Windows 10でユーザー名の代わりにSIDが表示される原因と対処法
セキュリティ識別子(SID)とは、Windowsオペレーティングシステムにおいて、セキュリティプリンシパル(セキュリティグループなど)を一意に識別するために使用される、可変長の一意な値です。汎用ユーザーや汎用グループを識別するSIDは特に広く知られており、その値はすべてのOSで共通しています。本記事では、一部のSIDがわかりやすい名前(フレンドリ名)に変換されない理由を解説し、可能な場合にSIDをフレンドリ名へ解決するための方法をご紹介します。
SIDがフレンドリ名に解決されない仕組み
この情報は、セキュリティに関わるトラブルシューティングや、Windowsアクセス制御リスト(ACL)エディターの表示問題の調査に役立ちます。WindowsはセキュリティプリンシパルをSIDによって追跡しており、ACLエディターに表示する際には、SIDを対応するセキュリティプリンシパル名へ解決します。
しかし、以下のような画面では、画像のようにフレンドリ名に解決されないアカウントSIDが表示されることがあります。
- エクスプローラー
- セキュリティ監査レポート
- レジストリエディターのアクセス制御リスト(ACL)エディター
これらのSIDが解決されないのは、Windows Server 2012およびWindows 8で「ケイパビリティSID(Capability SID)」と呼ばれる新しい種類のSIDが導入されたためです。仕様上、ケイパビリティSIDはフレンドリ名へ解決されません。
最もよく使われるケイパビリティSIDは次のものです。
S-1-15-3-1024-1065365936-1281604716-3511738428-1654721687-432734479-3232135806-4053264122-3456934681
なお、Windows 10バージョン1809では300以上のケイパビリティSIDが使用されています。
ユーザー名の代わりにSIDが表示される場合の確認手順
フレンドリ名に解決されないSIDをトラブルシュートする際は、まずそれがケイパビリティSIDではないことを確認してください。
注意: レジストリやファイルシステムのアクセス許可からケイパビリティSIDを削除しないでください。ファイルシステムやレジストリのアクセス許可からケイパビリティSIDを削除すると、機能やアプリケーションが正しく動作しなくなる可能性があります。また、一度削除したケイパビリティSIDは、UIから再び追加することができません。
登録されている全ケイパビリティSIDの一覧を取得する方法
Windowsが記録しているすべてのケイパビリティSIDの一覧を確認するには、以下の手順に従います。
1. Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
2. ダイアログボックスに regedit と入力し、Enterキーを押してレジストリエディターを起動します。
3. 次のレジストリキーのパスへ移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\SecurityManager\CapabilityClasses\
4. 右側のペインで AllCachedCapabilities エントリをダブルクリックします。
5. 値のデータボックス内のすべてのデータをコピーし、検索できるテキストエディターに貼り付けます。
※この値には、サードパーティ製アプリケーションが使用するすべてのケイパビリティSIDが含まれていない場合があります。
6. 貼り付けたデータの中から、調査対象のSIDを検索します。
レジストリデータ内に該当するSIDが見つかった場合、それはケイパビリティSIDであり、仕様上フレンドリ名には解決されません。見つからない場合は、既知のケイパビリティSIDではないため、通常の未解決SIDとしてトラブルシューティングを続行できます。ただし、サードパーティ製のケイパビリティSIDである可能性もわずかにあり、その場合もフレンドリ名には解決されない点に留意してください。
ケイパビリティSIDとは何か
ケイパビリティSIDは、ケイパビリティを一意かつ不変に識別するものです。ここでいう「ケイパビリティ」とは、ドキュメント、カメラ、位置情報などのリソースへのアクセスを、WindowsコンポーネントやユニバーサルWindowsアプリ(UWPアプリ)に許可する、偽造不可能な権限トークンのことです。「ケイパビリティを持つ」アプリケーションは、そのケイパビリティに関連付けられたリソースへのアクセスが許可され、「持たない」アプリケーションはアクセスを拒否されます。
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