PCのビープ音コード一覧とその意味を徹底解説【メーカー別】
パソコンの電源を入れてから起動するまでの間、実はさまざまな処理が行われています。PCが最初に行うのは、POST(Power On Self Test/パワーオンセルフテスト)と呼ばれるプログラムによるハードウェアチェックです。実際の起動プロセスに入る前に、ハードウェアの互換性や接続状態を確認しています。電源ボタンを押した直後に「ピッ」という1回のビープ音が鳴ってから起動することに気づいたことはありませんか?この単発のビープ音は無意味なものではなく、ハードウェアレベルで異常がないことを示す合図です。では、それ以外のビープ音のパターンは存在するのでしょうか?答えは「あります」。本記事では、ビープ音コードの一覧とその意味を詳しく解説します。
ビープ音コードとは何か
コンピュータから2回以上のビープ音が鳴る場合、通常はハードウェアに何らかの不具合が発生していることを意味します。まったくビープ音が鳴らないケースもあれば、一定のパターンでビープ音が鳴り続けるケースもあります。連続的に鳴るものもあれば、間隔を置いて鳴るもの、両者が混在するパターンもあり、それぞれに固有の意味があります。これを読み取ることで、問題の箇所を特定できます。簡単なトラブルシューティングで対処できるものもあれば、技術者による修理が必要なものもあります。一般的にチェックされる主な項目は以下のとおりです。
- ACアダプター
- システム基板(マザーボード)の電源
- プロセッサ(CPU)の故障
- BIOSの破損
- メモリ(RAM)の故障
- グラフィックスの故障
- システム基板の故障
- BIOS認証エラー
なお、ビープ音に関しては、すべてのOEMメーカーが従う統一規格は存在しません。各メーカーごとに独自のパターンが定められているため、以下に主要メーカーのコードを紹介します。
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Dell(デル)のビープ音コード
以下の表では、コードを「1」「2」「3」のように表記しています。たとえば「ビープコード3」は、短い間隔を挟んで3回のビープ音を繰り返すパターンを意味します。PCをシャットダウンすると、ビープ音も停止します。
Inspiron(インスパイロン)の電源LED点滅/ビープ音コード
| LED/ビープコード | 障害内容 | 該当する障害 | 推奨される対処法 |
|---|---|---|---|
| 1 | マザーボード:BIOS ROM障害 | マザーボード(BIOSの破損またはROMエラー) | Dell Diagnostics(診断ツール)を実行する |
| 2 | メモリ | メモリ(RAM)が検出されない | メモリのトラブルシューティングを行う |
| 3 | マザーボード:チップセット |
| Dell Diagnosticsを実行する |
| 4 | メモリ | メモリ(RAM)の故障 | メモリのトラブルシューティングを行う |
| 5 | リアルタイムクロックの電源障害 | CMOSバッテリーの故障 | CMOSバッテリーを差し直し、解決しない場合はDell Diagnosticsを実行する |
| 6 | ビデオBIOS | ビデオカード/チップの故障 | Dell Diagnosticsを実行する |
| 7 | CPU | プロセッサ(CPU)の故障 | Dell Diagnosticsを実行する |
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XPSの電源LED点滅/ビープ音コード
| コード | エラー内容 | 推奨される次のステップ |
|---|---|---|
| 1 | マザーボードの故障の可能性 – BIOS ROMチェックサムエラー | Dell Diagnosticsを実行する |
| 2 | RAMが検出されない 注意:メモリモジュールを取り付けまたは交換した場合は、正しく装着されていることを確認してください | メモリのトラブルシューティングを行う |
| 3 | マザーボードの故障の可能性 – チップセットエラー | Dell Diagnosticsを実行する |
| 4 | RAMの読み書きエラー | メモリのトラブルシューティングを行う |
| 5 | リアルタイムクロック(RTC)の電源障害 | CMOSバッテリーを差し直し、解決しない場合はDell Diagnosticsを実行する |
| 6 | リアルタイムクロック(RTC)の故障 | Dell Diagnosticsを実行する |
| 7 | ビデオカードまたはチップの故障 | ビデオカードの接続を確認する |
| 8 | プロセッサの故障 | CPUの装着状態を確認する |
HP(HP Inc.)の共通Core BIOSエラービープ音コード
HPのビープ音コードは他社と少し異なり、「メジャー(Major)」と「マイナー(Minor)」の2種類で構成されています。メジャーはエラーの大分類を示し、マイナーはそのカテゴリ内の具体的な問題を示します。具体的には、長い点滅と短い点滅、長いビープ音と短いビープ音が組み合わせられて通知されます。
| 長いビープ音/点滅の回数 | エラーカテゴリ |
| 1 | 未使用(1回のみのビープ音/点滅は使用されない) |
| 2 | BIOS |
| 3 | ハードウェア |
| 4 | サーマル(温度関連) |
| 5 | システム基板 |
点滅/ビープ音のパターンは、以下のルールによって決定されます。
- 最後のメジャー点滅の後に、1秒間のポーズが入ります。
- 最後のマイナー点滅の後に、2秒間のポーズが入ります。
- ビープ音のエラーコードは、パターンが5回繰り返された後に停止します。
- 点滅によるエラーコードは、電源プラグを抜くか電源ボタンを押すまで継続します。
IBM デスクトップPC
| ビープ音 | 意味 |
|---|---|
| ビープ音なし | 電源が入らない、拡張カード(ISA、PCI、AGP)の接触不良、ショート、またはマザーボードのアース不良 |
| 1回(短音) | システム正常 |
| 1回(長音) | ビデオ/ディスプレイの問題。ビデオカードが正しく装着されていないか故障している |
| 2回(短音) | POSTエラーがモニターに表示されている |
| 3回(長音) | 3270キーボードカードの問題 |
| 1長1短 | システム基板の問題 |
| 1長2短 | ディスプレイアダプター(MDA、CGA)の問題 |
| 1長3短 | EGAの問題 |
| 短音の繰り返し | 電源ユニットまたはシステム基板の問題 |
| 連続ビープ音 | 電源ユニットまたはシステム基板の問題 |
IBM ThinkPad
| ビープ音 | 意味 |
|---|---|
| 連続ビープ音 | システム基板の故障 |
| 1回のビープ音+画面が真っ暗 | LCDコネクターの問題、LCDバックライトインバーターの故障、ビデオアダプターの故障、またはLCDアセンブリの故障 |
| 1回のビープ音+「Unable to access boot source」のメッセージ表示 | ブートデバイスの故障またはシステム基板の不良 |
| 1長2短 | システム基板、ビデオアダプター、またはLCDアセンブリの故障 |
| 1長4短 | バッテリー電圧の低下 |
| 1秒ごとに1回のビープ音 | バッテリー電圧の低下 |
| 2回の短音+メッセージ表示 | 画面に表示されたエラーメッセージを確認する |
| 2回の短音+画面が真っ暗 | システム基板の故障 |
Compaq(コンパック)
| ビープ音 | 意味 |
|---|---|
| 1回(短音) | エラーなし:システムは正常に起動しています。 |
| 1長1短 | BIOS ROMチェックサムエラー:BIOS ROMの内容が想定値と一致していません。可能であればCompaqからBIOSを再ロードしてください。 |
| 2回(短音) | 一般エラー:このコードの詳細情報は公開されていません |
| 1長2短 | ビデオエラー:ビデオアダプターを確認し、正しく装着されているかチェックしてください。可能であればビデオアダプターを交換してください。 |
| 7回のビープ音(1長1短1長1短→ポーズ→1長1短1短) | AGPビデオ:AGPビデオカードの故障です。カードを差し直すか、交換してください。このコードはCompaq Deskproシステムに関連します。 |
| 連続ビープ音 | メモリエラー:RAM不良です。交換してテストしてください。 |
| 1短2長 | RAM不良:RAMを差し直して再テストし、改善しない場合は交換してください。 |
ASUS(ASUSTeK)のBIOSビープ音コード
| BIOSビープ音 | 説明 |
| 1回の短いビープ音 | VGA検出済み/キーボード未検出 |
| 2回の短いビープ音 | CrashFree BIOSを使用してBIOSを復旧した際に、新しいBIOSが正常に認識された |
| 1回の連続ビープ音+2回の短いビープ音、その後ポーズ(繰り返し) | メモリが搭載されていない/検出されない |
| 1回の連続ビープ音+3回の短いビープ音 | VGAが検出されない |
| 1回の連続ビープ音+4回の短いビープ音 | ハードウェアコンポーネントの故障 |
Lenovo(レノボ)のビープ音コード
| 症状またはエラー | 順番に実行するサービス部品またはアクション |
|---|---|
| 1回のビープ音と、真っ暗・判読不能・点滅するLCD |
|
| 1長2短のビープ音と、真っ暗または判読不能なLCD |
|
| 2回の短音+エラーコード表示 | POSTエラーです。数値エラーコードの資料を参照してください。 |
| 2回の短音+画面が真っ暗 |
|
| 3回の短音→ポーズ→さらに3回の短音→1回の短音 |
|
| 1回の短音→ポーズ→3回の短音→ポーズ→さらに3回の短音→1回の短音 |
|
| カーソルのみが表示される | オペレーティングシステムを再インストールする |
| 4回の短音×4サイクルと、画面が真っ暗 | システム基板(セキュリティチップ) |
| 5回の短音と、画面が真っ暗 | システム基板 |
本記事では、主要ブランドのビープ音コード一覧とその意味をご紹介しました。お使いのメーカーがここに含まれていない場合は、必ず各OEMの公式サイトで対応するコードを確認してください。
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