PowerCLIでVMFSデータストアの空き容量とオーバーコミットを一括確認する方法
本記事では、VMware vSphereのデータストアの空き容量を手軽にチェックできるPowerCLIスクリプトを紹介します。このスクリプトは、シンプロビジョニング(可変サイズで動的に拡張される)の仮想ディスク合計サイズがデータストアの総容量を超えている「オーバーコミット」状態のデータストアを検出することもできます。インフラ内に複数のVMwareデータストアが存在する場合でも、このPowerShellスクリプトを活用すれば、空き容量の監視やストレージオーバーコミット(全VMのシンディスクに必要な容量がVMFSデータストアの利用可能容量を上回る状態)の検出が容易になります。VMを作成する前の使用容量の増加傾向の分析や、シンプロビジョニングのオーバーコミットが発生しているデータストアの特定など、さまざまな用途に役立てられます。
推奨される空き容量の目安
vSphere環境を正しく安定して稼働させるためには、VMware VMFSデータストアに少なくとも5〜10%の空き容量を確保しておくことが推奨されます。さらに、スナップショット(バックアップシステムが自動作成するものを含む)を利用している場合は、10〜15%以上の空き容量が必要です。
データストアの空き容量を確認するPowerShellスクリプト
以下のPowerShellスクリプトを使用すると、VMwareデータストアの空き容量を確認・表示できます(PowerCLIモジュールがすでにインストールされていることを前提としています)。
# PowerShellセッションにPowerCLIモジュールをインポート
Import-Module VMware.VimAutomation.Core -ErrorAction SilentlyContinue
# vCenterホストに接続
Connect-VIServer mun-vcsa1 -User admin
# vCenterのデータストア一覧を取得
$datastores = Get-Datastore
$ErrorActionPreference = 'SilentlyContinue'
# 利用可能なすべてのデータストアをループ処理
ForEach ($datastore in $datastores)
{
# データストア内の全シンディスクのコミット済み容量を算出(全vmdkファイルが設定値まで拡張した場合に必要となる容量)
$Provision = ([Math]::Round(($datastore.ExtensionData.Summary.Capacity - $datastore.ExtensionData.Summary.FreeSpace + $datastore.ExtensionData.Summary.Uncommitted)/1GB,0))
# データストアの空き容量の割合
$PerFree = ([math]::Round(($datastore.FreeSpaceGB)/($datastore.CapacityGB)*100,2))
# シンディスクのオーバーコミット率
$PerOvercommit = ([math]::Round($Provision/($datastore.CapacityGB)*100,2))
# データストアオブジェクトに追加プロパティを付与
$datastore | Add-Member -type NoteProperty -name PercentsFree -value $PerFree
$datastore | Add-Member -type NoteProperty -name CapacityGb_r -value ([Math]::Round(($datastore.ExtensionData.Summary.Capacity)/1GB,0))
$datastore | Add-Member -type NoteProperty -name FreeSpaceGb_r -value ([Math]::Round(($datastore.ExtensionData.Summary.FreeSpace)/1GB,0))
$datastore | Add-Member -type NoteProperty -name ProvisionedSpaceGb -value $Provision
$datastore | Add-Member -type NoteProperty -name PercentsOvercommit -value $PerOvercommit
}
# 結果を表示し、CSVファイルに出力
$datastores|select-object Name, Type, Datacenter,CapacityGb_r,FreeSpaceGb_r,PercentsFree,ProvisionedSpaceGb,PercentsOvercommit|sort PercentsFree| Export-Csv C:\Reports\VMWareVMFSDatastores.csv -NoTypeInformation

vCenter接続時のエラー対処法
Connect-VIServerコマンドレットでvCenterに接続しようとした際、次のようなエラーが表示されることがあります。
Could not resolve the requested VC server.Additional Information: There was no endpoint listening at https://mun-vcsa1/sdk that could accept the message. This is often caused by an incorrect address or SOAP action. See InnerException, if present, for more details
このエラーが発生する場合、PowerCLIがプロキシ経由でVCSAに接続しようとしている可能性があります。PowerCLIConfigurationを実行してUseSystemProxyの設定値を確認してください。システムプロキシが有効になっている場合は、以下のコマンドでPowerCLI向けのシステムプロキシを無効化できます。
Set-PowerCliConfiguration -proxypolicy noproxy
実行結果の見方
実行例を見ると、先頭の5つのVMFSデータストアの空き容量が5%未満しか残っていないことがわかります(緑色の枠)。また、一部のデータストアではストレージオーバーコミットが発生しています。これは、データストア内の全シン仮想ディスクの合計サイズがデータストア自体の容量を超えている状態です。VMの仮想ディスクが設定された最大サイズまで拡張していくと、VMFS/NFS/VVOLストレージの空き容量が枯渇するおそれがあります。シックディスクを使用している稼働中のVMは通常どおり動作し続けますが、VSWAPファイルを作成するスペースが確保できないため、新しいVMを起動できなくなる点に注意してください。コミット済み容量がLUN全体のサイズを超えているデータストアは、結果の中で黄色く強調表示されます。

このPowerShellスクリプトを活用すれば、空き容量が不足しているVMwareデータストアを素早く特定できます。問題のあるデータストアが見つかったら、Storage vMotionを使用してVMを他のデータストアへ移行しましょう。
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