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Macターミナル初心者ガイド:基本の使い方と覚えておきたい便利コマンド

日常のMac作業のほとんどは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)のおかげで快適にこなせます。しかし、Finderが間に入ることで操作がもどかしく感じることもあります。

たとえば、5GBの巨大ファイルがどこに隠れているのかを素早く突き止めたいとき、あるいは「削除したはずのアプリ」に関連するファイルのパスをすべて把握したいとき。こうした作業には、コマンドラインこそが最強の味方になります。

ターミナルとは?

ターミナル(Terminal)は、コマンドラインを通じてMacを操作できるユーティリティです。macOSとLinuxはどちらもUnix系OSであるため、Linuxにも同様のツールが搭載されています。ターミナルに入力してMacと対話するための言語(コマンドラインインターフェース:CLI)は「bash」と呼ばれます。本記事で紹介するコマンドは、すべてこのbashコマンドです。

ターミナルを使い始める前に、自分好みにカスタマイズしておくのもおすすめです。見た目や操作性にこだわりたい方は、サードパーティ製のターミナルアプリを導入する選択肢もあります。

Macコマンドラインの基本知識

まず、ターミナルを使う上で知っておきたい基本ポイントを確認しましょう。

基本の構文

bashコマンドは、一般的に次のパターンで構成されます。

[コマンド] [オプション] [入力内容またはファイル・ディレクトリのパス]

たとえば、次のコマンドを見てみましょう。

ls -la /Applications

この場合、「ls」がコマンド本体、「-la」は2つのオプション(「-l」と「-a」)を組み合わせたもの、「/Applications」が一覧表示対象のパスを意味します。

パスの考え方

パスを理解すると、macOSがファイルをどのように認識しているのかが見えてきます。ファイルのパスとは、そのファイルを格納するフォルダの階層構造(マトリョーシカのように入れ子になったフォルダ群)に、ファイル名を付け加えたものです。

たとえば、ユーザー「John Doe」のデスクトップにある「My Secrets」というファイルのパスは、次のようになります。

/Users/jdoe/Desktop/"My Secrets"

空白(スペース)の扱い

パスに空白が含まれる場合は、適切にエスケープする必要があります。bashはスペースを見つけると、それをコマンドの終わりと解釈するためです。たとえば「Path Test」というフォルダの内容を表示しようとして、次のように入力するとエラーになります。

ls /Applications/Path Test
Macターミナル初心者ガイド:基本の使い方と覚えておきたい便利コマンド

何が起きているのでしょうか? bashは「/Applications/Path」というファイルに対して「ls」を実行しようとしたものの、そのファイルが見つからず処理を中断したのです。

フォルダの完全な名前を認識させたい場合は、次のいずれかの方法を使います。

  • 名前を引用符で囲む:
    ls /Applications/"Path Test"
  • バックスラッシュでエスケープする:
    ls /Applications/Path\ Test

sudo

後述するコマンドの多くは、管理者レベルの権限を必要とします。管理者アカウントでログインしていなくても、管理者のパスワードが分かれば、コマンドの前に「sudo」(「superuser do」の略)を付けることで、一時的に管理者権限で実行できます。

作業効率を上げるターミナルコマンド

基本を押さえたところで、実用的なコマンドを紹介します。なお、各コマンドの詳細(すべてのオプションや使用例)は、ターミナルで次のように入力すれば確認できます。

man <コマンド名>

find

  • 代替できるもの: Spotlight
  • 優れている点: より高速で、Spotlightが除外したりインデックス化に苦労したりするシステムフォルダも検索できる。

Spotlightは、設定を変更しない限りmacOSのシステムファイルを検索対象から外す傾向があり、仮に対象にしてもインデックス化がうまくいかないことがあります。一方、bashの「find」コマンドは、あらゆる場所をあらゆる条件で検索でき、目的のファイルの完全なパスを出力してくれます。

「find」の構文は、次の4つの要素で構成されます。

  1. find(コマンド本体)
  2. 検索したいディレクトリのパス(下の例では「/Applications」)
  3. オプション(下の例では「-name」。指定した名前に一致するファイルを検索する)
  4. 検索する文字列(下の例では「Google Chrome」)

なお、「find」は正規表現(regex)を使用します。正規表現の詳細な解説は本記事の範囲を超えますが、ここでは重要な概念であるアスタリスク「*」(ワイルドカード文字)を紹介します。

検索文字列の前後にアスタリスクを付けると、検索語の前後に任意の文字が含まれる結果も出力されます。この場合、「Google Chrome」と検索すると「Google Chrome.app」がヒットします。

すべてを組み合わせると、次のようになります。

Macターミナル初心者ガイド:基本の使い方と覚えておきたい便利コマンド

du

  • 代替できるもの: 「Cmd + I」で表示する情報ウィンドウ
  • 優れている点: 複数のフォルダを一度に確認でき、表示も高速。

du」は「disk usage(ディスク使用量)」の略で、ファイルやフォルダ、さらにはフォルダ内のファイル一覧のサイズを素早く確認できます。

「du」で便利なオプションは次のとおりです。

  • -d(depth:深さ): 数字を続けて指定すると、検索する階層の深さを限定できます。
    • たとえば「du -d 1 /Applications」を実行すると、「アプリケーション」フォルダ直下のフォルダとファイルの合計サイズのみが表示され、その中のサブフォルダのサイズは表示されません。
  • -h(human readable:人間が読みやすい形式): ファイルサイズを「K」(キロバイト)、「M」(メガバイト)、「G」(ギガバイト)の単位で表示します。

「du」の実行例:

Macターミナル初心者ガイド:基本の使い方と覚えておきたい便利コマンド

mv

  • 代替できるもの: フォルダやファイルのドラッグ&ドロップによる移動
  • 優れている点: 高速で、フォルダ間の移動操作(ナビゲーション)が不要。

mv」を使えば、ファイルやフォルダを別のフォルダへ素早く移動できます。仕組みはシンプルで、パス名を書き換えるだけです。

構文は次のとおりです。

mv <移動元のファイルパス> <移動先のファイルパス>

たとえば、次のコマンドを実行すると、「file1」がjdoeの「書類」フォルダから「デスクトップ」へ移動します。

mv /Users/jdoe/Documents/file1 /Users/jdoe/Desktop/file1

ls

  • 代替できるもの: 「Cmd + I」で表示する情報ウィンドウ
  • 優れている点: 高速で、複数ファイルの情報を一度に表示でき、カスタマイズ性も高い。

ls」は、フォルダの中身を正確に把握できる非常に強力なコマンドです。アクセス権限、隠しファイルや隠しフォルダの有無なども確認できます。

「ls」で便利なオプションは次のとおりです。

  • -l(long): フォルダ内の各ファイルのアクセス権限、最終更新日時、所有者、ファイル名を表示します。
  • -a(all): 隠しファイルを含むフォルダ内のすべてのファイルを表示します(デフォルトで非表示になっているmacOSのユーザーライブラリを表示するのに便利です)。

出力例:

Macターミナル初心者ガイド:基本の使い方と覚えておきたい便利コマンド

mkdir

  • 代替できるもの: Finder > ファイル > 新規フォルダ
  • 優れている点: 高速で、新規フォルダをダブルクリックしてリネームする代わりに、コマンド内で直接名前を指定できる。

このコマンドを使えば、新しいフォルダを一瞬で作成できます。

例:

mkdir /Users/jdoe/Desktop/cool_stuff

rm

  • 代替できるもの: ファイルをゴミ箱へ移動して空にする操作
  • 優れている点: 高速で、ゴミ箱でも削除できない厄介なファイルの削除に役立つ。

このコマンドは、指定したパスのファイルを、即座に容赦なく削除します。当然ながら、細心の注意を払って使用してください。「ゴミ箱を空にする」とは異なり、「rm」は本当に削除してよいか確認しません。ユーザーが自分の行動を理解しているものと見なすのです。

「rm」について注意すべき点は、デフォルトではファイルのみを削除し、フォルダは削除しないことです。フォルダを削除するには、「recursive(再帰的)」を意味する「-R」オプションを使用する必要があります。

例:

rm -R /Users/jdoe/Desktop/cool_stuff

ターミナルでMacを使いこなそう

これで、必須のターミナルコマンドをいくつか習得し、日常のMacワークフローに組み込み始められます。bashに慣れてきたら、日常業務の置き換えにとどまらず、コマンドラインでしか実現できない強力な機能を探索してみましょう。

まずは、macOS最高のパッケージマネージャー「Homebrew」をインストールするのがおすすめです。新しいプログラミング言語やソフトウェアリポジトリなどを簡単に導入できます。その後は、楽しくてクールなコマンドを試したり、ターミナルをカスタマイズしてさらに便利にしたりと、可能性は無限に広がります。

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