タブ付きファイルマネージャーを探せ――Explorer++とFreeCommander XE徹底レビュー
1980年代、トム・クランシーは本作の執筆も考えたようだが、結局はより潜水艦色の強いベストセラーを選んだ。時は流れて2017年、それでもなお本格的なタブ付きファイルマネージャーは存在しない。少なくともマイクロソフトが公式に支援しているものは。Windowsエクスプローラーは頑なにシングルビューのアプリであり続けているのだ。
それ自体は悪いことではない。しかし、タブが欲しい場面はあるし、タブの状態をセッションとして保存しておけば、再起動後にすぐ作業環境を復元できて便利だろう。となると、補助的なソフトウェアが必要になる。では、どれを使えばいいのか? 良い質問だ。というわけで、探索(ハント)の始まりである。
選択肢、選択肢、さらなる選択肢
迷ったら「Gizmo's Freeware」に相談しよう。無料で余計なものなしのソフトを探すなら、おそらく最も信頼できる場所だ。実際、期待どおり、Windows向けの高機能ファイルマネージャーやファイラーに関する確かなアドバイスも見つかる。名前や種類は実にさまざまで、多くは「〜Commander」という系統の名称を持ち、単なるファイル管理以上のものを求めるユーザー向けに作られている。プラグイン、2ペイン表示、暗号化など、機能満載だ。これは人によってはやり過ぎかもしれない。
ラインナップは圧倒的な数だ。自分に最適な一本を見極めるため、1週間かけて検索とテストを繰り返した。利用可能な全候補(十数個ある)の網羅的な比較をお見せする代わりに、「使いやすさ・シンプルさ・見た目・安定性・利便性」のバランスが取れていると感じたものだけに絞って紹介することにした。ほかのソフトも優れているかもしれないが、選択肢を整理すること自体がこの記事の目的なのだ。
さて、今回は2014年に取り上げたQTTabBar(Windowsエクスプローラーにタブ機能を追加する拡張機能)の続編として、Windows本体の挙動を変更したり干渉したりしないスタンドアローン型のプログラムを紹介する。すべてのテストはWindows 10環境で行っている。
Explorer++
最有望候補ふたつのうちのひとつめ。32ビット版と64ビット版の2種類が用意されており、インストール不要。アーカイブを解凍して好きな場所に置くだけで使える。ただし、実行ファイルが署名されていないため、初回起動時にWindowsから警告が出る点には注意しよう。
その一点を除けば、Explorer++はとても洗練された軽量ソフトだ。外観はWindowsエクスプローラーに近く、操作感と直感的な使い心地は申し分ない。見た目は美しくシンプルながら、内部には強力な機能も秘めている。何より重要なのが、タブ機能を備えていること、ブックマークの保存と表示に対応していること、そして現在開いているタブをすべて保持したまま新しいセッションを再開できることだ。もちろん、特定の場所から起動するよう設定することも可能。実にシンプルでエレガントな設計だ。
FreeCommander XE
名前はかなりオタクじみているが、中身もそれに負けていない。機能リストは長く、眩暈がするほどだ。MD5チェックサムの算出、ファイルの安全な削除、フォルダ比較と同期、スクリーンショット撮影、正規表現検索など、挙げればきりがない。もちろん他のソフト同様、初期状態は2ペイン表示なのだが、そのメリットがどうも私には理解できない。とはいえ、支持者が多い人気機能なのだろう。
FreeCommander XEの見た目を好みに整えるのは少々手間がかかるが、最終的にはうまくいった。アイコンサイズの変更、お気に入りサイドバーの活用、起動時の表示フォルダの設定など、細かな調整をいくつか施せば十分だ。きちんとした強力なタブ付きファイルマネージャーに仕上げるのに、大した労力は必要ない。
Explorer++と比べるとやや直感性に劣り、スタイルの調整をしたくなるかもしれない。たとえばデフォルト表示にはやや鬱陶しいグラデーションがかかっており、近年のWindowsのデザインとうまく馴染まない。興味深いことに、いわゆる「XP」プロファイルのほうが、むしろフラットでクリーンなレイアウトになっている。多少の下ごしらえは必須だが、FreeCommanderはオプションと機能がてんこ盛りなので、ミニマルな画面にすることは諦めたほうがいい。それでも動作は安定しており、署名済みなので警告も出ず、本当に強力な裏ワザも多数隠し持っている。
まとめ
紹介したのは2つだけだ。それ以外のソフトは、選び抜くための長い旅路へ読者を誘うことになり、この記事の趣旨を損なうからだ。Explorer++は非常にエレガントで操作がシンプル、ポータブルで高速、Windows標準エクスプローラーの直接の代替として使え、タブ・お気に入り・セッション保存に対応している。一方のFreeCommanderはツールが豊富でインターフェースは賑やか、習熟とカスタマイズに時間こそかかるものの、UACの警告画面とも衝突せず、強力で高度な追加機能が手に入る。
両方を状況に応じて使い分けるのも自由だが、やはり一冊の「究極の道具」に辿り着きたいところだ。理想的には、Explorer++とFreeCommanderのハイブリッドが最良の解となるだろう。両者にはそれぞれ明確な長所がある。Linuxの世界を見渡しても同じジレンマが存在する。Dolphin対GNOME Files、可能ならセッション復元、文脈情報か視覚的な明快さか。似たような概念に、似たような悩み。だが、我々が求めて追いかけたのはタブであり、そして実際に捕獲に成功したのである。
さて、どちらを選ぶべきか? 正直に言えば、私はどちらにも特別な思い入れはない。本当だ。どちらも「良い」と思いつつ、決定的な完成度には届かない。だからこそ、日常業務で標準のファイルマネージャーを置き換えるべきかどうか迷ってしまうのだ。しかし、タブは間違いなく魅力的で必要な機能だ。特に、多数のフォルダを同時に開いておきたい人にとっては。というわけで、あなたのジレンマはこの2候補にまで絞られた。ぜひ両方を試して、自分で決めてほしい。どちらを選んでも、生産性の向上は間違いない。それではまた次回。
それでは、また。
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