Ubuntu 21.04「Hirsute Hippo」徹底解説――新機能、インストール手順、そして第一印象
Debianベースの人気Linuxディストリビューション「Ubuntu」は、2021年4月22日に最新版をリリースしました。コードネーム「Hirsute Hippo」ことUbuntu 21.04は、前バージョンからさまざまな改良が加えられた注目のリリースです。
安定版の公開を控えていた頃、Canonicalはパブリックベータ版のISOイメージを一般公開しており、愛好家たちは正式リリース前に最新のUbuntuを試すことができました。この記事では、Ubuntu 21.04を自分のマシンで動かす方法と、本リリースの新機能について詳しく解説します。
Ubuntu 21.04のインストール方法
実際にUbuntu 21.04を試してみたい方のために、インストール手順を順を追って紹介します。
1. ベータ版ISOをダウンロードする
まず、リリースページにアクセスして、デスクトップPCやノートPC向けのUbuntu 21.04ベータ版ISOをダウンロードしましょう。直接ダウンロードでも、Torrentを使った取得でも可能です。
ダウンロードが完了したら、ファイルのSHA256ハッシュ値を確認し、Canonicalがリリースページで公開しているハッシュと照合すると安心です。必須の手順ではありませんが、破損したISOファイルによるトラブルを防ぐ追加の安全策になります。
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2. ISOをUSBメモリに書き込む
ISOをダウンロードしたら、次は起動可能なUSBメモリを作成します。balenaEtcherなどの無料ツールを使えば、簡単にISOをUSBメモリへ書き込めます。快適に使うなら、4GB以上の容量でUSB 3.0対応のフラッシュドライブがおすすめですが、USB 2.0のメモリでも動作は可能です。
以下の手順に従って、ISOをUSBメモリに書き込みましょう。
- USBメモリをパソコンに接続します。書き込み時にフォーマットされるため、重要なデータは事前にバックアップを取ってください。
- Flash from file(ファイルからフラッシュ)を選択し、ダウンロードしたUbuntu 21.04のISOファイルを指定します。
- Select target(ターゲットを選択)をクリックし、書き込み先のUSBドライブを選びます。
- Flashボタンを押して、処理が完了するまで待ちます。数分かかる場合があります。

より詳しい手順については、USBフラッシュドライブを使ってUbuntuをインストールする専用ガイドもぜひ参考にしてください。
3. ブート順序を変更する
Ubuntu 21.04を起動するには、デバイスのブート順序を変更して、ハードディスク内の既存OSから起動しないよう設定する必要があります。これはBIOSまたは専用のブートメニューから行えます。
電源投入時にファンクションキーを連打することでこの画面にアクセスできます。画面にはハードディスクや接続済みストレージの一覧が表示されるので、USBドライブまでスクロールしてEnterキーを押せば、USBからの起動が始まります。
ファンクションキーはメーカーによって異なるため、お使いのデバイスに適したキーを必ず確認してください。参考として、USBから起動するためのブート順序変更ガイドも用意しています。
新機能と第一印象
Ubuntu 21.04 Hirsute Hippoは2021年の通常の短期サポートリリースで、同年10月には後継となる21.10が登場予定でした。約6ヶ月にわたる緻密な開発を経た21.04ですが、大きなビジュアルの刷新や劇的なパフォーマンス向上は含まれていません。むしろ今回のアップデートは、既存ソフトウェアの最適化に重点が置かれています。
起動プロセスが完了すると、新しい壁紙とシステム全体に適用されたダークテーマが、おなじみのGNOME 3レイアウトでお出迎えしてくれます。GNOME 40は数週間前にリリースされましたが、アプリケーションが新しいGTK 4に対応するまでの間、Ubuntuは本リリースでGNOME 3.38を採用しています。以下、主な変更点をまとめました。
1. Linux 5.11カーネル
Hirsute Hippoには最新のLinux 5.11カーネルが搭載されており、より幅広いハードウェアサポートとファイルシステムの更新が実現しています。
これには、IntelのSoftware Guard Extensions(SGX)への対応も含まれます。SGXにより、ユーザーレベルのコードが「エンクレーブ」と呼ばれるプライベートなメモリ領域を確保でき、より高い権限で動作するプロセスから保護されます。また、新しいカーネルはAMDの性能向上と、Zen系CPU向けの電源管理サポートも改善しています。
さらに、btrfsファイルシステムの新しいマウントオプション、Cephファイルシステムにおける「msgr2.1」プロトコルのサポート、F2FSファイルシステムでの圧縮ファイルに対するユーザー空間からの制御なども追加されています。
2. プライベートなホームディレクトリ
最新リリースでは、何年も前に報告されていたセキュリティ脆弱性が修正されました。ユーザーのホームディレクトリのデフォルト権限は、これまで利便性とセキュリティのトレードオフとなっていました。従来は、ホームディレクトリに保存された機密データが、同じシステムを利用する他のユーザーから読み取り可能な状態だったのです。
今回、権限は755から750に変更され、同じシステム上の他ユーザーが他者のホームディレクトリ内のファイルを読み取れなくなりました。Ubuntu 21.04では、ログイン中のユーザー自身のホームディレクトリのみが読み取り可能です。ただし、この変更は新規インストール時にのみ適用され、20.10から21.04へのアップグレードの場合は対象外なので注意が必要です。
3. GNOME Shellの強化
Ubuntuは当面GNOME 3.38を採用していますが、デスクトップ環境には多くの強化が施されています。今回はGNOME Shellがデフォルトでダークテーマを採用しました。Yaruテーマも磨きがかけられ、アクセントカラーとのコントラストが美しいダークテーマと、モダンで細身のアイコンが提供されています。
ディスク使用量アナライザー、Charactersアプリ、GNOME画像ビューアーなど、プリインストールされた多くのアプリケーションが最新版に更新され、その他のアプリにも通常のバグ修正とパッチが適用されています。
FirefoxやThunderbirdといったGNOME以外のアプリケーションもアップグレードされています。また、最新リリースの新しいデスクトップアイコン拡張機能により、他のアプリケーションとの間でドラッグ&ドロップが可能になりました。
21.10リリースで期待できること
GNOME 40の発表以来、その大きな話題性は留まることを知りません。モダンなユーザーインターフェースはLinux愛好家たちから高い支持を集めており、UbuntuがGNOME 3.38にとどまったことには少し失望の声も上がっていました。
何百万ものユーザーやサーバーに利用されているUbuntuは、最先端技術よりも安定性を重視するディストリビューションです。それでも、2021年10月にリリース予定の21.10アップデートでGNOME 40が採用されることは、十分に期待できるでしょう。
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