マイクロソフトが描く「パスワードレスの世界」ビジョンとは?知っておくべき全ポイント
パスワードは本来、セキュリティ確保のためだけに存在するものですが、実際には安全性も利便性も十分とは言えません。私たちは今、そのデメリットに少しずつ気づき始め、パスワードに頼らない世界の実現へと動き出しています。
報道によると、Windows 10/11 は「パスワードレス化」へと進もうとしています。マイクロソフトは、この取り組みによって「セキュリティの脆弱性」問題を解決できると考えており、その第一歩として、8億人規模のユーザーが使用する Windows 10/11 のパスワードを置き換えることを目指しています。では、なぜあえてリスクを冒してまでパスワードレス化を目指すのでしょうか?
マイクロソフトが掲げる2つの約束
パスワードレスな世界の実現に向けて、マイクロソフトは以下の2つの約束を掲げています。
- ユーザーへの約束 – エンドユーザーが日々パスワードと向き合わずに済むようにすること。
- セキュリティへの約束 – ユーザーの認証情報が漏洩・フィッシング・クラックされないよう守ること。
簡単に言えば、マイクロソフトはパスワードの価値を下げ、それに代わる認証手段を提供することで、パスワード自体の必要性を根絶しようとしているのです。
ただし、パスワードはすでに私たちのデジタルライフに深く根付いているため、課題は山積みです。完全に排除するには、デメリットだけでなく、持ち運びやすさや使い慣れているといったメリットも踏まえ、慎重に進める必要があります。
Windows 10/11 のパスワードはどうなるのか?
では、マイクロソフトは具体的にどのようにパスワードをなくしていくのでしょうか?同社のパスワードレス戦略における重要なポイントをご紹介します。
1. パスワードに代わる代替手段の開発
パスワードの欠点や弱点を解消しつつ、その利便性も活かせる代替手段の開発を進めています。
2. ユーザーから見える「パスワード領域」の削減
デバイスのセットアップ、パスワードの復旧、アカウントやデバイスによるWebサイト・アプリへのアクセスなど、ユーザーのIDに関わるすべての体験を見直し、パスワードが登場する場面そのものを減らします。
3. パスワードレス環境への移行支援
新しい代替手段の確立とパスワード領域の削減が進んだ後、IT管理者やエンドユーザーが自信を持ってパスワードレス環境へ移行できるよう支援します。
4. IDディレクトリからのパスワード削除
最終段階として、IDディレクトリからすべてのパスワードを削除します。
注目すべきパスワードレスの代替手段3選
ここでは、マイクロソフトが推進する代表的な3つの代替認証手段をご紹介します。
1. Windows Hello
従来のパスワードと比べて、Windows Hello ははるかに安全です。4,700万人以上のユーザーがこの方式を選んでいるのも納得でしょう。
Windows Hello は、個人用PCでのパスワードに代わる優れた認証技術です。顔認証、虹彩スキャン、指紋認証だけで、アプリ・デバイス・ネットワーク・オンラインサービスへの安全なアクセスを認証できる生体認証ベースのテクノロジーです。ユーザーフレンドリーで信頼性・セキュリティが高いことから、幅広く受け入れられています。
2. Microsoft Authenticator アプリ
Microsoft Authenticator アプリを使えば、モバイルデバイスで Microsoft アカウントの認証・確認ができます。Windows Hello と同じ技術をベースに設計されており、シンプルなスマホアプリとして手軽に利用できるのが魅力です。
利用するには、Google Play ストアから Microsoft Authenticator アプリをダウンロードするだけです。
3. FIDO2 セキュリティキーとの連携
マイクロソフトは、さまざまな業界から約250の組織が参加する著名な FIDO(Fast Identity Online) ワーキンググループと協力しています。「より便利で強固な認証情報によるパスワードの置き換え」という共通の目標に向けて、業界全体が手を携えています。
FIDO2 セキュリティキーの承認を受け、マイクロソフトは Windows Hello をさらに安全なものへとアップデートしていきます。
パスワードレス対応の Windows 10/11 Sモード
2019年4月の Windows 10/11 アップデートの公開に伴い、マイクロソフトはエンドユーザー向けに「パスワードレス対応」の体験を提供しています。Sモード を導入すれば、パスワードを入力せずにデバイスを使用できます。設定の手順は以下の通りです。
1. Microsoft Authenticator アプリのセットアップ
まず、モバイルデバイスに Microsoft Authenticator アプリをインストールし、Microsoft アカウントでログインしておきましょう。
次回以降、ページやアプリへのログイン時には「代わりに Microsoft Authenticator アプリを使用する」オプションを選択するだけでOK。パスワードを入力することなく、アプリ経由でログインできます。
2. Windows 10/11 パソコンの設定
続いて、以下の手順で Windows 10/11 のPCを設定します。
- Sモード機能を含む最新の Windows 10/11 アップデートをインストールする。
- 画面の指示に従って、アカウントを正しくセットアップする。
- Microsoft Authenticator アプリを使ってアカウントにログインする。
- パスワードを求められたら、「代わりに Microsoft Authenticator アプリを使用する」を選択する。
3. Windows Hello のセットアップ
最後に Windows Hello を設定します。
- 設定を開き、アカウントを選択する。
- サインイン オプションをクリックし、セットアップを選ぶ。
- 開始するをクリックする。
- PINの入力を求められたら入力する。PINがない場合は新しく作成できます。
- 顔認証をセットアップします。画面を見つめて指示に従いましょう。
- 必要に応じて、指紋認証も設定できます。
これで完了です!Sモードで Windows 10/11 を正しくセットアップできれば、パスワードなしの快適な生活がスタートします。
今後の展望
マイクロソフトは、パスワードレスの世界という夢の実現に向けて、着実に準備を進めています。しかし、どれほど未来が楽しみでも、セキュリティへの警戒心は忘れないでください。サイバー攻撃がいつ発生するかは誰にも分かりません。
ハッカーや詐欺師からプライバシーを守るためにも、信頼できるPC修復ツールの導入をおすすめします。アクティビティの痕跡を消去し、機密情報を保護することにつながります。
マイクロソフトの「パスワードレスの世界」ビジョンの中で、あなたが最も期待しているのはどんな部分ですか?ぜひコメント欄でお聞かせください!
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