Apple Musicでロスレスオーディオを有効にする方法【iPhone・Android対応】
Apple Musicが競合サービスに対して大きな優位性を持つ要因のひとつが、膨大なロスレス楽曲ライブラリです。なんと、ライブラリ内のすべての楽曲(7,500万曲以上)にロスレスオーディオが用意されています。
これらの楽曲はすべて、Apple Lossless Audio Codec(ALAC)でエンコードされており、オリジナル音源の微細なディテールまで忠実に再現されます。つまり、アーティストが意図した通りのスタジオ品質のサウンドを自宅で楽しめるということです。
音楽ストリーミングが私たちの音楽聴取の事実上の標準となった今、その利便性と引き換えに音質が犠牲になっているケースは少なくありません。多くのサービスはデータ通信量を抑えるため、高音質ファイルを端末へ配信していないのが実情です。
CD音源は大量のデータを必要とします。ストリーミングサービスが登場した当時は、データ使い放題プランも一般的ではありませんでした。現在でも、ほとんどのストリーミング音声は「ロッシー(非可逆圧縮)」、つまりCDよりも低い品質でエンコードされています。
幸い、録音・マスタリング技術の向上により、ロッシー圧縮による劣化はさほど気にならないことが多いものの、楽曲によっては差が顕著になることもあります。そこで各ストリーミングサービスは「ロスレス」オーディオの提供を開始しました。録音品質は向上しますが、その分データ通信量は大幅に増加します。
Apple Musicは約1年前にロスレス音源の追加を開始し、現在では7,500万曲以上すべての楽曲にロスレス版が用意されています。ただし、デフォルトでは無効になっているため、自分で設定をオンにする必要があります。
Apple Musicの「ロスレス」オーディオとは?
デジタルオーディオは、アナログ録音を「サンプリング」と呼ばれる処理によってデジタルファイル化します。この処理は通常「ロッシー(非可逆圧縮)」で行われ、元のファイルから情報を間引いてファイルサイズを小さくしています。
ロスレスオーディオは、オリジナルのアナログ録音を可能な限り忠実に保持することを目指します。デジタル版が原音に限りなく近いサウンドになる一方で、ストレージ容量やストリーミング時のデータ使用量というコストがかかります。
一部のストリーミングサービスと異なり、Apple Musicでは追加料金なしで、すべての加入者がロスレスオーディオを利用できます。CD品質(16bit/44.1kHz)を超える高解像度ストリーミングとして、以下の2種類が提供されています。
2つのグレード:
- Lossless(ロスレス): 最大24bit/48kHzでストリーミング
- Hi-Res Lossless(ハイレゾロスレス): 最大24bit/192kHzでストリーミング
Apple Musicのカタログ全体がApple独自のコーデック「ALAC」でエンコードされており、すべての楽曲に16bit/44.1kHz(CD品質)から24bit/192kHzまでのロスレス版が存在します。
ロスレスオーディオ再生に必要なもの
iPhoneまたはiPadが最新のソフトウェアバージョンである必要があります。内蔵スピーカーのほか、ヘッドフォン・レシーバー・アクティブスピーカーへの有線接続でもロスレスを聴けます。
48kHzを超えるサンプリングレートで聴きたい場合は、外部DAC(D/Aコンバーター)が必要です。Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタも利用できますが、最大ビットレートは24bit/48kHzで、内蔵スピーカーと同じ上限となっています。
ロスレスオーディオには大きな帯域幅が必要です。Wi-Fi対応ワイヤレススピーカー、たとえばロスレスストリーミングに対応したHomePodでも再生できます。
Bluetoothでロスレスオーディオは使える?
結論から言うと「ノー」です。Bluetoothには、Apple Musicのロスレスオーディオが持つ高いビットレートを処理できる帯域幅がありません。
つまり、AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、AirPods(第3世代)、Beatsのワイヤレスヘッドフォンでは、端末側でロスレスを設定していてもロスレス音質は得られません。
実際に使われるのはApple AAC Bluetoothコーデックで、これはBluetoothオーディオの中では高音質な部類に入ります。将来のApple製ワイヤレスヘッドフォンがロスレスに対応する可能性もあるでしょう。
iPhone・iPadでロスレスオーディオを有効にする方法
ロスレスオーディオはApple Musicの全加入者向け機能として提供されています。設定手順は以下の通りです。
- iPhoneまたはiPadで「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「ミュージック」をタップ
- 「オーディオ品質」をタップ
- 「ロスレスオーディオ」をタップしてオン/オフを切り替える
- 「モバイル通信・5G・Wi-Fiストリーミング」と「ダウンロード」のそれぞれで、希望する品質を選択する
Losslessを選ぶと最大24bit/48kHz、Hi-Res Losslessを選ぶと最大24bit/192kHzでストリーミングされます。
ただし、データ使い放題プランでない場合は注意が必要です。モバイル通信や5Gのデータ容量はあっという間に消費されます。Hi-Res Losslessの最大データレートは9,216kbps。高音質MP3の320kbpsと比べると桁違いの数字です。
HighSpeedInternetによれば、Hi-Res Losslessを快適に使うには最低20Mbpsのブロードバンド回線が推奨されるといいます。これは転送ファイルのビットレートの約2倍という計算です。同じ理屈でLosslessなら5Mbps程度で済むため、ほぼすべてのブロードバンド回線で問題なく再生できます。
Androidでロスレスオーディオを有効にする方法
Android版Apple Musicアプリの最新バージョンもロスレスオーディオに対応しています。制限事項はiOSと同じで、有線接続(ヘッドフォン・レシーバー・アクティブスピーカー)、内蔵スピーカー、そして48kHz超で聴く場合は外部DACが必要です。
一部のAndroid端末は、外部DACなしで48kHz超のサンプリングレートに対応しています。お使いの端末メーカーに確認してみてください。
ロスレスのオン/オフ手順:
- Apple Musicアプリを開く
- 「その他」ボタン(3点メニュー)をタップ
- 「設定」をタップ
- 「オーディオ品質」をタップ
- 「ロスレス」をタップしてオン/オフを切り替える
品質の選択肢はiPhone/iPadと同様です。Losslessで最大24bit/48kHz、Hi-Res Losslessで最大24bit/192kHzとなります。
こちらもモバイル通信や5Gで利用すると、データプランを一気に消費する点に注意してください。
その他に知っておきたいこと
Appleの公式サポートページでは「すべてのApple Musicアプリ」でロスレスオーディオが利用できると案内されていますが、実は1つだけ例外があります。
それは、最近Rokuデバイスに登場したApple Musicアプリです。RokuはThe Vergeに対し、「現時点では」非対応だと説明しており、今後のアップデートで有効になる可能性があります。
それほど意外な話ではありません。PS5版のApple Musicアプリはロスレスに言及しておらず、Apple TV 4Kもサンプリングレートは48kHzまでの対応にとどまります。
これで、Apple Musicで最高音質のロスレス(より正確にはHi-Res Lossless)を聴く方法がわかりました。
最高峰の音質を楽しむには追加ハードウェアの購入が必要なのは少し残念なところです。将来のAppleデバイスが単体でHi-Res Losslessに対応するかもしれませんし、Appleは将来を見据えた備えを進めているのかもしれません。
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