iOS 11徹底レビュー:iPadがまるで別物に生まれ変わった

Appleは、オペレーティングシステムに必ずと言っていいほど話題性のある変更を加えてくる企業です。時には「もう少し早くてもよかったのに」と感じることもありますが、好むと好まざるとにかかわらず、常にニュースになる存在です。
iOSファンとして長年過ごしてきましたが、モバイルプラットフォームの変更でがっかりさせられたことはほとんどありません。そして今回のiOS 11も、その期待を裏切らない仕上がりでした。例によってパブリックベータ版を使っていますが、その方向性にはかなり感心しています。とはいえ、まだ解決すべき重大なバグが多く残っているのも事実です。でも、それこそが「ベータ」と呼ばれる所以ですね。
本記事では、まずiPad専用の変更点から見ていき、その後にiPhoneにも関係する変更点を紹介します。
iPad:まるで全新機のような進化
AppleはタブレットとiPhoneの差をますます広げようとしているようです。従来のiPadは「大きいスマホ」と言われることもありましたが、今や独自の道を歩み始めています。場面によっては、ノートPC以上の存在感すら放つのです。
ドック(Dock)

以前は下部の固定バーに置けるアプリが少数に限られていましたが、iOS 11では最大13個のアプリを配置できます。さらに、直近で開いた3つのアプリがその右側に自動表示されるのも便利です。Macのドックと同じように、フォルダを置くことも可能になりました。
私はこの機能を最大限に活用し、必要なアプリにすべて即座にアクセスできるようにしています。仕事も趣味もiPadで完結し、Macに戻ることはめったにありません。メール、ブラウザ、SNS、写真アプリ、クラウドストレージ、執筆アプリなどはドックに常駐させており、仕事用SNS・写真・家計管理・生産性ツールなどはフォルダにまとめています。
マルチタスク

アプリ使用中でも、画面下部から上へスワイプすればドックを呼び出せます。アプリをタップして起動するか、画面右端へドラッグすれば、スプリットビュー(画面分割)で開きます。さらに新しくなったのは、従来の「Slide Over」に代わり、アプリを分割画面の上に浮かせて重ねて表示できる点です。分割画面の上にさらに第3のアプリを浮かべることさえできます。フローティングアプリは左右に移動でき、どちらかの端にスナップして整列します。
Appスイッチャーとコントロールセンター

もう一度上へスワイプすると、Appスイッチャーの画面が現れます。もちろんホームボタンを2回押してもアクセス可能です。開いているアプリに加えて、コントロールセンターもこの画面に統合されました。ベータ版の初期段階ではアプリを閉じるのに「×」ボタンを押す必要がありましたが、リリースされた開発者向けベータ3で、上へスワイプして閉じる従来の操作方式に戻されました。また、サイドバイサイド(並列表示)で作業していた場合、その組み合わせがAppスイッチャーに表示され、macOSのSpacesのような感覚で扱えます。
コントロールセンターもカスタマイズ可能になりました。ウィジェットの追加や削除が自由自在で、スワイプでページを切り替えることなく、開いているアプリの横にすべてが並びます。詳しい設定方法は「iPhoneでiOS 11のコントロールセンターをカスタマイズする方法」の記事(Corbin氏執筆)をご覧ください。
お気に入りのアプリをすべてドックに収めてしまえば、ホーム画面に戻る必要はほぼ皆無。日常的に使うアプリは、いつでもそこにあるのです。
iPhoneとiPad両方に共通する新機能
続いて、iPhoneとiPadの両方に適用される変更点を見ていきましょう。
ドラッグ&ドロップ
iOS 11の目玉機能のひとつが、新搭載のドラッグ&ドロップです。iOSユーザーなら誰もが長年待ち望んでいた機能でしょう。すべてをコピー&ペーストするのは、正直なところ面倒(しゃれです)でしたから。
純正アプリをはじめ、対応したサードパーティ製アプリでも、シンプルなドラッグ&ドロップが使えるようになりました。下のスクリーン録画(もちろんこの新機能で録画したもの)をご覧ください。

画面収録
画面収録も多くのユーザーが熱望していた機能です。ただし現時点ではまだ不安定で、フリーズせずに録画できるまで何度か試す必要がありました。もうひとつの問題は、開始も編集もコントロールセンターからしか行えない点です。つまり、コントロールセンターが録画映像に写り込んでしまうのです。
スクリーンショット
スクリーンショットの撮影プロセスにも、素晴らしい新機能が加わりました。撮影した画像はすぐに写真アプリへ保存されるのではなく、画面左下に数分間サムネイルとして表示され、その後写真アプリに格納されます。このサムネイルをタップすれば、サイズ調整やマークアップ編集を行い、写真アプリに保存するか、デバイスから削除するかを選べます。スクリーンショットを多用する私にとっては、本当にありがたい機能です。
マークアップは写真アプリの編集メニューからも利用できます。編集画面の右側にある三点リーダー(...)をタップしてください。
ファイル(FILES)

新しいファイル管理システムも登場しました。その名もずばり「ファイル」です。
iCloudに保存したファイルは自動的にこのアプリへ格納されます。さらに、Google Drive、Dropbox、Boxなど他社クラウドストレージとの連携も組み込まれています。
しかし、ベータ版の時点ではまだ正常に動作していません。サードパーティ製アプリ側の対応が完了しておらず、正式リリースまでに改善される見込みです。厄介なことに、設定項目にはすでにこれらのサービスが表示されているのですが。
具体的には、Dropboxに保存したファイルをこのアプリ内で閲覧することはできても、他のアプリからファイルを追加・開こうとするとiCloudしか選択肢に現れません。さらにiCloudへのファイル追加も現状不可能で、共有を試みるとアプリごと固まってしまう始末です。
Siri

Siriにも嬉しい新機能が加わりました。他の音声アシスタントと同様に、タイプ入力が可能になったのです。音声を正しく認識してもらえない場面で非常に役立ちます。実際、私が「Make tech easier」と話したのに「Make take easier」と聞き間違えられたことがありましたが、Siri自身が修正候補を提示してくれました。
メッセージ(MESSAGES)

以前はテキストメッセージと連携させるために、アプリやアイテムをMessagesへ追加する手間がありましたが、今は対応アプリがすべて最初から揃っています。Messages対応アプリが端末にインストールされていれば、メッセージ入力欄の下に一列に表示されます。タップすれば、送信できるコンテンツが呼び出せます。たとえばEvernoteをタップすると、最近作成したノートの一覧が表示されました。他の新機能と同様、こちらもサードパーティアプリ側の対応を待つ段階です。
App Store

App Storeも全面刷新されました。提供アプリが雑誌風のブログのように魅力的に整理されており、しかもコンテンツは毎日入れ替わります。「何日もチェックしても同じアプリばかり」という時代は終わりです。毎日新しい発見がある楽しさが戻ってきました。
まとめ
お分かりの通り、変更点は実に豊富で、そのすべてがiPadをより良いものにするだけでなく、iPhoneとも明確に差別化されています。もちろんiPhone自体も新OSによって改良されています。今後のOS展開でどちらへ向かうのかは注目に値しますが、iPad Proとの組み合わせを見る限り、Appleはタブレット体験をよりノートPCライクなものへ進化させようとしているのは間違いありません。
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