Apple IDを安全に削除・非アクティブ化する方法【事前準備の手順を完全解説】
以前、Apple IDを削除するには、Appleサポートの担当者に削除申請の正当性を説明し、納得してもらう必要がありました。しかし今は状況が変わっています。
Appleは現在、専用の「データとプライバシー」ポータルを提供しており、Appleに保存されたデータの編集・ダウンロードはもちろん、Apple IDの無効化や削除も自分だけで完結できるようになりました。
本記事では、このツールの使い方と、Apple IDの削除を進める前に必ず行っておきたい準備作業について詳しく解説します。
Apple IDを削除すべき理由を見極める
プライバシーへの懸念や、別のデジタルエコシステムへの移行などを理由に、Apple IDの使用を完全にやめたいのであれば、削除するのは理にかなった選択です。ただし、削除は取り返しのつかない操作である点に注意が必要です。後から後悔しても、Apple自身でさえアカウントやデータを復元することはできません。
そのため、将来的にAppleのサービスに戻る可能性があるなら、完全に削除するのではなく、アカウントを一時的に非アクティブ化しておくことをおすすめします。
また、トラブル対策として削除を考えている方もいるでしょう。たとえば、Apple IDのパスワードを忘れてしまった、iCloudの不具合が頻発している、あるいは新しいメールアドレスに紐付けし直したいといったケースです。
こうした目的であれば、削除という極端な手段に頼る必要はありません。Apple IDのパスワードは簡単にリセットできますし、iCloudの問題にも対処法があります。Apple IDに関連付けるメールアドレスを変更することも可能です。アカウントのトラブルについては、Apple IDのFAQを参考にしてみてください。
削除によって失うデータとサービスを確認する
Apple IDがなくてもMacやiPhoneを使い続けられるのでしょうか?答えは「イエス」ですが、大幅に制限されます。ほとんどのAppleサービスへのアクセス権と、膨大な量のApple関連データを失うことになります。
Apple IDを削除すると何を手放すことになるのか、正しく理解し、事前に確認することが非常に重要です。ここを見落とすと、後になって痛い目を見る可能性があります。
まず、以下のようなものへのアクセスを失います。
- App Store、iTunes Store、iBooks Storeでの購入履歴
- iCloud上のデータ(Apple製アプリだけでなく、サードパーティ製アプリが保存したデータも含む)
- Apple Pay、App Store、iTunes Store、iCloudなどの各種サービス
- iMessageとFaceTime(ただし、iPhoneでは電話番号による利用は継続可能)
さらに、Apple MusicやApple Newsのサブスクリプションも失われます。アプリ内課金の定期購読や新聞・雑誌の購読がApple IDに紐付いている場合も同様です。有効なサブスクリプションは、請求サイクルの終了時にキャンセルされます。
Apple IDは、Appleの世界に入るための鍵です。エコシステムに深く浸透していればいるほど、「もし削除したらどうなる?」というシナリオは無数に浮かんでくるはずです。すべてをここで網羅することはできないため、細かい疑問はApple公式のアカウント削除サポートページで確認することをおすすめします。
最初のステップ:バックアップ、機能の無効化、サインアウト
Apple IDを手放す前に、取得できるデータはすべてコピーしておきましょう。対象にはiCloudのコンテンツやDRMフリーの購入コンテンツが含まれます。加えて、購入レシートなどの重要なApple関連書類も保存しておくと安心です。
次に、紛失したAppleデバイスを追跡したり、遠隔からロック・消去したりできる「iPhoneを探す/Macを探す」機能を無効化します。Apple IDを削除する前に、この手順が必須となります。
macOSの場合:「システム環境設定 > iCloud」を開き、「Macを探す」のチェックボックスをオフにします。
iOSの場合:「設定 > [自分の名前] > iCloud > iPhoneを探す」をタップし、「iPhoneを探す」のスライダーをオフにします。
続いて、Macの認証を解除します。iTunesアプリから「アカウント > 認証 > このコンピュータの認証を解除」をクリックしてください。なお、認証解除はMacを売却する場合や修理に出す場合などにも重要な作業です。
また、Apple IDを削除する前に、すべてのアプリとデバイスからiCloudをサインアウトしておくことも欠かせません。この手順を省略すると、今後それらを利用する際に支障が出る恐れがあります。
macOSの場合:「システム環境設定 > iCloud」を開き、サイドバー下部の「サインアウト」ボタンをクリックします。
iOSの場合:「設定 > [自分の名前]」を開き、表示されるApple ID画面の最下部にある「サインアウト」をタップします。
いずれの場合も、iCloudデータのコピーをデバイス内に残すかどうかを選択できます。
ブラウザでAppleアカウントにサインインしていた場合も、忘れずにサインアウトし、念のためCookieも削除しておきましょう。
最後のステップは、Apple IDに関連付けられたデバイスの登録解除です。appleid.apple.comのApple IDページにログインしてください。
次に「デバイス」セクションで該当するデバイスをクリックし、「削除」ボタンを押して、そのデバイスをApple IDから切り離します。この作業は、登録済みのすべてのデバイスに対して行う必要があります。
Apple IDを完全に削除する手順
削除の決心がついたら、いよいよ削除ツールにアクセスします。Mac、PC、iPadのいずれかのブラウザから、privacy.apple.com を開いてください。
Apple IDでポータルにログインすると、「データを管理」セクションが表示されます。ここから以下の操作を選択できます。
- データを修正:誤っている個人情報を更新します。
- アカウントを削除:Apple IDを完全に削除します。
- アカウントを無効化:アカウントを一時的に無効にします。
地域によっては「アカウントを無効化」のオプションが表示されないこともありますが、Appleは順次、全世界で利用できるように拡大していく予定です。
「アカウントを削除」の下にある「開始する」リンクをクリックして、手続きを進めましょう。
Appleから、削除に伴って起こる主な変化や、事前に講じておくべき重要な対策のリストが表示されます。内容をすべてよく読んだうえで、ページ下部の「理由を選択」ドロップダウンメニューから、Apple IDを削除する理由を選びます。「続ける」ボタンを押して次のステップへ進みましょう。
この画面で、Apple IDとともに失うものを改めて確認できます。その後、「削除の規約と条件」ページが表示されます。
規約を確認して先へ進むと、連絡先情報の入力を求められます。アカウントの状態に関するAppleからの通知を受け取りたい、メールアドレスまたは電話番号を選択してください。
Appleから発行される固有のアクセスコードを必ず保存しよう!
この時点で、Appleから固有のアクセスコードが発行されます。これは、削除申請をキャンセルしたくなった場合に役立つ重要なコードです。Appleサポートに問い合わせる際、このコードによって本人確認がスムーズに行えます。
アクセスコードは必ず書き留めるか、安全な場所に保管してください。アクセスコードの画面を通過すると、「アカウントを削除」ボタンが現れます。これをクリックして削除申請を確定すれば、あとはApple側で処理が行われます。
アカウントの削除完了までには最大7日ほどかかることがあり、その間もアカウントはアクティブなまま維持されます。
なお、アカウントの無効化手順は削除手順とほぼ同じです。無効化を開始するには、privacy.apple.com でApple IDを使ってログインし、「アカウントを管理」ページの「アカウントを無効化」の下にある「開始する」を選択してください。
Apple IDとの別れに向けて準備はできていますか?
「データとプライバシー」ポータルは、もともとEUのGDPRへの対応として始まった仕組みですが、EU圏だけの機能ではありません。Appleはこのポータルを世界中で利用できるようにし、どこでも同じ削除体験が得られるようにしました。
Appleに愛想を尽かした方は、今や誰でも短時間で自力に削除手続きを開始できます。ただし、忘れてはならないのは、事前の準備作業です。データのバックアップから各種サインアウトまで、しっかり済ませておきましょう。
画像クレジット:kunertus/Depositphotos
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Apple IDを完全に削除する方法|事前準備から各デバイスの手順まで徹底解説
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