MacとiPadでマウスとキーボードを共有する方法|ユニバーサルコントロール完全ガイド
Appleが2021年6月に発表して以来、macOS Montereyの新機能の中で最も期待されていたのが「ユニバーサルコントロール(Universal Control)」です。発表から9か月後の2022年3月14日、ついにこの機能がMacとiPadに提供されました。
ユニバーサルコントロールとは?
ユニバーサルコントロールは、macOS MontereyとiOS 15のリリース時に搭載が見送られていた8つの機能のうちのひとつです。
この機能を使えば、作業中のすべてのMacやiPadで同じキーボードとマウスを共用できます。デバイスを切り替えるのは簡単で、ポインタを画面の端まで移動させるだけ。さらに、ドラッグ&ドロップでデバイス間のコンテンツのやり取りも直感的に行えます。
ユニバーサルコントロールは、Appleが数年前から提供しているContinuity(連係機能)を土台とした機能で、デバイス間をシームレスに行き来できるようにするものです。2019年のmacOS CatalinaではSidecarが登場し、iPadをMacのサブディスプレイとして簡単に使えるようになりました。
しかし、ユニバーサルコントロールはSidecarよりも一歩進んでいます。iPadの画面を単なるMacのセカンダリディスプレイにするのではなく、iPadでは引き続きiPadOSが動作するため、Macのサブ画面としてではなく「iPadとして」そのまま操作できるのです。
同様に、Mac同士でもSidecarのような使い方が可能です。メインのMacの画面をサブのMacへ拡張表示することもできますし、2台のMacをそれぞれ独立させて使い分けることもできます。
本記事では、2台のMac、あるいはMacとiPadの間でキーボードとマウスを共有する方法、そして2台目のMacをメインMacの追加ディスプレイとして使う方法を詳しく解説します。

ユニバーサルコントロールに必要なもの
ユニバーサルコントロールはMacとiPadの両方でデフォルトで有効になっていますが、事前に確認・設定しておくべき点がいくつかあります。
- ユニバーサルコントロールは2022年3月14日リリースのmacOS 12.3およびiPadOS 15.4で利用可能になりました。利用にはMac側でmacOS 12.3以降、iPad側でiPadOS 15.4以降が必要です。
- 対応機種のMacおよびiPadが必要です(下記の対応リストを参照)。
- MacとiPadの両方でBluetoothとWi-Fiをオンにしておく必要があります。
- 両方のデバイスで同じiCloudアカウントにサインインしている必要があります。
- iPadまたはサブのMacは、メインのMacから10m(約30フィート)以内に置く必要があります。
ユニバーサルコントロールの対応機種
残念ながら、すべてのMacやiPadでこの機能が使えるわけではありません。1組のキーボード・マウス・トラックパッドで複数のMacやiPadを操作したい場合は、比較的新しいMacとiPadが必要です。加えて、両方のデバイスが同じApple IDでサインインしていること、2ファクタ認証が有効であること、macOS 12.3またはiPadOS 15.4以降が動作していることが条件となります。
また、デバイス同士は互いに10m以内の距離にあり、同じWi-Fiネットワークに接続している必要があります。

対応しているMac
- MacBook Pro(2016年以降)
- MacBook(2016年以降)
- MacBook Air(2018年以降)
- 21.5インチiMac(2017年以降)
- 27インチiMac(2015年以降)
- 24インチiMac
- iMac Pro
- Mac mini(2018年以降)
- Mac Pro(2019年)
対応しているiPad
- iPad Pro
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad(第6世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
つまり、2015年以前のMacではこの機能を利用できません(当時の27インチiMacをお持ちの場合を除きます)。
Intel Macでも使える?
はい、一部の比較的新しいIntel Macでもユニバーサルコントロールは動作します。
iPhoneにも対応している?
ユニバーサルコントロールで接続できるのはMacとiPadのみで、iPhoneは対象外です。iPhoneはこのようなセットアップにおけるサブディスプレイとして適していないためです。
最大何台まで接続できる?
最大3台のMacまたはiPadを連携できます。ただし、iPadと組み合わせる場合は必ずMacが必要です。現時点では、iPad同士を直接つなぐことはできません。
2台のMacでマウスとキーボードを共有する方法
2台のMacでキーボードとマウスを共用したい場合は、以下の手順に従ってください。
- Macで「システム環境設定」を開き、「ディスプレイ」を選択します。
- 「ユニバーサルコントロール」をクリックします。
- 次の3つのチェックボックスをすべてオンにします。「近くにあるMacまたはiPad(iCloudアカウントにサインインしているもの)との間で、カーソルとキーボードの移動を許可」「ディスプレイの端を押し進めて、近くにあるMacまたはiPadに接続」「近くにあるMacまたはiPadに自動的に再接続」。最後の項目を有効にすると、次回から自動的に再接続されます。

- もう一方のMacでも、「システム環境設定 > ディスプレイ > ユニバーサルコントロール」で同じ3つのオプションを有効にします。(これを忘れると、次のステップで「ディスプレイを追加」の下に「キーボードとマウスをリンク」の項目が表示されません。)
- 「ディスプレイを追加」の横のプルダウンをクリックすると、「キーボードとマウスをリンク」という項目と、その下にサブのMacの名前が表示されます。

- マウスを2台目のMacの方向へ動かすと、相手の画面上にカーソルが現れます。書類をクリックすれば、キーボードで入力できるようになります。
- 最後に、机の上の実際の配置に合わせてディスプレイの位置をドラッグして調整しておきましょう。各画面の場所が把握しやすくなります。
これで設定完了です。カーソルをサブのMacの方向へドラッグすると、画面の端に達した時点でカーソルがもう一方の画面へ移動し、キーボードとマウスでサブのデバイスを操作できるようになります。
たとえば、MacBookでFaceTimeを使いたい場合でも、普段Mac miniで使っているマウスとキーボードをそのまま使えます。このとき起動しているのはMac miniではなく、あくまでMacBook上のFaceTimeアプリです。
2台目のMacを拡張ディスプレイとして使う方法
画面を単純に追加ディスプレイとして使いたいだけなら、以下の手順を実行します。
- Macで「システム環境設定」を開き、「ディスプレイ」を選択します。
- 「ディスプレイを追加」をクリックすると、サブのMacやiPadの名前が表示されます。
- iPadまたはサブのMacを選択します。
- 表示設定が気に入らない場合(検証時は文字がかなり小さくなりました)は、「ディスプレイ設定」をクリックし、左側の列でデフォルトとして使いたいモニターを選択します。
- 画面がミラーリングされていて、拡張表示にしたい場合は「使用方法:」の横のプルダウンで「メインディスプレイ」ではなく「ミラーリングを停止」を選択します。
- サブのMacの画面の解像度が合わない場合は、「スケール」を選択し、最適だと思われるオプションを選びます。
これは、iPadの画面をMacと共有する際のSidecarの仕組みに少し似ています。メインのMacの画面がサブのMacのディスプレイへ拡張されるだけで、サブのMac自体を操作することはできません。
古いiMacのディスプレイを新しいMacで活用したいと考えている方は、注意が必要です。上記の対応リストに含まれる機種(サイズによって2015年または2017年以降)でない限り、ほぼ確実に非対応でしょう。
iPadとマウス・キーボードを共有する方法
まずiPad側で以下の設定を行います。
- 「設定 > 一般」を開きます。
- 「AirPlayとHandoff」を選択します。
- 「カーソルとキーボード」が選択されていることを確認します。
続いてMac側で以下の手順を実行します。
- 「システム環境設定 > ディスプレイ」を開きます。
- 「ディスプレイを追加」をクリックします。
- 「キーボードとマウスをリンク」の下にiPadが表示されているはずです。

- iPadを選択します(表示されない場合は、iPadのロックを解除するかスリープを解除してみてください!)。
- ウィンドウ内の画面アイコンをクリックしてドラッグし、机の上の実際の配置に合わせておくと、各画面を見つけやすくなります。
なお、検証中にiPadのホームボタンを押すとユニバーサルコントロールが解除されてしまうことがわかりました。ホームボタンを操作した場合は、「システム環境設定 > ディスプレイ」から再度接続し直す必要があるかもしれません。
iPadをMacの追加ディスプレイとして使う方法
こちらは、数年前から存在する「Sidecar」という機能です。
この機能はユニバーサルコントロールとは異なり、このモードではiPadをiPadとして使うことはできません。Macのインターフェイスを表示する、単なるMac用の画面になります。
iPadをこのように使うには、以下の手順に従います。
- Macで「システム環境設定 > ディスプレイ」を開きます。
- 「ディスプレイを追加」をクリックします。
- 「ミラーリングまたは拡張表示先」の候補リストにiPadが表示されるので、それをクリックします。
- これでiPadの画面に、Macの拡張画面が表示されます。
- Macの画面をミラーリングしたい場合は、ディスプレイ設定ウィンドウの左側の列でiPadをクリックし、「拡張ディスプレイとして使用」から「メインディスプレイとして使用」に切り替えます。
- これでMacの画面がiPadに表示されます。
Sidecarを使ってiPadをMacのセカンドスクリーンにする方法については、別記事で詳しく解説しています。
MacとiPadの間でドラッグ&ドロップする方法
ユニバーサルクリップボードのおかげで、以前からAppleデバイス間でテキストのコピーやペーストは可能でしたが、ユニバーサルコントロールの登場により、ファイルなどをiPadとMacの間で(そしてその逆方向にも)ドラッグ&ドロップすることが本当に簡単になりました。もちろん、2台のMac間でも(AirDropを経由せずに)ドラッグ&ドロップが可能です。
MacからiPadへファイルや写真をドラッグする方法
ユニバーサルコントロールが登場する前は、MacからiPadへ(またはその逆へ)ファイルや写真をコピーするには、AirDropを使うか、メッセージやメールで送信するか、iCloudに保存してどちらのデバイスからでもアクセスできるようにする必要がありました。たとえば、iCloud+に加入していればデスクトップに保存したものはどのAppleデバイスからでもアクセスできます。
現在は、ユニバーサルコントロールのおかげでMacからiPadへのドラッグ&ドロップが簡単になりました。ただし、iPad側のどこに置くかを指定してあげる必要があります(自動的に正しい場所へ入ってくれるわけではありません)。
たとえば、MacからiPadへ写真をコピーしたい場合は、以下の手順に従います。
- iPadで「写真」アプリを開いておきます。
- Macで目的の写真をクリックします。
- その写真をMacの画面からiPadの画面へドラッグします。
- 写真アプリの上に写真をドロップします(アイコンにドロップしてもうまくいかないことがあるため、アプリを開いた状態にしておく必要があります)。
一方、iPadからMacへのドラッグ&ドロップははるかに簡単です。デスクトップへドラッグ&ドロップするだけで、そこにファイルが保存されます(スタックを有効にしている場合は、該当するフォルダに整理されます)。もちろん、特定のフォルダへドラッグしてドロップすることもできます。
-
Appleのユニバーサルクリップボードとは?設定方法・使い方・うまく動かないときの対処法を徹底解説
Appleが2016年に発表した「ユニバーサルクリップボード(Universal Clipboard)」は、「Continuity(コンティニュイティ)」機能の一部として提供されている便利な機能です。Continuityとは、macOS、iOS、watchOS、tvOSを搭載したデバイス同士が相互に通信し、タスクをシームレスに引き継げるようにする機能群の総称です。その中でもユニバーサルクリップボードを使えば、あるデバイスでコピーしたテキストやマルチメディアデータを、iCloud経由で別のデバイスにそのまま貼り付けられます。ただし、実際にはAppleが理想とするほどスムーズに動作しないことも少
-
MacとWindows PC間でファイルを共有・移行する6つの方法
新しいMacを購入したものの、Windows PCからデータをどう移せばいいのか悩んでいませんか?OSが異なるためデータ転送が難しいのでは、と考えるのは自然なことです。しかし実際には、正しいソフトウェアを使ったり適切な手順を知っていれば、ドキュメントやメディアファイル、写真などをMacとWindowsの間で簡単にやり取りできます。ただし、後でアクセスしやすいように、転送したいデータをあらかじめ整理しておくことをおすすめします。 事前準備:PCのIPアドレスを確認する 転送作業を始める前に、自分のコンピュータのIPアドレスを把握しておく必要があります。IPアドレスがわからない場合は、以下の手順で