【保存版】Windows 10/11でDPCレイテンシが高いときの直し方|原因別の対処法10選
Deferred Procedure Call(DPC:遅延プロシージャコール)は、ハードウェアやデバイスドライバーに関連する低優先度タスクの実行を管理する仕組みです。緊急性の低い処理を後回しにすることで、重要なタスクを優先的に処理するのが目的ですが、DPCレイテンシが高くなると、音声・動画のストリーミングや編集といったリアルタイム処理を中心に、パフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。
本記事では、Windows 11およびWindows 10で発生するDPCレイテンシの高さを解消するための具体的な方法を詳しくご紹介します。それでは始めましょう。

DPCレイテンシとは?
ハードウェアがCPUの処理を必要とするとき、またはデバイスドライバーがサービスを要求するときには、CPUへ通知するための割り込み(インタラプト)が発生します。Windows OSはこれに応答するため、割り込みサービスルーチン(ISR)を実行します。DPCは、これらの割り込みに関連する一部のタスクを後のタイミングへ延期する仕組みで、優先度の高いものから順番に処理されます。
ところが、あるドライバーが通常より長い時間をかけてタスクを実行すると、他のドライバーのタスク処理も同時に遅れ、結果としてPC全体の動作がもっさりと感じられる原因になります。この状態を技術的な用語で「DPCレイテンシ」と呼びます。
WindowsでDPCレイテンシが高くなる主な原因
- 古い、または不具合のあるドライバー
- 過剰なバックグラウンドプロセス
- CPUへの過剰な負荷
- 誤って構成されたシステム設定
- 不具合のあるハードウェアコンポーネント
クイックアンサー:まずはPCのグラフィックドライバーとオーディオドライバーを更新しましょう。改善しない場合は、電源プランを変更してください。
- コントロールパネルを起動し、「表示方法」のドロップダウンメニューから「大きいアイコン」を選択します。
- 「電源オプション」をクリックし、「高パフォーマンス」の電源プランを選択します。
方法1:新しい電源プランに切り替える
「高パフォーマンス」または「究極のパフォーマンス」の電源プランは、CPUの処理能力を最大化し、常に高いクロック速度で動作させます。その結果、DPC(遅延プロシージャコール)へより迅速に対応できるようになります。
- コントロールパネルを開き、右上の「表示方法」ドロップダウンメニューから「大きいアイコン」を選択します。
- 「電源オプション」をクリックし、「高パフォーマンス」または「究極のパフォーマンス」を選択します。

ただし、消費電力が増えるため、ノートPCではバッテリーの減りが速くなる点に注意が必要です。難しい場合は、以下の他の方法を試してみてください。
方法2:グラフィックドライバーとオーディオドライバーを更新する
グラフィックドライバーとオーディオドライバーは、大量のデータとリアルタイム処理を担当しています。これらのドライバーが古かったり不具合を抱えていたりすると、処理要求に追いつけなくなり、DPCレイテンシが高くなる原因となります。ドライバーの更新手順については、「Windows 11でグラフィックドライバーを更新する方法」「Windows 11でオーディオドライバーを更新する方法」の各ガイドをご参照ください。

方法3:レジストリを変更する
特定のハードウェアプロセスがレイテンシの原因となることがあります。レジストリ経由で設定を変更することで、プロセスとシステムの相互作用に影響を与え、Windows 11のDPCレイテンシの問題を解消できる場合があります。
注意:作業中の誤操作に備え、元の設定に復元できるよう、必ず事前にレジストリキーのバックアップを作成しておきましょう。
- Win + Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- regeditと入力してOKをクリックします。UAC(ユーザーアカウント制御)の画面が表示されたら「はい」を選択します。
- レジストリエディターで、次のパスへ移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Video\{DEB039CC-B704-4F53-B43E-9DD4432FA2E9}\0000 - 0000キーを右クリックし、「新規」→「DWORD (32ビット) 値」を選択します。
※この手順でエラーが出る場合は、「レジストリ書き込み時にキーを作成できないエラーを修正する方法」のガイドをご覧ください。 - 作成したDWORD値にPerfLevelSrcという名前を付けます。
- PerfLevelSrcをダブルクリックし、値のデータを3322に変更します。
- 同様に、PowerMizerEnable、PowerMizerLevel、PowerMizerLevelACという3つのDWORD値を作成します。
- PowerMizerLevelとPowerMizerLevelACの値のデータを1に設定します。
- OKをクリックして変更を保存し、PCを再起動します。

方法4:ダイナミックティックを無効化する
Dynamic Tick(ダイナミックティック)は、システムクロックのタイミングを調整するWindowsの機能です。このクロック調整が、DPCの処理に不規則性をもたらすことがあります。無効化の手順は以下の通りです。
- コマンドプロンプトを管理者として実行します。
- 次のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
bcdedit /set disabledynamictick yes - コマンドが正常に実行されたら、PCを再起動します。

方法5:IPv6を無効化する
IPv6とIPv4は異なるネットワークプロトコルです。両方を同時に有効化すると、競合やネットワーク処理のオーバーヘッド増加につながり、DPCレイテンシが高くなるケースがあります。無効化の手順は以下の通りです。
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- テキストボックスにncpa.cplと入力してEnterキーを押し、「ネットワーク接続」ウィンドウを開きます。
- 使用中のネットワーク接続(EthernetやWi-Fiなど)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 項目一覧から「Internet Protocol Version 6 (TCP/IPv6)」のチェックを外し、OKをクリックして変更を確定し、プロパティウィンドウを閉じます。

方法6:Windowsファイアウォールを無効化する
Windows Defenderは、マルウェアなどの脅威に対して常時リアルタイムスキャンを行っています。このスキャン処理はシステムリソースを消費するため、本記事で扱う問題の一因となる場合があります。ファイアウォールを一時的に無効化すればシステムリソースへの負担を軽減できます。手順は「Windows 11のファイアウォールを無効化する方法」のガイドをご参照ください。

方法7:Bonjourアプリをアンインストールする(該当する場合)
BonjourはAppleが開発したネットワーキングプロトコルで、主にローカルネットワーク上のデバイスやサービスを検出するために使われます。以前にApple製デバイスをWindows PCへ接続したことがあるなら、このアプリがインストールされている可能性があります。ただし、バックグラウンドで動作するプロセスが余分なCPU使用量やネットワーク通信を発生させ、DPCレイテンシを悪化させることがあります。
- コントロールパネルを開き、「プログラム」の下にある「プログラムのアンインストール」をクリックします。
- インストール済みプログラムの一覧からBonjourを探し、右クリックして「アンインストール」を選択します。
- アンインストール後、変更を確実に反映させるためPCを再起動します。

方法8:D0パケットコアレッシングをオフにする
D0パケットコアレッシングは、小さなデータパケットを束ねて大きなパケットにしてから送信する省電力機能です。この機能をオフにするとパケットの束ね込みが防止され、小さなパケットをより速く送信できるため、Windows 11のDPCレイテンシ問題の解消が期待できます。
- デバイスマネージャーを開き、「ネットワークアダプター」のカテゴリを展開します。
- 使用中のネットワークアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「割り込みモデレーション」(Interrupt Moderation)や「パケットコアレッシング」(Packet Coalescing)など、パケットコアレッシングに関するプロパティを探して選択し、「無効」に設定します。

方法9:TCP Optimizerを使用する
TCP Optimizerは、さまざまなネットワーク設定を調整してインターネット接続とパフォーマンスを最適化できるツールです。設定を細かくチューニングすることで、ネットワーク効率を改善し、DPCレイテンシにつながるボトルネックを軽減できます。
- 公式サイトからTCP Optimizerをダウンロードし、インストール後に管理者として実行します。
- 右下の「Optimal」を選択し、「Apply changes」ボタンをクリックします。

TCP Optimizerが新設定の適用のために再起動を求めてくるので、作業内容を保存してからPCを再起動しましょう。
方法10:システムの復元を実行する
上記の方法を試しても問題が解決しない場合の最終手段として、PCでシステムの復元を実行しましょう。詳しい手順は「Windows 11でシステムの復元を使い、作成する方法」のガイドをご覧ください。

DPCレイテンシの確認方法
Windows 11/10向けのDPCレイテンシチェッカーを使えば、PCに本記事で説明した問題が発生しているかどうかを確認できます。
- Resplendence社のLatencyMon公式ページにアクセスし、上部ナビゲーションバーの「Download」ボタンをクリックします。
- ページを下にスクロールし、System Monitoring Toolsの項目からLatencyMon 7.31(または最新版)を選んでダウンロードします。
- ダウンロードした.exeファイルをインストールします。
- LatencyMonアプリを開き、左上の「Start monitor」ボタン(緑色の三角アイコン)をクリックします。
- 十分なデータを収集するため数分間モニタリングを続けた後、「Stop monitor」ボタン(四角形アイコン)をクリックします。
- 「Stats」タブを開くと、すべての統計情報を確認できます。

- DPC・ISRルーチンが2000µs未満:PCはリアルタイムオーディオのドロップアウトにも対応できます。
- 2000〜4000µs:理想的とは言えません。
- 4000µs超え:深刻な問題です。
一般的に、DPCレイテンシが2000µsを超えると「高い」と判断されます。DPCレイテンシが高いと、PCのオーディオに支障をきたすことがあります。具体的には、映像のコマ落ち、マウスやキーボードの操作不安定、そして多くの場合、音声の途切れ、クリックノイズ、ポップノイズといった症状が現れます。
DPCレイテンシはWindows 10と11のどちらが優れている?
DPCレイテンシの問題は、Windows 10でもWindows 11でも発生する可能性があります。どちらのバージョンの性能が良いかは、個々のシステム構成、ハードウェア、ソフトウェア環境によって変わります。
本ガイドが、Windows 11およびWindows 10でのDPCレイテンシの高さの解決にお役に立てば幸いです。ご質問やご提案がありましたら、コメント欄でお気軽にお知らせください。今後も役立つトラブルシューティングガイドをお届けしていきます。
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