Linux で PDF フォームを編集する方法 ― LibreOffice Draw を活用
「必要は発明の母」と言われます。実際、数日前、私はちょっと変わったユースケースに遭遇し、問題の解決策を探し回ることになりました。やりたかったのは、PDFフォームに必要な情報を記入すること。ただし、文書を印刷して手書きするのは避けたいところです。ところが、そのファイルにはインタラクティブなフィールドがなく、Okular(KDE Plasma の PDF リーダー)にも、文書へテキストを挿入できる機能は注釈程度しか備わっていませんでした。
いろいろと試行錯誤してみたものの、簡単な解決策は見つかりません。そこで、LibreOffice を改めて詳しく調べてみることにしました。PDF ファイルを作成できるだけでなく開くこともできるのだから、もしかしたらこれが正解かもしれません。結果は――まさにその通り!LibreOffice Draw を使えば、インタラクティブなフィールドを持たない PDF 文書やフォームでも、必要な変更を加えることができます。以下でその手順をご紹介しましょう。
LibreOffice が救世主に
誰かから渡された PDF ファイルに、いくつかの情報を記入してほしいと頼まれた場面を想像してください。表はあるのに文書はクリックできず、お気に入りの Linux 用 PDF ツールには、任意の場所にカーソルを置いてテキストを入力する機能がありません。では、この PDF ファイルを LibreOffice で開くとどうなるでしょうか?

Okular(および他の多くの PDF リーダー)では、このファイルを快適に編集する手段がありません。
実は、ファイルは LibreOffice Draw で開きます。Draw は実用面で言えば、GIMP・Impress・Microsoft Visio を足して割ったようなツールで、図解やフローチャートなどを作成できます。文書を開いたら、あとは自由自在に編集可能です。まず必要なのはテキストボックスの挿入。これが最初のステップです。


要するに、ファイルにテキストレイヤーを追加しているわけです。テキストボックスは好きな位置に配置でき、サイズ変更やフォントサイズの調整なども思いのまま。操作は何度でも繰り返せますし、テキストボックスを複製すれば作業時間も節約できます。必要な変更をどんどん加えていきましょう。


さらに嬉しいことに、LibreOffice Draw では既存のテキストに直接カーソルを置いて編集することも可能です(PDF ファイルが DRM などの形で保護されていない場合)。つまり、これは単に PDF 文書を画像の下層として扱うグラフィックエディターではなく、PDF の内容そのものと対話できるツールなのです。ここが最大の魅力と言えるでしょう。
PDF への書き出し
編集が完了したら、文書を PDF ファイルとして書き出します。すると、元の文書と追加したすべてのテキストレイヤーが、1 枚の文書へきれいに統合されます。これで作業完了。印刷して手書きし、スキャンするといった面倒な工程は一切不要です。


まとめ
この機能にはかなり満足しています。思いがけない小さなボーナスであり、最近の LibreOffice に対する多少の失望をいくらか挽回してくれる存在です。このスイートには、他ではあまり見かけない興味深い機能が数多く搭載されています。ただ惜しいのは、多くのユーザーが本当に求める基本的な部分の完成度が今ひとつだという点です。大多数の人にとって、PDF ファイルより Microsoft 文書や画像の配置の方が気になるでしょうから。
とはいえ、たまにフォームへの記入が必要になり、「1994 年スタイル」の印刷&手書きは避けたいという方にとって、LibreOffice Draw は非常にエレガントな解決策を提供してくれます。大掛かりで高価な PDF 作成ツールは不要ですし、インストールが必要なのも LibreOffice だけ。PDF ファイルを編集可能なキャンバスとして扱い、既存テキストの修正も、注釈や図形の新規レイヤー追加も自由に行い、あとは好みの形式で書き出して活用できます。実に便利な機能です。この小さなチュートリアルが皆さんのお役に立てば幸いです。それではまた。
それでは、良い Linux ライフを!
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