Linux 5.7カーネル登場:注目の新機能と改善点を徹底解説

Linuxカーネルは、オープンソース界で最も人気のあるカーネルです。1991年から存在するUnixベースのカーネルで、登場以来大きな話題を呼び続けてきました。最新のカーネルアップデートは今年初めにリリースされ、エキサイティングな変更が数多く含まれています。
Linuxカーネルとは?
Linuxカーネルは、Linuxマシンのハードウェアと、その上で動作するプロセスをつなぐ役割を担っています。メモリ管理、プロセス管理、デバイスドライバ、システムコール、セキュリティなど、ハードウェアに関する主要な機能をすべて制御しています。
カーネルは、例えるならお母さんのような存在です。散らかった部屋を片付け、何でもやってくれるのに、家を出て独立するまでその恩恵に気づかないものです。同じように、カーネルはバックグラウンドで静かに働き、システム全体をスムーズに動かし続けています。ユーザーの目に見えるのは、ファイルやWebブラウザといった表面的な部分だけなのです。
Linux Kernel 5.7の主な変更点
最新のLinuxカーネルアップデートには、Linux体験を向上させる多くの新機能が盛り込まれています。ここでは、特に有用で注目度の高い変更点を紹介します。
Samsung製exFATドライバ

exFATはMicrosoftが開発したファイルシステムで、SDカードやUSBメモリなどのストレージデバイスで広く利用されています。Linuxでは以前からこのファイルシステムをサポートしていましたが、カーネルに標準で組み込まれるのは今回が初めてです。
今回のアップデートには、Samsungのエンジニアが開発したドライバが採用されています。このドライバはより効率的に動作し、Microsoftが提供していたやや洗練度の低いバージョンを置き換えます。
サーマル管理の改善

コンピュータは冷却のためにさまざまな処理を行っています。システムファンを回すだけでなく、カーネルはCPUの最大動作周波数を制限することでも温度を下げられます。ところが、タスクスケジューラがその情報を受け取れず、熱くなったCPUにさらなるタスク実行を指示し続けてしまうことがあり、結果としてパフォーマンスが低下するケースがありました。
この問題に対処するパッチが最新のカーネルアップデートで適用され、CPUが過熱時に不必要な負荷を抱え込む状況が改善されました。
ARMサポートの拡大
新しいアップデートでは、Qualcomm Snapdragon 865やMediaTek MT8516 SoCなど、より多くのARMプロセッサがサポート対象となりました。スマートフォンや組み込み機器など、ARMベースのデバイスでのLinux活用がさらに広がります。
新しいEFI混合モードブート
このアップデートには、64ビットカーネルに対応したCPU上で動作する32ビットファームウェアから、64ビットカーネルを起動できるようにする「EFI混合モード」のサポートも含まれています。古いファームウェアを搭載したマシンでも、最新の64ビットカーネルを利用しやすくなりました。
AppleのUSB急速充電プロトコルへの対応
Appleデバイスの人気は非常に高く、この変更は多くのユーザーにとって朗報です。従来の5.6カーネルでは、iPhoneなどのAppleデバイスは最大500mAしか電流を引き出せませんでした。しかし、Apple独自のプロトコルが有効な場合、これらのデバイスは最大2500mAまで電力を取得できます。
5.7カーネルで急速充電がサポートされたことで、Linuxマシンに接続したAppleデバイスを、これまでよりも短時間で充電できるようになります。
Zstd圧縮のサポート
最新のカーネルアップデートでは、ファイルシステムレベルでのZstd圧縮にも対応しました。Zstdは高い圧縮率と高速な処理速度を両立する圧縮アルゴリズムで、ストレージ容量の節約に役立ちます。
Intel Tiger Lakeグラフィックスのサポート
Intelの新型モバイルプロセッサ「Tiger Lake」は普及が進み始めており、このチップを搭載したデバイスも続々と登場しつつあります。Linuxカーネル5.7は、Tiger Lakeのグラフィックス機能のサポートを絶好のタイミングで提供します。これらの更新は安定版として扱われているため、Tiger Lake搭載デバイスのユーザーも安心して最新カーネルを利用できるでしょう。
まとめ
Linuxカーネルは今日も絶えず進化を続けています。今回のアップデートにより、完全なオープンソースでありながら、主流のOSと渡り合い、多くの場面でそれらを上回るパフォーマンスを発揮する、安定かつ高速なOSとしてのLinuxの地位が、さらに強固なものになるでしょう。
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