Windows 11/10の起動を高速化! ブート時間を短縮する8つの実証済み対処法
本記事の内容は、2014年からテックメディアMUOに在籍し、現在はシニアエディターを務めるBen Stegner氏の専門知識に基づいています。氏は2009年からWindowsを深く研究し、執筆記事の累計閲覧数は1億回を超えています。
PCの起動や再起動のたびに待ち時間が発生すると、そのストレスは積み重なっていきます。起動が極端に遅いと、PCをつけっぱなしにして何週間も使い続けることになりかねず、それ自体がパフォーマンス低下の原因にもなります。
幸い、起動の遅さは解決できる問題です。いくつかの設定を見直すだけで、レストランで注文した料理を待つような長いブート時間とはおさらばできます。
本記事ではWindows 11を中心に解説します(Windows 10はサポート終了済み)が、紹介する方法はWindows 10にも同様に有効です。
1. 高速スタートアップを切り替える
Windowsの起動が遅くなる原因として特に厄介なのが「高速スタートアップ」機能です。これはデフォルトで有効になっており、シャットダウン前に一部の起動情報を読み込んでおくことで、次回の起動時間を短縮するはずの機能です。
名前だけ聞くと魅力的ですが、実際には多くのユーザーでトラブルを引き起こしています。そのため、起動が遅い場合はまず最初に確認すべき設定です。
なお、高速スタートアップが適用されるのはPCを「シャットダウン」した場合のみです。「再起動」は常に完全な再起動を行うため、この機能の影響を受けません。
無効化するには、キーボードのWindowsキーで検索を開き、「control」と入力してコントロールパネルを開きます。右上の表示方法を小さいアイコンに変更し(未設定の場合)、電源オプションを選択します。
次に、左サイドバーの「電源ボタンの動作の選択」をクリックします。設定変更には管理者権限が必要なので、画面上部の「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックしてください。
あとは「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、変更の保存をクリックすれば完了です。逆にすでに無効になっている場合は、有効に切り替えて起動が速くなるか試してみましょう。SSD搭載機なら影響は小さめですが、どちらが自分の環境に合うか確認する価値は十分にあります。
この項目が表示されない場合、休止状態が無効になっていることが原因です。Win + Xキーを押すかスタートボタンを右クリックし、ターミナル(管理者)(またはコマンドプロンプト(管理者)/Windows PowerShell(管理者))を開き、以下のコマンドを実行してから再度確認してください。
powercfg /hibernate on
2. 仮想メモリ(ページファイル)の設定を調整する
仮想メモリとは、ストレージドライブの一部を補助的なRAMとして扱うWindowsの仕組みで、その領域は「ページファイル」と呼ばれます。物理メモリが上限に近づくと(同時に多数のアプリを起動している場合など)、使用中でないプロセスがここに退避されます。
一部のユーザーからは、Windowsが仮想メモリ設定を勝手に変更し、起動トラブルを引き起こすケースが報告されています。起動が遅い場合は、一度仮想メモリの設定を確認してみてください。
手順は以下の通りです。スタートメニューで「パフォーマンス」と検索し、「Windowsの外観とパフォーマンスの調整」を選択します。詳細設定タブでページファイルのサイズを確認でき、変更ボタンから編集できます。
表示されたウィンドウでは下部の数値が重要です。推奨メモリ量と現在割り当て済みの値が並んでいます。この問題を抱えている環境では、現在の割り当てが推奨値を大幅に上回っていることがあります。
数値が不自然な場合は、「すべてのドライブのページングファイルサイズを自動的に管理する」のチェックを外しましょう。ドライブが複数ある場合は、上のリストでOSがインストールされているC:ドライブを選択してください。
続いてカスタムサイズを選び、初期サイズと最大サイズにシステムの推奨値を入力します(環境によって値は異なります)。再起動すれば、起動時間が改善するはずです。
こちらも項目1と同じく、逆のアプローチも有効です。自動管理が無効になっているなら、有効に戻してみると問題が解決することがあります。
3. Linux用Windowsサブシステム(WSL)を無効にする
Windows 11/10にはLinux用Windowsサブシステム(WSL)が用意されており、本格的なLinuxターミナルを使ったり、Linuxディストリビューションやソフトを簡単に実行したりできます。開発者にとっては便利ですが、Linuxを使わない人にとっては不要な機能です。
ただしWSLはデフォルトで無効なので、「Bashが何かわからない」という方なら原因である可能性は低いでしょう。とはいえ、切り分け作業としてチェックする価値はあります。
無効にするには、スタートメニューで「Windowsの機能」と検索し、「Windowsの機能の有効化または無効化」を開きます。一覧からLinux用Windowsサブシステムのチェックを外し、PCを再起動してください。
4. グラフィックドライバーを更新する
近年のWindowsはドライバー周りでトラブルを起こしやすい傾向があり、誤ったドライバーや古いドライバーが起動プロセスに悪影響を与えている可能性もあります。グラフィックカードのドライバー更新で起動問題が解消することもあるため、次に確認しましょう。
Win + Xキーを押すかスタートボタンを右クリックしてデバイスマネージャーを開き、ディスプレイアダプターを展開します。ここで使用中のGPU(NVIDIA製またはAMD製)を確認できます。
続いて、対応ベンダーのソフト(NVIDIA App、AMD Software: Adrenalin Editionなど)を開くかダウンロードして、ドライバーの更新をチェックします。Intel内蔵グラフィックスの場合は、Intel Driver & Support Assistantを利用しましょう。
新しいバージョンがあればインストールし、再起動して起動時間が改善したか確認してください。
ついでに他のドライバーの更新も確認しておくと安心ですが、起動の遅さに関わる可能性が最も高いのはグラフィックドライバーです。加えて、設定 > Windows Updateで保留中の更新がないか確認し、あればインストールしておくのもおすすめです。
5. 不要なスタートアップアプリを無効にする
ここまでの対処法は主に「電源オンからロック画面まで」の時間を対象としたものですが、ログイン後、Windowsが実際に使えるようになるまでが遅いと感じることもあるでしょう。その場合、起動時に実行されるアプリが多すぎることがよくある原因です。
多くのソフトは、インストール時やアップデート時に自動的にスタートアップへ登録されます。ログイン直後に数十個のアプリが一斉に立ち上がれば、リソースを食いつぶしてシステム全体が重くなります。
対策としては、Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開き、スタートアップアプリタブから必要最低限のもの以外を無効化しましょう。効果ははっきりと実感できるはずです。
さらに詳しく調査したい場合は、クリーンブート(サードパーティ製アプリを一切読み込まずに起動する)を試すと、アプリが原因かWindows自体が原因かを切り分けられます。
さらに踏み込むなら、BIOS設定でデバイスの起動順序や独自のファストブートオプションを変更するのも、起動時間短縮の有効な手段の一つです。
6. SFCスキャンを実行する
SFC(System File Checker)コマンドは、Windowsのシステムファイルの破損を検出し、正常なコピーとの置き換えを試みるツールです。起動プロセスを担うファイルが壊れていると起動が遅くなる可能性があるため、トラブルシューティングとして実行する価値があります。
SFCスキャンの具体的な実行方法がわからない方は、関連ガイド記事を参照してください。
7. SSDへの換装(または新規購入)を検討する
HDD(ハードディスクドライブ)でWindowsを動かしていると、あらゆる操作が遅くなります。HDDは安価に大容量データを保管できる点で優れていますが、今どきOSドライブとして使うには速度が足りません。
SSD非搭載の古いPCをお使いなら、新しいシステムへの買い替えを検討するタイミングです。それまでのつなぎとして、構成上可能であればSSDへの換装も効果的で、Windowsのパフォーマンスが大幅に向上します。費用面では新規購入の方が合理的なことも多いですが、いずれの場合もSSD化は満足度の高いアップグレードです。
ノートPCへのSSD換装の手順も解説していますが、デスクトップPCなら作業はさらに簡単です。
8. 最終手段:PCを初期化する
上記のすべてを試しても起動時間が改善しない場合は、思い切ってWindowsをまっさらな状態で再インストールするのが得策です。
PCのリセット方法はいくつかあります。標準の「リセット」機能では、個人ファイルを残したままWindowsを再インストールできますが、実行前に必ずデータをバックアップしておきましょう。
設定 > システム > 回復に移動し、「このPCをリセットする」横のボタンから操作を開始してください。
Windows 11では、同じ画面の「Windows Updateで問題を解決する」欄にある「今すぐ再インストール」も選択肢です。こちらはデータに影響を与えず現在のバージョンのWindowsを再インストールでき、フルリセットより負担の少ない方法なので、まず先に試す価値があります。
まとめ:起動の遅さは必ず改善できる
これらの対処法の一つ(またはすべて)が役立ったことを願っています。起動の遅さは大きなストレスですが、打ち手はいくらでもあります。
また、スリープモードの活用も忘れずに。完全なシャットダウンよりもスリープからの復帰の方がはるかに速く、近いうちにまたPCを使う予定があるならスリープで十分です。
ただし、古いPCの場合、ソフトウェア側でできることには限界があります。根本的な解決には、ハードウェアのアップグレードが最も効果的です。
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