CCleanerはもうWindows PCに安全ではない?今すぐ見直すべき6つの理由
パソコンに詳しい技術者や友人・家族に「ウイルスやマルウェアからPCを守るにはどうすればいい?」と相談すると、大抵の場合、いくつかのアプリをインストールしておくべきだと勧められます。
その定番として挙げられるのが、ウイルス対策ソフトやマルウェア対策アプリ(デスクトップ用・ブラウザ用)。そして必ずと言っていいほど登場するのが「CCleaner」です。
CCleanerは長年にわたりWindows PCの保護・最適化ツールとして親しまれてきました。誕生した当時のWindowsには、現在のようなセキュリティ機能やメンテナンス機能がほとんど組み込まれておらず、CCleanerはその「隙間」を埋める存在でした。
しかし今日、その隙間はすでにありません。むしろ今CCleanerをインストールすると、PCのためどころか、害のほうが大きくなりかねません。
1. ブラウザ履歴・Cookieの削除機能は不要に
CCleanerが最大の売りの一つにしているのが、ブラウザの検索履歴やCookieを消去することで「プライバシーを保護する」という機能です。
しかし現実には、多くのユーザーはPCでメインのブラウザを1つしか使わず、近年のブラウザ本体には、Cookieや閲覧履歴を自動的にクリーンアップするプライバシー機能がすでに搭載されています。
たとえばGoogle Chromeなら、次の手順でこの動作を簡単に自動化できます。
- 右上のメニュー(⋮)から設定を開きます。
- 画面下部の詳細設定をクリックします。
- プライバシーとセキュリティ内のコンテンツの設定を開きます。
- Cookieをクリックします。
- 「ブラウザを終了するまでローカルデータのみ保持する」を有効にします。
- 「終了時にクリア」の横にある追加をクリックします。
- [*.]com と入力して追加します。
この2つの設定により、ブラウザを閉じるたびに、閲覧に関連するローカルデータやCookieが自動的に削除されるようになります。
さらにChromeでは、悪質な広告への対策も可能です。コンテンツの設定画面に戻り、広告の項目で、スイッチが「侵入的な広告または誤解を招く広告を表示するサイトでブロックする(推奨)」になっており、許可になっていないことを確認しましょう。
こうした設定は現在の主要なブラウザのほぼすべてに備わっており、CCleanerのようにサードパーティ製アプリがブラウザのファイルに干渉して変更を加える必要性は、まったくなくなっています。
2. レジストリクリーナーは危険ですらある
CCleanerはまた、PC上で未使用となっている以下の項目をレジストリから削除できると謳っています。
- ファイル拡張子
- ActiveXコントロール
- クラスID(CLSID)とProgID
- アンインストーラー情報
- 共有DLL
- アイコンとアプリケーションのパス情報
レジストリクリーナーが流行したのは、ディスク容量が非常に限られ、わずかな空き容量さえ貴重だった時代の話です。
しかし現実には、アプリのアンインストールなどでレジストリに残るゴミデータが占める容量はごくわずかです。レジストリに保存されるのは画像や動画ではなく、単なるテキストデータにすぎません。
さらに重要なのは、Microsoft自身がレジストリクリーナーの使用を一度も推奨したことがなく、独自のクリーナーを開発してもいないという点です。レジストリキーを1つでも誤って削除すれば、Windows OS全体が破損する恐れがあるためです。
実際、CCleanerのレジストリクリーナーを実行した結果、Windowsに不具合が発生したという体験談も少なからず報告されています。
手作業でのレジストリ編集が危険だと分かっているのに、なぜサードパーティ製アプリに「どのキーが不要か」を推測させて任せるのでしょうか。しかも、レジストリクリーナーがWindowsを高速化するという明確な証拠も存在しません。
加えて、Windows 10は過去のどのバージョンよりもレジストリ管理に優れています。もはやレジストリエディタ系アプリを使う理由はないといえるでしょう。
3. スタートアップの無効化はWindows標準機能で十分
CCleanerのもう一つの売りが、起動時に読み込まれるアプリの数を減らしてPCの起動を速くする機能です。起動時に実行されるよう設定された全プログラムを一覧表示し、それらを無効化・削除するツールを提供しています。
しかし実際のところ、これはWindows 10がすでに持っている機能の複製にすぎません。起動時に立ち上がるプログラムは、標準機能で簡単に確認・管理できます。
- スタートメニューを開き、「スタートアップ タスク」(startup tasks)と入力します。
- システム設定のスタートアップ アプリをクリックします。
- この画面で、PC起動時に実行する各プログラムの有効/無効を切り替えられます。
ご覧のとおり、Windows 10に組み込み済みのこのツールから、起動したくないアプリをオフにするだけで済みます。何かを追加インストールする必要はまったくありません。
皮肉なことに、上の画像を見ると分かるように、CCleanerをインストールすると、CCleaner自身が「起動時に立ち上がるアプリのひとつ」として登録されてしまい、結果的にPCの起動をさらに遅くしてしまうのです。
4. 「ジャンクファイル」の削除もStorage Senseで自動化できる
CCleanerが得意とするもう一つの作業が、システム内の「ジャンクファイル(不要ファイル)」の削除です。「不要なファイルを定期的に空にすればPCが速くなる」というのがその主張です。
しかしここには2つの誤りがあります。第一に、ファイルを削除してもPCが速くなるとは限らないという点。ハードディスクの使用容量は減っても、動作速度が向上するとは限りません。第二に、そのためだけにCCleanerが必要だという点です。
Microsoftは、Windows 10の秋クリエーターズアップデート(バージョン1709)でストレージセンサー(Storage Sense)という新機能を導入しました。これにより、ダウンロードフォルダ・一時ファイル・ごみ箱の中で30日間変更されていないファイルを自動的に削除できます。
有効にする手順は以下のとおりです。
- スタートメニューから「設定」を開きます。
- システムをクリックし、左側のナビゲーションでストレージを選択します。
- ストレージセンサーをオンにします。
これで、一時ファイルやごみ箱が常に整理された状態に保たれます。
動作を細かく調整したい場合は、「自動的に空き領域を増やす方法を変更する」というリンクをクリックしてください。
そこでは、Windowsがこれらの領域を掃除する頻度や、変更されていないファイルをどれくらいの期間残しておくかなどを詳細に設定できます。
これもまた、Windows 10の標準機能によってCCleanerが時代遅れになった好例だといえます。
5. 「匿名の利用状況データ」を送信している
実は、CCleanerをインストールすると、デフォルトの状態で「匿名の利用状況データ」が開発元へ送信されるよう設定されています。公式のデータに関する資料(Data Factsheet)によれば、監視されるのはCCleanerアプリ自体の使い方だけだとされています。
とはいえ、具体的にどんなデータが収集されているのかを明記した説明はなく、他の目的でWebを利用している最中にも、CCleanerが定期的にインターネットへ接続し、開発元のサーバーへデータを送信していることには変わりません。
しかもCCleanerはデフォルトでスタートアップアプリとして登録されるため、ユーザーが気づかないうちにサーバーと通信している可能性があります。
「PCの起動時間を短縮し、動作を高速化する」ことを謳うアプリでありながら、この通信がデフォルトで有効になっているのは、いかにも本末転倒です。
6. 過去にマルウェア感染事件を起こしている
CCleanerのようなソフトウェアにおいて最も重要な要素は「信頼」です。PCを清潔に保つためにアプリをダウンロードする以上、マルウェアやウイルスに汚染されていない評判のアプリであるべきです。
ところが2017年、ハッカーがCCleaner本体にマルウェアを仕込み、CCleanerをインストールしていた数百万人規模のユーザーへ配信するという事件が発生しました。
Ciscoの研究者たちがこのセキュリティ侵害をAvast(当時CCleanerを保有していた企業)のサーバーまで追跡して初めて発覚し、Avastは急ぎ、攻撃を許した脆弱性の修正に対応しました。しかし残念ながら、被害はすでに出ていたのです。
この攻撃が証明したのは、CCleanerのようなアプリをインストールすることが、ハッカーにとって新たな侵入経路を提供することになり得るという点です。同時に、CCleanerのソフトウェア自体がそうした攻撃を防ぐほど堅牢ではないことも示されました。
そして、CCleanerでできることはWindows 10の既存設定の調整だけで事実上すべて実現できるのですから、CCleanerをインストールする理由は、もはや何ひとつないといえるでしょう。
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