AirPods Proの音質を劇的に改善する9つの方法【低音不足・ノイズキャンセリング対策】
Appleの「AirPods Pro」は発売以来高い評価を得ているワイヤレスイヤホンです。同価格帯の他社製品と比べても引けを取らない、という声が大多数を占めています。しかし一方で、「低音が物足りない」「ノイズキャンセリングが弱い」「全体的に音質が今ひとつ」といった不満を抱くユーザーも少なくありません。
そこで本記事では、AirPods Proの音質を改善し、本来の性能を最大限に引き出すための方法を詳しく解説します。低音の強化、イコライザー(EQ)の編集、ノイズキャンセリングの最適化など、実践的なテクニックをご紹介します。
さらに嬉しいことに、ここで紹介するテクニックの一部は通常モデルのAirPodsにも応用できます。
1. ファームウェアを最新版にアップデートする
AirPods Proの音質改善で最初に試したいのが、ファームウェアのアップデートです。Appleは音質向上を目的としたファームウェア更新を随時リリースしています。ただし、AirPodsは自動でアップデートされる仕様のため、更新されたことに気づかないケースも多いでしょう。
確実に更新するには、以下の手順を踏みます。
- AirPods Proを充電ケースに収納します。
- ケースをケーブルまたはワイヤレス充電器で充電します。
- iPhoneがインターネットに接続されていることを確認します。
- AirPods ProをiPhoneの近くに置き、接続状態を保ちます。
これらの条件が整うと自動的にアップデートが始まり、完了すれば音質の改善が期待できます。
2. アクティブノイズキャンセリング(ANC)をオフにする
意外に思われるかもしれませんが、AirPods Proの音質を大きく左右する要因の一つが、アクティブノイズキャンセリング(ANC)です。ここで重要なのは、外の音を拾う「外部音取り込み(トランスペアレント)モード」に切り替えるのではなく、音声処理自体を完全にオフにするということです。
ノイズキャンセリングは音質向上に役立ちそうですが、実際は裏側で行われる高度な信号処理の影響で、低音域が削られてしまうことがあります。
その理由の一つが、AirPods Pro内蔵の「Adaptive EQ」という技術です。これは1秒間に200回という頻度でイコライザーを自動調整し、最適なノイズキャンセリングを実現しています。しかし、こうした細かい調整の積み重ねにより、移動中に聴いていると高音域に「うねり」や「揺らぎ」のような違和感が生じることがあるのです。
対策はシンプルで、必要がない場面ではANCと外部音取り込みモードを無効にすることです。
ANCをオフにする手順
- iPhoneの右上から下にスワイプしてコントロールセンターを開きます(ホームボタン搭載機種なら画面下部から上にスワイプ)。
- AirPods Proのアイコンが表示されている音量バーを長押しします。
- ノイズコントロールをタップし、中央の「オフ」を選択します。
イヤホン本体の操作で切り替える場合
AirPods Proのステム(柄)部分にあるフォースセンサーを長押ししてモードを切り替えることも可能ですが、事前に「オフ」を選択肢として登録しておく必要があります。
- iPhoneで設定 > Bluetoothを開きます。
- AirPods Proの横にある「i」マークをタップします。
- 「押し続ける操作」欄で「左」をタップし、「オフ」オプションを有効にします。「右」についても同じ操作を繰り返します。
ANCによる音への干渉がなくなれば、低音がしっかりと増強され、よりパンチがあり、バランスの取れたナチュラルなサウンドを楽しめるようになります。
3. イヤーチップフィットテストを実施する
それでも音に違和感がある場合は、付属のイヤーチップが耳に十分密着していない可能性があります。幸い、自分に合ったサイズ(S/M/L)を簡単に見つけられる機能が用意されています。
Apple純正の「イヤーチップフィットテスト」は、ソフトウェアベースで動作し、どのサイズのイヤーチップが最も音漏れや外音の侵入を防げるかを判定してくれます。
テストの手順
- AirPods ProをiPhoneに接続します。
- 設定を開き、Bluetoothを選択します。
- AirPods Proの横の「i」マークをタップします。
- 下にスクロールして「イヤーチップフィットテスト」をタップし、画面の指示に従います。
- 密閉性が不十分と表示された場合は、別のサイズに交換して再テストします。左右で異なるサイズが適合する場合もあります。
テスト中は音楽が流れますが、これは密閉状態をチェックするためのものです。テストを終えれば、自分に最適なイヤーチップサイズが明確になるはずです。
4. ヘッドホンアクセシビリティでEQをカスタマイズする
耳の形や聴力、音楽の好みは人それぞれ異なります。他人にとって心地よい音が、自分には響きすぎたり込もりすぎたりすることもあるでしょう。そんな悩みに応えるのが、Appleが提供する「ヘッドホンアクセシビリティ」機能です。
この設定は聴力に不安がある方にとって特に有用ですが、低音・高音・中音域のバランスを自分の聴覚に合わせて調整したいすべてのユーザーに役立ちます。さらに、聴力テストを受けてEQを完璧に最適化することも可能です。
iPhoneでEQを編集する手順
- 設定 > アクセシビリティを開きます。
- 下にスクロールして「オーディオ/ビジュアル」をタップします。
- 「ヘッドホンアクセシビリティ」をタップし、画面上部のスイッチをオンにします。
- 3つのプリセットから選択します:「バランス」、「ボーカルレンジ」、「ブライトネス」。
- より精密に調整したい場合は、「カスタムオーディオセットアップ」をタップして短い聴力テストを受けましょう。テスト完了後、EQオプションから「オーディオグラム」を選択します。
Apple純正の聴力テストで判断に迷う場合は、無料アプリ「Mimi Hearing Test」を利用すると、より詳細な聴力測定が行えます。結果をヘルスケアアプリと連携させれば、ヘッドホンアクセシビリティ設定からそのデータを読み込み、自分専用に最適化されたEQを実現できます。
5. 空間オーディオを無効化または調整する
Appleの「空間オーディオ」は、上下左右前後あらゆる方向から音が届くような没入感を作り出す機能です。ストリーミングサービスではDolby Atmosミックスが活用され、通常のステレオ音源でも「立体化ステレオ」機能で同じ3D効果を演出できます。
しかし、残念ながらすべての楽曲が空間オーディオで良くなるわけではありません。曲によっては音が遠ざかったり、迫力が失われたり、こもりがちになったりすることがあります。
また、「ダイナミックヘッドトラッキング」機能は、頭を動かすと音の位置が追従し、常にデバイスの画面方向から音が聞こえているように感じさせます。映画鑑賞には優れた機能ですが、音楽鑑賞には不向きです。特にスマホをポケットに入れて歩いている際に首を振ると、音の定位が不自然に動いてしまいます。
そのため、空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングの両方をオフにして、音の変化を試してみる価値は十分にあります。
空間オーディオを無効にする手順
- コントロールセンターを開きます(iPhoneの右上から下にスワイプ、またはホームボタン機種なら画面下部から上にスワイプ)。
- AirPods Proのアイコンが表示されている音量バーを長押しします。
- 右下に現れる「空間オーディオ」または「立体化ステレオ」ボタンをタップして切り替えます。
ダイナミックヘッドトラッキングを無効にする手順
- iPhoneで設定 > アクセシビリティを開きます。
- 下にスクロールして「AirPods」をタップし、一番下まで進むと「空間オーディオヘッドトラッキング」の項目があります。
- 「オフ」を選べばすべてのコンテンツで無効化されます。動画だけ有効にしたい場合は「ビデオのみ」を選びましょう。
6. 音楽アプリ側のイコライザーを調整する
利用している音楽ストリーミングサービスによっては、アプリ内のイコライザー設定を変更するだけで、AirPods Proの音質を大幅に改善できます。ここでは人気の二大サービス、SpotifyとApple Musicでの設定方法を紹介します。
SpotifyでEQを変更する
- Spotifyアプリを開きます。
- ホームタブから設定アイコンをタップします。
- 「再生」>「イコライザー」を選択します。
- 各プリセットを試聴して好みの音を探しましょう。AirPods Proユーザーの多くは「Bass Booster(バスブースター)」を推奨しています。
- プリセットに満足できない場合は、画面上部のスライダーをドラッグして手動で微調整することも可能です。
Apple MusicでEQを変更する
- iPhoneの設定アプリを開きます。
- 下にスクロールして「ミュージック」を選択します。
- 一覧から「イコライザー」を選びます。
- 希望のEQ設定を選択します。例えば低音が弱いままだと感じる場合は、「低音ブースト」を選びましょう。
これらの設定を行えば、低音の補強をはじめ、自分の耳と好みに合った音作りが実現できるはずです。
7. ストリーミングの音質設定を引き上げる
ご存じでしたか? 実は音楽ストリーミングアプリの初期設定のままでは、最高音質で聴けていない可能性があります。サービスごとの設定変更は簡単なので、ぜひ確認してみてください。
ここでは最も利用者の多いSpotifyとApple Musicの手順を解説します。なお、TidalやAmazon Music HDのように、オーディオファイル向けにハイレゾ級の音源を提供するサービスもありますので、音質にこだわる方は検討してみるとよいでしょう。
Spotify Premiumで音質を上げる
- Spotifyを開き、設定アイコンをタップします。
- 「音楽の品質」を選択します。
- 「高」または「非常に高い」を選びます。
Apple Musicで音質を上げる
- 設定 > ミュージックを開きます。
- 「オーディオ」欄の「オーディオの質」をタップします。
- 「モバイルデータ通信でのストリーミング」で「高品質」を選択します。なお、ロスレスオーディオも有効化できますが、AirPods Proは対応していないため、音質には影響しません。
設定変更後は、音楽が格段にクリアに聞こえるようになるはずです。ただし注意点として、音質を上げるとデータ消費量も増加します。96kbps(標準)に対して、160kbps(高品質)や320kbps(非常に高い)ではデータ使用量が大きく異なります。通信量を抑えたい場合は、Wi-Fi接続時のみ高音質設定に切り替えるのが賢い選択です。
8. AirPodsをしっかり充電する
当たり前のことに思えますが、長時間聴き続けた後にバッテリー残量が低下していることを見落としがちです。オーディオ機器は電池残量が少なくなると音が劣化する傾向があります。音質に違和感を覚えたら、まず充電状況を確認しましょう。
ちなみに、ワイヤレス充電中のバッテリー残量は、AirPods Proのケースを指で軽くタップすると確認できます。ライトがオレンジ色なら充電中、グリーンなら満充電の合図です。
バッテリーウィジェットで残量を常時チェック
今後はホーム画面にバッテリーウィジェットを追加しておくと、残量管理がぐっと楽になります。
- ホーム画面の空白部分を長押しします。
- 左上の追加(+)ボタンをタップします。
- ウィジェット一覧をスクロールし、「バッテリー」を選択します。
- 好きなサイズを選び、「ウィジェットを追加」をタップしてホーム画面に配置します。
- AirPods Proを使用中であれば、ウィジェットを見るだけで残量を確認できます。
これでバッテリー切れによる音質低下を未然に防ぎ、いつでもベストなサウンドを楽しめるようになります。
9. メモリーフォーム製イヤーチップに交換する
Apple純正のシリコーン製イヤーチップでも十分快適ですが、より高い密閉性や低音の改善を目指すなら、メモリーフォーム製イヤーチップへの交換がおすすめです。
メモリーフォームはマットレスなどにも使われる素材で、柔らかく弾力があり、耳の形状に馴染んだ後はその形を記憶して最高の装着感を提供します。AirPods Pro対応のメモリーフォームイヤーチップは多数販売されていますが、その中でもLICHIFIT製の製品が評判です。
フォーム製イヤーチップへの交換だけで、AirPods Proの物足りなかった音が見違えるほど改善するかもしれません。
まとめ:AirPods Proのポテンシャルを最大限に引き出そう
以上の方法を実践すれば、低音の強化をはじめ、AirPods Proの音質を大きく改善できるはずです。せっかく高額な投資をして購入したイヤホンなのだから、その価値を存分に味わいたいものですね。
音質以外にも、快適な使い心地を実現する工夫はたくさんあります。AirPods Proを購入したばかりの方は、ぜひ便利な活用術もあわせてチェックしてみてください。
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