Windows ServerでRAMディスクを作成する方法|iSCSI機能を活用した追加ソフト不要の手順
RAMディスクとは?
RAMディスクとは、メモリ(RAM)の空き領域に作成される仮想ディスクのことで、OSからは独立した物理ディスクとして認識されます。データが高速なRAM上に保存されるため、このディスクへの読み書き操作はほぼ瞬時に完了します。その速度はSSDをも上回ります(高性能なSSDのデータ転送速度が約560MB/sであるのに対し、DDR4メモリでは12,000〜25,000MB/sに達します)。
RAMディスクは、空きメモリに余裕のあるシステムでの利用が推奨されます。アプリケーションやシステムのキャッシュ・一時ファイル、一時的なSQLデータベースなどをRAMディスクに配置することで、アプリケーションやデータベースのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
Windows標準機能だけでRAMディスクを作成できる
Windows OSにはRAMディスクを作成する組み込みツールが用意されていないため、通常はサードパーティ製ソフトウェア(AMD RAMDisk、ImDisk、PassMark OSFMount、StarWind RAM Diskなど)を利用する必要があります。
しかし、Windows Serverであれば、サードパーティ製アプリに頼らずにRAMディスクを作成することが可能です。その鍵となるのがiSCSIドライバーの活用です。以下、具体的な手順を解説します。
ステップ1:iSCSI Target Serverのインストール
まず、「ファイルサービスと記憶域サービス」ロールの一部であるiSCSI Target Serverコンポーネントをインストールします。

Windowsファイアウォールが有効になっている場合は、iSCSIサービスのトラフィックを許可しておく必要があります。
iSCSIのループバックインターフェースへのトラフィックを許可するには、レジストリキー HKLM\Software\Microsoft\iSCSI Target 内のDWORD値 AllowLoopBack を 1 に変更します。PowerShellなら次の1コマンドで設定できます。
Set-ItemProperty -Path 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\iSCSI Target' -Name AllowLoopBack -Value 1

ステップ2:仮想RAMディスクの作成
PowerShellコンソールを開き、次のコマンドで5GBの仮想RAMディスクを作成します。
New-IscsiVirtualDisk -Path "ramdisk:testRAM.vhdx" -Size 5GB

ステップ3:iSCSIターゲットの作成とマッピング
次に、サーバーのIPアドレス(localhostではなく実IPを指定してください!)を向けたiSCSIターゲットを作成します。
New-IscsiServerTarget -TargetName targetRAMDisk -InitiatorIds @("IPAddress:10.1.1.200")
作成したRAMディスクを、このiSCSIターゲットに接続(マッピング)します。
Add-IscsiVirtualDiskTargetMapping -TargetName targetRAMDisk -DevicePath "ramdisk:testRAM.vhdx"

ステップ4:iSCSIイニシエーターで接続
サーバーマネージャーからiSCSIイニシエーターの管理コンソールを起動します。

ターゲットタブでサーバーのIPアドレスを指定し、クイック接続をクリックしてiSCSIターゲットを追加します。

コマンドラインからiSCSIターゲットに接続することも可能です。
Get-IscsiTarget | Connect-IscsiTarget
ステップ5:ディスクの初期化とフォーマット
ディスクの管理コンソールを開き、新しい5GBのディスクが表示されていることを確認します。これが今回作成したRAMディスクです。ディスクを初期化し、パーティションを作成してフォーマットしたうえで、ドライブ文字を割り当てましょう。
組み込みのディスク・パーティション管理モジュールStorageのPowerShellコマンドレットを使えば、次のワンライナーでRAMディスクの初期化からドライブ文字の割り当てまでを一括で実行できます。
Get-Disk | Where partitionstyle -eq 'raw' | Initialize-Disk -PartitionStyle MBR -PassThru | New-Partition -AssignDriveLetter -UseMaximumSize | Format-Volume -FileSystem NTFS -NewFileSystemLabel "disk2" -Confirm:$false

RAMディスクの活用方法
これで準備は完了です。アプリケーションのファイルをRAMディスクに移動し、各ソフトウェアの設定を変更してRAMディスクを使用するようにすれば、体感速度の大幅な向上が期待できます。

注意点:再起動するとデータは消える
RAMディスクは揮発性のため、サーバーを再起動するとディスク自体が内容ごと削除され、再作成が必要になります。
なお、一部のRAMディスク作成用サードパーティ製プログラムには、RAMディスク上のデータをハードディスク上のファイルとして保存する機能があります。システム再起動時にそのデータが自動的に復元され、RAMディスクへ書き戻される仕組みです。永続化が必要な用途では、こうしたツールの検討も有効です。
RAMディスクの削除方法
不要になったRAMディスクを削除するには、以下のコマンドを順に実行します。
Remove-IscsiVirtualDiskTargetMapping -TargetName targetRAMDisk -DevicePath "ramdisk:testRAM.vhdx"
Remove-IscsiServerTarget -TargetName targetRAMDisk
Remove-IscsiVirtualDisk -Path "ramdisk:testRAM.vhdx"
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