・マリクの夫婦は、インランド・リージョナル・センターで開催されたサンバーナーディーノ郡保健局の研修イベント兼ホリデーパーティーに参加していた。従業員約80名のうち、米国生まれでパキスタン系のファルークもその一人だった。ところが夫婦は突如として発砲し、14人を殺害、22人に重軽傷を負わせた。2人はその後、警察との銃撃戦で死亡した。
FBIの捜査官たちは、フラッシュドライブやハードドライブ、そしてファルークが所持していたiPhone 5Cなど、夫妻が所有していた電子機器を回収した。
FBIがiPhoneの中身を確認したい理由
FBIは、iPhone内部に保存された連絡先、写真、メッセージなどを調査したいと考えている。そこから、なぜ夫婦がホリデーパーティーを標的にしたのか、さらなる攻撃を計画していなかったか、そして海外のテロ組織と連携していた可能性はないかといった、事件解明につながる手がかりが得られるからだ。
しかし問題は、このiPhoneがパスコードでロックされていることだ。しかもiPhoneには、パスコードを10回連続で誤入力するとすべてのデータが自動消去されるセキュリティ機能が備わっている。
FBIの要求とAppleの懸念
そこでFBIは、Appleに対して端末への侵入を支援するよう要求した。具体的には、iPhoneに「バックドア(裏口)」となる特別なツールを作成することである。これに対しAppleは、そのようなツールや手法が将来的にもたらしうる影響を強く懸念している。一度作られたバックドアは、政府機関だけでなく悪意ある第三者にも悪用されかねず、世界中のすべてのユーザーのセキュリティを根本から脅かす恐れがあるためだ。
これは他人事ではない
この問題は、最終的には私たち一人ひとりと、私たちが使うデバイスにも深く関わってくる。この問いに答えるとき、ぜひ考えてみてほしい。自分のスマートフォンやOSのメーカーに、何を望むだろうか? たとえ端末をロックしていても、メーカーがあなたの電話に侵入できるべきだと考えるだろうか?
「AppleはFBIの要求を拒否して正しかったのか?」――この答えは、セキュリティとプライバシーのどちらを優先すべきかという、現代社会における根源的な問いに直結しているのである。
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