Windows Virtual Desktopサービスがクラウド上のWindowsを実現――Azureで手軽にデスクトップ環境を構築
クラウドへの移行を進める企業が増える中、マイクロソフトはWindows Virtual Desktop(WVD)を発表しました。このサービスを活用することで、企業はセキュリティやコンプライアンスを損なうことなく、Azure上でWindowsとOfficeを展開・スケールできます。イメージとしては「クラウド上のWindows」であり、デスクトップ領域を確保して、利用時間に応じて課金される仕組みです。インフラの維持管理や専任IT部門の運営を避けたい企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。

Windows Virtual Desktopとは
本題に入る前に、2014年に取り上げた「Windows as a Service」、すなわちWindows as a SaaSに関する議論に触れておきましょう。当時構想されていた姿が、ついに現実になったのです。オンプレミス環境への依存度が低い企業であれば、すべてをクラウドへ移行できます。すべてを移行しなくても、部分的な移行によって総コストを抑えることも可能です。
Windows Virtual Desktopは現在パブリックプレビュー中です。主な機能は以下のとおりです。
- ゲートウェイ、ライセンス、診断などの機能が、Azureのサービスとして提供されます。
- Windows ServerのリモートデスクトップやアプリケーションをAzureへ移行できます。
- IDプロバイダーとしてAzure Active Directory(Azure AD)を採用しており、多要素認証(MFA)やアクセス制限といったセキュリティ制御を利用できます。
- Active Directory参加済みの仮想マシン(VM)へのアクセスに、Azure AD IDを使用できます。
- Active Directory Federation Services(AD FS)によるシングルサインオン(SSO)を利用している場合、シームレスなサインオン体験が実現します。
- Windows Virtual Desktopの仮想マシンはプライベートIPで分離して動作するため、インターネットに直接公開されません。
- Windows 10マルチセッションでは、複数ユーザーがRDP経由で同じWindowsクライアントVMに同時にログインできる、Windows 10 Enterprise相当の体験を提供します。
- FSLogixテクノロジーへのアクセスにより、非永続環境でも従来のPCを使っているかのような快適なOffice体験が得られます。
- フルデスクトップ、RemoteApp、永続/非永続、専用/マルチセッションなど、多様な提供形態をサポートしています。
- 最新のアプリからレガシーなデスクトップアプリまで、数分でクラウドへ仮想化・展開できます。
さらに、2020年1月14日にサポートが終了するWindows 7についても、拡張サポートを受けられる点が大きな魅力です。
対応オペレーティングシステム一覧
- Windows 10(マルチセッションおよびシングルセッション)
- Windows 7(シングルセッション)
- Windows Server 2012 R2以降
Windows Virtual Desktopのビジネスモデル
マイクロソフトはこのサービスを、Windows 10 EnterpriseおよびMicrosoft 365のライセンスと連携させています。該当ライセンスをお持ちであれば、追加料金なしでWindows 10 EnterpriseやWindows 7 Enterpriseを利用できます。また、Microsoft Remote Desktop Services(RDS)クライアントアクセスライセンス(CAL)をお持ちの場合も、追加コストは発生しません。対象となるライセンスは以下のとおりです。
Windows 10 Enterprise マルチセッション / Windows 10 Enterprise
Microsoft 365 E3、E5、A3、A5、F1、Business、Windows E3、E5、A3、A5
Windows 7 Enterprise
Microsoft 365 E3、E5、A3、A5、F1、Business、Windows E3、E5、A3、A5
Windows Server 2012 R2、2016、2019
ソフトウェアアシュアランス付きのRDSクライアントアクセスライセンス(CAL)
なお、課金の対象となるのは、使用する仮想マシンに関連するAzureのコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングのみです。加えて、1年または3年のAzure Reserved Virtual Machine Instances(予約インスタンス)を選択すれば、最大72%の割引も受けられます。ニーズの変化に応じて、予約の交換やキャンセルもいつでも可能です。
詳細については、WVDの公式ドキュメントページをご確認ください。

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