Windows Helloとは?仕組みと設定・有効化方法を徹底解説
パスワードを入力せずに、安全かつスピーディーにPCへログインできたら便利だと思いませんか?「Windows Hello」はそんな悩みを解決する、Microsoftの生体認証ログイン技術です。顔・虹彩・指紋を使った認証により、従来のキーボード入力よりも速く、安全で、簡単なログインを実現します。
この記事では、Windows Helloの仕組みと、使い始めるための具体的な設定方法をわかりやすく解説します。
Windows Helloとは?何ができるの?
10年前、生体認証によるログインはSF映画やテクノスリラーの中だけの話でした。しかし今日では、顔や虹彩、指紋だけでWindows PCにログインすることが一般ユーザー向けの現実となっています。Windows Helloは、面倒なログインパスワードからユーザーを解放してくれるのです。まずは基本情報から確認しましょう。
誰が利用できる?
Windows 10 Anniversary Update以降を搭載したほとんどのPCで利用可能です。多くの最新パソコンには必要なハードウェアが標準搭載されています。古いシステムでも、安価な周辺機器を追加すればWindows Helloに対応させられます。
どんな認証方式を使う?
顔認証、指紋認証、虹彩認証の3種類があり、そのうちのいずれか1つを登録すればOKです。ただし認証方式を選ぶ前に、自分のPCがWindows Helloに対応しているかどうかを確認しておきましょう。
PCがWindows Helloに対応しているか確認する方法
必要条件はシンプルです。「Windows 10 Anniversary Update」が適用されていること、そして虹彩スキャナー・指紋リーダー・近赤外線3Dカメラのいずれかを備えていることです。
対応状況は「設定 > アカウント > サインイン オプション」から確認できます。
2018年初頭の時点では、Nokia Lumia 950 XLなど一部のモバイル端末のみが虹彩スキャンに対応していました(対応デバイスの一覧はMicrosoftが公開しています)。非対応の場合は「このデバイスではWindows Helloを利用できません」というメッセージが表示されます。
たとえ非対応でも、周辺機器を購入すればWindows Hello機能を追加できます。追加できる生体認証には2種類あります。詳細は後述の「このデバイスではWindows Helloを利用できない場合」のセクションをご覧ください。
Windows Helloを有効にする方法
対応システムをお持ちなら、セットアップはとても簡単です。サインインオプション画面の「顔認証」項目にある「設定」をクリックしてください(指紋認証対応PCの場合は「指紋」項目の「設定」を選びます)。
顔認証のセットアップでは、Windowsが近赤外線による顔の3D画像を撮影します。髪型や眼鏡なども考慮されるため、認識精度を高めるために何度か撮影を繰り返す必要があるかもしれません。
実際に使ってみると、フードを被ったり髪の分け目を変えたりするとログインできないこともありました。しかしそのような場合は、パスワードを再入力すればよいだけなので、顔認証ログインを使うことによるデメリットは特にありません。
Windows Helloの「ダイナミックロック」機能
Windows Helloには「ダイナミックロック」という便利な機能もあります。これは、ユーザーが席を離れたことを検知すると自動的にPCをロックする機能です。ペアリング済みのBluetoothデバイス(通常はスマートフォン)との接続を利用し、そのデバイスがBluetoothの通信範囲外に出ると、PCが自動的にロックされます。
ダイナミックロックを使うには、まずスマートフォンやタブレットをBluetoothペアリングモードにし、WindowsのBluetooth設定を開きます。Windowsキーを押して「Bluetooth」と入力するのが最も手軽です。
「Bluetoothとその他のデバイスの設定」を選択し、「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」をクリックします。デバイスの種類を選ぶ画面では「Bluetooth」を選びましょう。
デバイスの一覧が表示されたら、該当するデバイスを選んでペアリングを開始します。ペアリングが完了したら、Windows Helloの設定画面に戻り、ダイナミックロックを構成すれば完成です。
ちなみに、過去にダイナミックロックと同様の動作をするガジェットを記憶している方もいるかもしれませんね。
「このデバイスではWindows Helloを利用できない」場合の対処法
Windows Helloが使えない場合、その原因のほとんどはハードウェアの非対応です。つまり、虹彩スキャナー・指紋スキャナー・近赤外線3Dカメラのいずれも備えていない状態ということです。残念ながら、虹彩スキャナー単体の製品はまだ市販されていません。
指紋スキャナーを追加する
最も低コストかつ安全性の高い選択肢が指紋スキャナーです。指先や親指ならではの凹凸パターンを識別する仕組みで、市販の製品はどれも基本的な機能はほぼ同じです。最も安価なモデルでも十分実用的であり、Windows Helloへの対応手段としては最も手頃な方法といえるでしょう。
使い方は簡単で、USBポートに挿してドライバーのインストールが完了すれば、あとはWindowsで自分の指紋を登録するだけ。以降は指をタッチするだけでPCにログインできるようになります。
USBドングルタイプ以外にも選択肢はあります。Microsoft自身が、生体認証スキャナーを統合したキーボードを第一方製造品として販売しています。また、スキャナー内蔵マウスも登場しつつありますが、Amazonなどで見かける製品の多くはWindows Hello非対応なので注意が必要です。
全体として、指紋スキャナーは最良のセキュリティを提供します。顔認証カメラはWebカメラとしても兼用できますが、価格が高めです。ただし顔認証の誤認証率は、Microsoftの発表によると1%未満とされています。
なお、指紋リーダーには高価な製品も存在しますが、安価なモデルとできることは変わりません。たとえばiDOO製のミニUSB指紋リーダーのように、360度タッチ対応でパスワードレスログインやファイル暗号化に使える製品がAmazonなどで人気です。
顔認証カメラを追加する
顔認証スキャナーにはさまざまなモデルがあります。Windows Hello対応Webカメラには、ロジクールやMicrosoftなど大手メーカーの製品が揃っています。中でも最も安価なのはMouse ComputerやLilBitのWebカメラですが、マイクが非搭載な点には留意しましょう。eMeetのCM01-Aのように、手頃な価格の顔認証対応カメラもあります。
ハイエンド市場にはいくつかの選択肢がありますが、個人的な意見としては、Razer Stargazerは割高に感じますし、Kinect 2.0も価格に見合う機能を備えているとは言えません。
ロジクールの高級Webカメラ「Brio」はWindows Hello対応に加えてノイズキャンセリングマイクも搭載していますが、価格は決して安くなく、レビュー評価も必ずしも良好とはいえません。
個人的には、指紋スキャナー派の方にはUSBドングルタイプがベストの選択だと考えます。安価で扱いやすく、特定のマウスやキーボードを買い替える必要もないからです。
Windows Helloのセキュリティとプライバシーは安全?
Microsoftのプライバシーポリシーによると、ユーザーのプライバシーは次の2つの方法で保護されています。
第一に、指紋認証や顔認証を利用する場合、Microsoftは(同社の説明によると)指紋や顔写真そのものの生データをインターネット上に送信しません。
実際、生データは保存すらされません。Windowsは指紋や顔写真の代わりにデジタル化された抽象データを作成します。この情報は人間には判読できず、機械でのみ解釈可能な形式です。
第二に、一部のユーザーデータはインターネット経由でやり取りされますが、強力に暗号化されているため、中間者攻撃(MITM攻撃)によって傍受される心配はほぼありません。仮に傍受されたとしても、攻撃者が入手できるのはデータのハッシュ値のみです。
結論として、Microsoftを信頼でき、犯罪者に生体情報を悪用されるリスクが低いと判断するなら、Windows Helloは安全な選択肢といえるでしょう。反対に、Microsoftがデータを商用目的で利用することを懸念するなら、使用を控えるのも一つの判断です。ただし、そうした懸念がなければ、データの保存・転送の仕組み自体に根本的な欠陥はありません。
Windows Helloは使う価値あり?
デスクトップPCユーザーにとって、Windows Helloは生体認証を導入するための最も簡単な方法です。対応ハードウェアがなくても、Windows Hello対応の指紋リーダーや顔認証カメラを購入すれば、後から追加できます。
ほとんどのユーザーには指紋スキャナーをおすすめします。小型でUSBポートに挿すだけで動作するため、ほぼすべてのPCで利用可能です。コストパフォーマンスの面では、iDOOの指紋リーダーやEikon Miniが有力な候補となります。
ただし、Windows Helloを使い始める前に、システムで設定できるその他のセキュリティ機能を見直しておくことも忘れないでください。
-
Windowsの「God Mode(ゴッドモード)」とは何か?Windows 10で有効化する方法を徹底解説
ITエンジニアが、通常のコントロールパネルとは異なる「すべての設定が1ページにまとまった特殊な画面」を使用しているのを見たことはありませんか。その画面は「God Mode(ゴッドモード)」と呼ばれています。 God Modeを使えば、必要な設定項目が一覧形式で表示されるため、設定や構成の変更が格段に簡単になります。探していた項目がどこにあるのか迷う時間もなくなります。 この記事では、WindowsのGod Modeについて詳しく解説していきます。 God Modeとは? God Modeとは、その名のとおり「神のようなモード」という意味です。神が世界や宇宙のすべてをひとつの場所から支配している
-
Windows 10でシステムの復元ポイントを有効化・作成する完全ガイド
Windows 10のシステムの復元ポイントとは、Windows Updateやソフトウェアのインストールといった重要な操作が行われる前に、特定のファイルや情報のスナップショットを自動的に作成するWindowsの標準機能です。システムの復元を実行すれば、ドキュメントなど個人データに影響を与えることなく、Windowsが安定して動作していた以前の状態へ戻すことができます。Windowsの深刻なトラブルに直面したときの最初の対処法として非常に有効です。本記事では、Windows 10(8.1、7も同様の手順)で復元ポイントを作成し、システムの復元を実行する方法を詳しく解説します。 Windows