WindowsのSystem32フォルダとは?役割と削除できない理由を解説
インターネットを少し眺めているだけでも、「PCのWindowsにあるSystem32フォルダを削除しろ」と吹き込むいたずら者に出会うことがあります。しかし、この謎めいたWindowsフォルダとは一体何なのでしょうか?なぜ誰かがあなたにその削除を勧めるのでしょうか?
さらに、本当にSystem32を削除したら何が起こるのでしょうか?今回はその事実を詳しく解説します。
System32とは?
System32は、Windows 2000以降のすべてのバージョンに搭載されているフォルダで、「C:\Windows\System32」というパスに配置されています。中には、Windowsが正常に動作するために不可欠なファイルやフォルダが多数収められています。
System32内のファイルは数え切れないほどあるため、すべてを個別に説明することはできませんが、その大半は次の2つのグループに分類できます。
- DLL(ダイナミックリンクライブラリ)ファイル:プログラムがWindowsの各機能にアクセスし、標準的な処理を実行できるようにするファイルです。たとえば、あるDLLは音声の再生を担当し、別のDLLはWindows Updateの自動実行を可能にします。多くのDLLはPCの起動直後に読み込まれ、これらなしではWindows自体が立ち上がれないため、DLLエラーの修復が非常に厄介なのです。
- EXE(実行可能)ファイル:ソフトウェアやユーティリティの本体となるファイルです。WordやChromeなどを開くたびに実行ファイルが起動していますが、System32内のEXEはさらに重要です。イベントビューアー(eventvwr.exe)などのWindowsユーティリティのほか、winlogon.exeのようなタスクマネージャー上の必須プロセスも含まれています。これがないと、そもそもPCにサインインすることすらできません。
これらに加えて、System32には各種ハードウェアと連携するためのdriversフォルダや言語ファイルなども格納されています。
WindowsでSystem32フォルダを削除する方法
ネット上の冗談とは裏腹に、System32の削除はワンクリックでできるものではありません。保護されたシステムフォルダであるため、削除を試みてもアクセスが拒否されます。この仕組みのおかげで、不慣れなユーザーが誤ってフォルダを消してしまう事故を防げています。
しかし、執拗に削除を目指すことは技術的には可能です。フォルダの所有権を取得すれば削除を試みられますが、今度はSystem32内の多くのファイルが使用中であるため、Windowsが再びブロックします。
これを回避するには、System32内の個別ファイルを一つずつ削除するか、コマンドプロンプトを使って効率的に削除を進める方法があります。この場合、現在使用されていないファイルであれば削除できてしまうのです。
System32を削除するとどうなる?
System32内のファイルを無作為に削除し続けると、コンピューターは緩やかに崩壊していきます。プログラムの起動、スタートメニューからの検索、Windowsユーティリティのオープンといった基本操作が、依存するファイルを失ったことで動かなくなります。System32が「ドカン」と爆発するような瞬間はなく、短時間のうちに少しずつ壊れていくのです。
何を削除したかによりますが、通常のシャットダウンすらできなくなる可能性が高いでしょう。強制的に電源を切り再起動すると、重要なDLLが失われたためにWindowsが起動しなくなるはずです。つまり、この時点でWindows環境はほぼ終わりです。
ここまでやってしまったら、すべてを正常に戻すにはWindowsの再インストールが必要になります。システムの復元などの機能も破損している可能性が高いため、ゼロからの再インストールを余儀なくされるでしょう。
以上のことから、Windowsがこのフォルダを厳重に保護しているのには理由があると分かります。もし保護がなければ、ディスク容量を稼ごうとしてフォルダを削除し、悲惨な結果に直面する人が続出していたはずです。
System32とSysWOW64の違いとは?
64ビット版Windowsでは、「Program Files (x86)」フォルダのように、フォルダ構成にいくつかの違いがあります。System32にも同様のことが起こっています。64ビットシステムの「C:\Windows」フォルダには、System32に加えてSysWOW64というフォルダが存在します。
実際に覗いてみると、両フォルダには同じ名前のファイルが多数含まれていることが分かります。「Program Files (x86)」と同じく、これは32ビットプログラムとの互換性を保つために設けられたものです。32ビットプログラムが64ビットのDLLを読み込もうとすると、クラッシュしてしまうからです。
ところが奇妙なことに、64ビットシステムではSystem32に64ビットのファイルが入り、SysWOW64に32ビットのファイルが入っています。実はWoW64は「Windows 32-bit on Windows 64>-bit」の略称で、64ビットシステム上でも32ビットプログラムを正しく実行させるためのサービスなのです。
その仕組みの一環として、32ビットプロセスは自動的に適切なフォルダへリダイレクトされます。32ビットプログラムは64ビットソフトウェアの存在を知らないため、当然ながら「System32」フォルダへアクセスしようとしますが、WoWがそれを「SysWOW64」へ誘導します。「Program Files」についても同様の処理が行われます。
古い32ビットプログラムの多くはSystem32やProgram Filesへのアクセスがハードコードされているため、このリダイレクト方式によって、32ビットと64ビットの両方のプログラムが1つのシステム上で問題なく動作できます。少し紛らわしい仕組みですが、理由を知れば納得できるはずです。
System32ウイルスについては?
ウイルスなどのマルウェアがSystem32に潜んでいる可能性もあります。ルートキットはこのフォルダに侵入し、正規のプロセスに擬態しようとすることがあり、異常に高いCPU使用率から存在に気づくケースもあります。
System32にウイルスがいると疑った場合、該当ファイルを自分で削除・改変してはいけません。感染を除去するどころか、システムを誤って壊してしまうリスクの方がはるかに高いのです。
代わりに、信頼できるアンチウイルスソフトでスキャンを行い、その後Malwarebytesのようなアンチマルウェアツールで追加スキャンを実施しましょう。
WindowsのSystem32を理解しよう
これで、System32の正体、その役割、そして削除した場合に何が起こるかがすべて分かりました。
他のことを忘れてしまっても、System32にはWindowsが正常に動作するために不可欠なファイル群が収められていることだけは覚えておきましょう。組み込みの保護機構を意図的に回避しない限りSystem32を削除することはできませんし、万が一フォルダを壊してしまったら、ほぼ確実にWindowsの再インストールが必要になります。
こうしたトピックをもっと知りたい方は、Windowsの難解な謎を解決する関連記事もぜひチェックしてみてください。
-
Windowsの検索インデックスとは?仕組みと重要性、設定方法を徹底解説
Windowsでファイルを探したことはありますか?もちろん、誰でも一度は経験があるはずです。膨大なデータの中から目的のファイルを素早く見つけたいとき、検索機能ほど頼りになるものはありません。 そんなとき、検索結果をできるだけ速く表示してくれるのが「Windows Searchインデックス」です。この記事では、Windows Searchインデックスが何なのか、そしてなぜWindowsにとって重要なのかを詳しく解説します。 Windows Searchインデックスとは?なぜ必要なのか Windows Searchインデックス(SearchIndexer.exe)は、PC内のローカル検索を高速化す
-
Windows 10をクリーンブートする方法と、実行すべき理由を徹底解説
Windows 10は直感的で使いやすい操作環境を備えたOSですが、その裏側では数千、数百万規模のソフトウェアコンポーネントが複雑に連携しています。たとえシステムが理想的な状態であったとしても、常に複数のプログラムがバックグラウンドで動作しているのです。最近、Windowsデバイスで不具合に悩まされていませんか?エラー表示が頻発していませんか?そんなとき、多くの専門家が推奨するのが「クリーンブート」の実行です。この記事では、クリーンブートの概要と、Windows 10を安全な環境で起動するための具体的な手順を詳しく解説します。関連記事:Windows 10向けおすすめ無料クリーナークリーンブー