BitLocker回復キーが見つからないときの対処法|原因と解決策を徹底解説
システムのBIOS設定が誤っていると、BitLocker回復キーを要求される問題が発生することがあります。また、マザーボード周辺の回路に予期しない変化が生じた場合も、同様のトラブルを引き起こす可能性があります。
この問題は、PCの電源を入れた際にBitLocker回復キーの入力を求められることで発覚します(多くの場合、ユーザー自身はBitLockerが有効になっていたことに気づいていません)。主な原因は、WindowsまたはBIOSのアップデート、マザーボード上の部品交換(あるいはマザーボード本体の交換)です。一部のユーザーでは特定のドライブ1台だけに問題が限定されるケースも報告されています。この問題は特定メーカーに限らず、ほぼすべてのPCブランドで発生し得ます。
トラブルシューティング前の確認事項
解決策を試す前に、以下の点を必ず確認してください。
- インターネットから切断する:ランサムウェア攻撃によるものではないかを切り分けるためです。
- Microsoftアカウントの認証状況を確認する:設定アプリで「本人確認」ボタンが表示されていない(認証済みである)ことを確かめてください。
- BitLocker修復ツールを試す:repair-bdeコマンドで問題が解決しないか確認しましょう。
- セーフモードでコントロールパネルを開く:セーフモードのコントロールパネルからBitLockerを無効化できるか試してみてください。
なお、トラブルシューティング中にログインに成功した場合は、直ちにBitLockerを無効化するか、回復キーをMicrosoftアカウントなどの安全な場所にバックアップしてください。同じ問題の再発を防ぐために非常に重要です。
解決策1:電源ケーブルを抜く/ノートPCならバッテリーを取り外す
回路の状態変化が原因でBitLockerの問題が発生している場合、電源ケーブルを抜く(ノートPCならバッテリーを取り外す)ことで、マザーボード上のコンデンサなどに残った電荷を完全に放電させると改善する場合があります。
- システムの電源を切るか、電源ボタンを長押しして強制シャットダウンします。
- 電源ケーブルをコンセントから抜きます。ノートPCの場合は、可能であればバッテリーも取り外してください。
- 少なくとも5分間待機してから、電源ケーブルを接続し直します(ノートPCはバッテリーを装着します)。
- システムを起動し、BitLockerの問題が解決したか確認します。解決した場合は、コントロールパネルからBitLockerを無効化し、該当ドライブの暗号化解除を行いましょう。
解決策2:コマンドプロンプトを使う
幸いにもシステムにログインできていて、問題が特定のドライブ1台に限られている場合は、コマンドプロンプトでBitLocker回復キーを取得できることがあります。
- Windowsキーを押して検索ボックスに「コマンドプロンプト」と入力し、検索結果を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 次のコマンドを実行します。
manage-bde -protectors X: -get
※XはBitLockerで暗号化された問題のドライブ文字に置き換えてください。 - 表示された結果から、回復ID(Recovery ID)と回復キー(Recovery Key)を控えます。
- そのキーでBitLocker暗号化を解除できるか確認します。
上記で解決しない場合は、PowerShellスクリプトで全ドライブの回復キーを一括取得する方法もあります。
- メモ帳を開き、以下のコードをコピー&ペーストします。
$BitlockerVolumers = Get-BitLockerVolume $BitlockerVolumers | ForEach-Object {$MountPoint = $_.MountPoint $RecoveryKey = [string]($_.KeyProtector).RecoveryPassword if ($RecoveryKey.Length -gt 5) { Write-Output ("The drive $MountPoint has a BitLocker recovery key $RecoveryKey.") } } - 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択します。
- 「ファイルの種類」を「すべてのファイル」に変更し、拡張子を「.ps1」として保存します(例:RecoveryKey.ps1)。
- Windowsボタンを右クリックし、Power Userメニューから「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- CDコマンドでファイルの場所へ移動し、作成したPowerShellファイルを実行します(例:RecoveryKey.ps1)。
- BitLocker回復キーが表示されるか確認します。表示されたら、そのキーで暗号化を解除できるか試してみましょう。
解決策3:オンラインのバックアップ先から回復キーを取得する
システム内・USBメモリ・印刷した紙などに回復キーが見つからない場合は、以下のオンラインサービスから取得できる可能性があります。もし該当する場所にキーが存在しない、または見つかったキーが機能しない場合は、問題のPCで別のMicrosoftアカウント(個人用・職場用・学校用)を使用していないかを思い出してください。使用歴がある場合は、それらのアカウントで順番にサインインして回復キーが保存されていないか確認しましょう。
OneDriveから確認する
- Webブラウザーを開き、OneDriveの回復キーページ(https://onedrive.live.com/RecoveryKey)にアクセスします(Microsoftアカウントでのサインインが必要です)。
- 回復キーが表示されているか確認します。あれば、そのキーで問題が解決するか試してください。ダメなら別のMicrosoftアカウントでも確認しましょう。
Microsoftアカウントページから確認する
- Webブラウザーで https://account.microsoft.com/devices/recoverykey にアクセスします。
- 左側のナビゲーションバーで「デバイス」(通常3番目の項目)をクリックし、問題のデバイスが表示されているか確認します。
- 表示されていれば、該当デバイスの「BitLocker回復キーの表示」をクリックし、そのキーで問題が解決するか試します。
- 解決しない場合は、https://account.microsoft.com/security やアカウントページ内の他の場所にもキーが保存されていないか確認します。
- キーが表示されない場合は、正しいデバイスが選択されているかを見直してから再度確認してください。
Office 365/Azure Active Directoryから確認する
- Office 365ユーザー、または所属組織がAzure Active Directoryを利用している場合は、https://portal.azure.com にアクセスします。
- 左側のナビゲーションバーで「Azure Active Directory」をクリックし、さらに左ペインでもう一度「Azure Active Directory」を選択します。
- 「デバイス」をクリックし、「すべてのデバイス」タブ(または「BitLockerキー」タブ)から問題のデバイスを開きます。
- 該当デバイスのBitLocker回復キーをコピー(「クリックしてコピー」アイコンを利用できます)し、そのキーで問題が解決するか確認します。
組織のセキュリティポリシーによりAzureディレクトリからキーを取得できない場合は、IT管理者に問い合わせる必要があります。また、PCがドメインネットワークに参加している場合は、ネットワーク管理者に回復キーについて確認してください(ローカルサーバーにキーがバックアップされている場合があります)。
解決策4:BIOS設定を変更する
ユーザーによるBIOS設定の変更やBIOSアップデートによって、BitLockerの動作に必要な環境変化(TPM機能の有効化・無効化など)が生じると、この問題が発生することがあります。以下のBIOS設定変更で改善する場合があります。
警告:BIOSの編集には一定の知識が必要です。誤った操作を行うとPCが起動しなくなり、データに深刻な損害を与える恐れがあります。自己責任で慎重に進めてください。
システムをBIOSで起動し、以下の設定変更を順に試してください。なお、項目名や場所はメーカーや機種によって異なる場合があります。
TPMモジュールの有効化/無効化
- BIOSで「Security」タブを展開し、「TPM Security」を選択します。
- 「TPM Security」にチェックを入れ、設定を適用します。
- BitLockerの問題が解決したか確認します。
すでにTPMが有効になっている場合は、逆に無効化することで問題が解決するか試してみてください。
Secure Bootの有効化/無効化
- BIOSを起動し、「System Configuration」タブへ移動します。
- 「Secure Boot」を有効にして、BitLockerの問題が解決するか確認します。すでに有効な場合は、無効化を試してください。
Intel PTT(Platform Trust Technology)の有効化
- BIOSで「Configuration」タブへ移動し、「Platform Trust Technology(PTT)」を有効にします。
- 設定を適用し、BitLockerの問題が解決したか確認します。
BIOSを最新版に更新する
- まず、BIOSを旧バージョンに戻すことで問題が解決するか確認します(解決する場合は、今後のBIOS更新で再発を防ぐため、コントロールパネルからBitLockerを無効化しておきましょう)。
- 解決しない場合は、各メーカーの公式手順に従ってBIOSを最新版に更新します(問題のドライブを取り外すか、USBメモリを使って更新が必要な場合があります)。
- Gateway
- HP
- Lenovo
- MSI
- Dell
起動順序(Boot Sequence)を編集する
- BIOSで「General」を展開し、「Boot Sequence」を選択します。
- 右側のペインで、使用しない起動オプションのチェックを外します。たとえば「Windows Boot Manager」や不要なUEFIデバイスのチェックを外し、Windowsがインストールされているドライブのみチェックを入れます。
- 設定を適用し、BitLockerの問題が解決したか確認します。
起動モードを変更する
- BIOSの「Boot」タブへ移動し、起動モードを「UEFI」に設定します。
- BitLockerの問題が解決したか確認します。解決しない場合は、前述のTPM/PTTとSecure Bootを有効化して再確認してください(「Legacy Boot」のチェックが外れていることも確認しましょう)。
各種BIOS設定をリセットする
- BIOSで「Secure Boot」を展開し、「Expert Key Management」を選択します。
- 「Restore Settings」ボタンをクリックし、「Factory Settings」を選択します。
- 「OK」を選択してBIOSを終了します。
- BitLockerの問題が解決したか確認します。
解決しない場合は、以下の手順を順番に試してください。
- 再度BIOSを起動し、「General」タブの「Restore Settings」をクリックします。
- 「Custom User Setting」を選択して「OK」をクリックし、問題が解決するか確認します。
- 解決しなければ手順を繰り返し、今度は「Factory Settings」を選択して確認します。
- それでも解決しなければ、同様に「BIOS Defaults」を選択して確認します。
それでも解決しない場合
上記の方法をすべて試しても回復キーが見つからない場合は、専門のデータ復旧業者に依頼するか、ドライブ/システムをフォーマットした後にデータ復旧ツールを使って復元を試みることになります(ただし、データが失われるリスクがある点には十分注意してください)。
-
Shell32.dllが見つからないエラーの原因と6つの解決方法を徹底解説
Shell32.dllは、Microsoft Windowsオペレーティングシステムや関連アプリケーションがスムーズに動作するために不可欠なシステムファイルです。このファイルは、ファイルやWebページなど、多くの機能オブジェクトへのアクセスを可能にする役割を担っています。 このファイルに問題が発生すると、システムはエラーメッセージや警告を表示し、場合によっては解決策を提示することもあります。ただし、Shell32.dllは数百の他のDLLファイルと連携しているため、そのうちのどれか1つでも破損または欠落していると、Shell32.dllが正しく読み込まれなくなります。 「Shell32.dl
-
PCで「オペレーティングシステムが見つかりません」エラーが出たときの対処法まとめ
PCの電源を入れると、黒い画面に「Missing Operating System(オペレーティングシステムが見つかりません)」や「Boot device not found, please install an operating system on your hard disk(ブートデバイスが見つかりません)」といったエラーメッセージが表示され、Windowsが起動できなくなることがあります。突然のトラブルに焦ってしまいますが、落ち着いて対処すれば解決できるケースがほとんどです。この記事では、オペレーティングシステムが見つからないエラーの原因と、初心者でも実践できる5つの対処法を詳しく解