Microsoft Azure Filesとは?企業向けセキュアなサーバーレス クラウド ファイル共有サービスを徹底解説
Microsoft Azure Files(旧称:Microsoft Azure File Service)は、エンタープライズユーザー向けに提供される、シンプルかつ安全なサーバーレス型のフルマネージド クラウド ファイル共有サービスです。Azure Filesを利用することで、業界標準のSMB(Server Message Block)プロトコルやNFS(Network File System)プロトコル、さらにAzure Files REST APIを通じてファイル共有にアクセスできます。
Azureのクラウド ストレージ サービスとAzure Files
エンタープライズ ユーザーは、Azureクラウドで利用可能な複数のクラウド ストレージ サービスの中から、ニーズに合ったものを選択できます。オブジェクト ストレージ、ブロック ストレージ、ファイル ストレージといったこれらのソリューションは、高い可用性とエンタープライズ グレードのセキュリティを備えており、クラウド パフォーマンスのスケーリングとデータ管理の一元化を実現します。
Azure Filesは、高可用性と耐久性に優れた分散ファイル システムを提供するマネージド型のファイル共有・ストレージ サービスです。オンプレミスのファイル共有をAzure Filesで置き換えたり補完したりすることで、組織は停電やネットワーク障害が事業継続に与える影響を気にすることなく、本来のコアビジネスに集中できるようになります。
Azure Filesでは、以下のリソースが12か月間、毎月無料で提供されます。
- 100GBのローカル冗長ストレージ(LRS):トランザクション最適化、ホット、クールの各ファイル階層
- 200万回の読み取り、一覧表示などのファイル操作
Azure Filesは完全なマネージド サービスであるため、ユーザーは管理・運用の負担から解放されます。保存されたデータにアクセスするには、ファイル共有がマウントされているパスに移動してファイルを開くだけです。
また、Azure FilesはSMB、NFS、FTP(File Transfer Protocol)など複数のプロトコルをサポートしているため、さまざまなソースからデータを保存・アクセスできます。多様なプロトコルへの対応により、オンプレミスのファイル共有をAzureファイル共有へシームレスに置き換えることが可能で、アプリケーションの互換性やファイル システムの共有性を気にすることなく、複数のマシン、アプリケーション、アプリケーション インスタンス間でファイル システムを共有できます。
さらに、このサービスはハイブリッド クラウド環境にも最適です。Windows Serverをクラウド ファイル共有のキャッシュとして活用し、どこからでもファイル共有をマウントしながら、オンプレミス同等のパフォーマンスを実現できます。
Azure Filesへのアクセス方法
Azure Filesのファイル共有へのアクセスと利用は簡単です。Windows、Linux、macOSなど、さまざまなシステムのクラウドまたはオンプレミス環境から、同時に直接ファイル共有をマウントできます。また、Azure File Sync機能を使用して、Windows Server上にSMB Azureファイル共有をキャッシュすることも可能です。キャッシュにより、データが使用される場所の近くから高速にアクセスできます。
Azure Files AD認証と組み合わせることで、SMB Azureファイル共有はオンプレミスのActive Directory Domain Services(AD DS)と連携し、強力なアクセス制御を実現します。
分散ファイル システムであるAzure Filesは、エンタープライズ用途において高い可用性と耐久性を誇ります。裏側に隠れたIaaS(Infrastructure as a Service)仮想マシン(VM)やNAS(Network Attached Storage)ファイラーは存在せず、透明性が高く、利用もシンプルです。さらに、Azure Filesは従来のオンプレミス ファイル サーバーやNASデバイスをAzureクラウドへ拡張・補完することができ、デバイスを完全に置き換えて、シンプルで高速、安全かつ手間のかからないクラウド ファイル ストレージを提供することも可能です。
Azure File Syncとは
Azure FilesにはFile Sync機能が含まれており、SMB Azureファイル共有をオンプレミスおよびクラウド上のWindowsサーバーにレプリケートできます。これによりパフォーマンスが向上し、分散データ キャッシングが可能になります。Azure File Syncは、ファイル共有を一元化しながらWindowsファイル サーバーの柔軟性と互換性を提供することで、ファイル ストレージとアクセスの最適化にも役立ちます。
Azure File Syncを使用すると、必要な数だけキャッシュを維持できます。また、クラウドの階層化(cloud tiering)を有効にすると、頻繁にアクセスされるファイルはローカル サーバーにキャッシュし、アクセス頻度の低いファイルはクラウドへ階層化できます。階層化されたファイルは必要に応じて迅速に呼び出せるため、ユーザー エクスペリエンスが向上します。さらに、オンプレミスに保存するデータ量が減るため、ストレージ コストの削減にもつながります。ローカル データには、SMB、NFS、FTPなど、Windows Serverで利用可能な任意のプロトコルを使用して簡単にアクセスできます。
Azure Filesのメリット
Azure Filesは、最新のエンタープライズ ワークロード向けに、シンプルで安全なクラウド ファイル共有サービスを提供します。ファイル共有は完全にマネージドかつサーバーレスであり、基盤となるインフラストラクチャや管理タスクはすべてMicrosoftが担当します。そのため、ユーザーはハードウェア管理、OSパッチ適用、セキュリティ アップグレードといった雑務ではなく、本質的な業務に集中できます。
このサービスはOSに依存しないため、Windows、Linux、macOSなど、あらゆるクライアントからAzureファイル共有を直接マウントしてアクセスできます。LinuxクライアントからNFS Azureファイル共有にアクセスすることも可能です。
さらに、Azure FilesではSMB Azureファイル共有をオンプレミスおよびクラウド上のWindowsサーバーにレプリケートできます。この選択の柔軟性により、オンプレミス サーバーを補完し、分散データ キャッシングによって全体的なパフォーマンスを向上させます。また、管理者はPowerShellコマンドレット、Azure CLI、Azureポータル、Azure Storage Explorerを使用して、Azureファイル共有を簡単に作成・管理できます。
Azure Filesを使用すれば、Windowsファイル サーバーをクラウドへ簡単に移行できます。ファイル共有を前提とするアプリケーションを「リフト&シフト」する際も、ダウンタイムが発生せず、既存のリンクを切断する必要はありません。MicrosoftのStorage Migration ServiceとAzure File Syncを活用すれば、移行はさらに簡素化されます。
Azure Filesは、クラシックなリフト&シフトとハイブリッドなリフト&シフトの両方のクラウド移行をサポートしています。クラシックな手法では、アプリケーションとそのデータをまとめてAzureに移行します。一方、ハイブリッドな手法では、データのみをAzure Filesに移行し、アプリケーション自体はオンプレミスで実行し続けることができます。
Azure Filesの主なユースケース
Azure Filesは、サービスを直接マウントする場合でも、Azure File Syncを使ってオンプレミスにキャッシュする場合でも、クラウド ファイル共有に最適な選択肢です。特に、共有アプリケーション設定が必要なクラウド開発プロジェクトなど、幅広い用途で役立ちます。Azure Filesを使用すると、プロジェクトの構成ファイルを一元化された場所に保存し、複数のアプリケーション インスタンスからアクセスできます。これらのインスタンスはAzure Files REST APIを通じてファイルを読み込みます。ユーザーは共有をローカルにマウントしてファイルにアクセスすることもできます。
また、Azure Filesは、クラウド アプリケーションのログ、メトリック、クラッシュ ダンプの保存にも便利です。開発者はローカル マシンにファイル共有をマウントしてこれらのファイルにアクセスできます。さらに、クラウド上のVMで作業する際、ユーティリティやツールをクラウドにコピーする必要はありません。代わりに、VM(または複数のVM)にAzureファイル共有をローカルにマウントするだけで済みます。つまり、Azure Filesにより、ユーザーはクラウドの柔軟性を享受しながら、慣れ親しんだツールで自由に作業できるのです。
最後に、Azure Filesはコンテナベースのアプリケーションにも理想的です。コンテナを使用することで、開発者は一度ビルドすればどこでも実行でき、アプリケーション開発と市場投入までの時間を短縮できます。Azureファイル共有はステートフルなコンテナの永続ボリュームとして使用でき、NFSまたはSMBファイル共有を使用してコンテナ間でデータを共有できます。Azure FilesはAzure Kubernetes Service(AKS)と緊密に統合されているため、SMBファイル共有によるコンテナ間のデータ共有や、容易なクラウド ファイル ストレージとデータ管理が実現します。
パブリック クラウドのファイル ストレージには、主要ベンダーから多くの選択肢が提供されており、パフォーマンスは重要な検討ポイントとなります。導入前に、各社のクラウド ファイル ストレージ オプションを比較検討することをおすすめします。
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